迷った末の退職…でもこれはチャンスかも?新米ライターとしてチャレンジ中!

IT企業で17年間のキャリアを積みながらも、駐在生活中にこれまでの経歴とは別の新しいチャレンジをしているシンガポール在住Nさんへのインタビューです。
自己紹介をお願いします
N.O.です(36~40歳)。シンガポール滞在9カ月で、子どもは2人(7、2歳)います。
日本での経歴は、IT企業にて開発・顧客営業経験17年(育休2回含む)。
現在は、日本企業と業務委託契約を結び、新米ライターとして、ママ向けの記事を月2-3本執筆中です。

どうしてその選択をしたいと思ったのですか?
これまでIT企業に正社員で勤務していましたが、夫の海外赴任に帯同するために退職しました。
退職するかどうかはかなり悩みました。休職制度が整っておらず、夫と同じ会社に勤務していたのにどうして私だけが退職しなければいけないのか、と憤る気持ち、落ち込む気持ちで複雑な心境でした。帯同せずに残る選択肢も考えましたが、両方の両親とも遠く夫と2人で保育園の送り迎えや家事を分担してなんとかワーママ生活を送っていたので、とても1人で2人を育てながら働き続けるのは難しいと判断し、マイナス視点での退職でした。
そんな後ろ向きな気持ちでスタートした海外生活は、案の定、初めての専業主婦の自分が何も価値を生み出していない、社会に貢献していないと感じ、毎日落ち込んでいました。周りのママさんは働いていなかった方が多く、自分の気持ちを分かってもらえなくて辛い時期でした。そこで、現地で働いていたり、働きたいと思っているママ向けのコミュニティに参加してみました。
同じような境遇の参加者と悩みを少しずつ共有することで心が落ち着き、キャリアについて前向きに考え行動されている方々に励まされて、私も、自分の今後のキャリアをどうしたいのか真剣に見つめ直し、今ここでできることを何でもやってみよう、と徐々に前向きになれました。
この機会に、経験してきた仕事の分野ではなく、キャリアの幅を広げて今後の選択肢を広げるのもありかもしれない、と視点を変えることができました。
実現するためにどんな努力・取り組みをされましたか?
駐在生活中に何をしてみたいか、これまでにはチャレンジしたくてもできなかったことは何か、自分の好きなこと、興味があること、得意なことなどキーワードを書き出して、自分と向き合う作業をしました。その結果、「駐在妻として世界のどこにいてもできる職種」という視点と「自分の好きなことや得意なこと」という視点を組み合わせて「Webライター」にチャレンジしてみようと心が決まりました。
昔から書くことが好きだったので、一度書く技術について学びたいと思っていたのもあり、渡航前に「Webライティング技能検定講座」の通信講座教材を購入して持参していました。引越が終わり、生活が落ち着いたら暇だろうから、時間潰し程度にやろうかと持参していたのですが、目標が決まってからは本格的に勉強スタート。家事や育児の隙間時間を使って少しずつ勉強しました。

家族へどんな協力を、どのように求めましたか?
海外赴任後は夫も新しい環境、新しい業務内容に忙しく、家事や育児にはあまり協力してもらえませんでした。また、保育園通いをしていた2歳の娘を家で世話する生活になり、家事や育児に追われて、なかなか勉強時間がとれませんでした。
そこで、週3日だけ幼稚園に通わせて欲しいと夫に相談し、全額自費ではあるのですが、自分の時間を確保することができました。試験前には週末に夫の子ども2人を連れ出してもらい、集中して勉強をさせてもらいました。3カ月程度勉強し、無事にオンライン試験に合格することができました。
難しかった点、苦労した点はどんなところですか?
試験は選択式の他に「〇〇について、〇〇文字で書きなさい」というライティング試験があるので、多くのテーマについて実際にライティングを行う練習を何度も行いました。ライティングには正解はありません。気を付けるべき点は教科書に載っていますが、何を書くかは自分のこれまでの経験や自分が感じたことなどが大事になってきます。これまでの仕事では考えたことがないような幅広いジャンルについて、INPUTのための読書をしたり、ネットを検索して知識を深めたり、という時間も必要になりました。
試験のチャンスは毎月1回。満を持して臨んだつもりが、うっかり日本との時差を忘れていて、気づいた時には既に試験開始後30分経過…。もう残り時間がなく、しっかりと見直しができなかったので、「もう駄目だ…」と落ち込みましたが、なんとかギリギリ合格できてほっとしました。
その後、クラウドワークのサイトに複数登録し、自分がチャレンジできそうなライティング案件にトライアル記事を書いていくつか応募し、新米ライターデビューできました。
実際に選択して、今の心境は?得たものはありますか?
会社を退職して初めての専業主婦生活に、ぽっかりと心に穴が空いた感じでした。でも勉強を始めてからは前向きに過ごすことができました。実際に新米ライターとして記事を書き始め、それが世の中に出ると、自分が少しでも誰かの役に立っている、社会に何かしら貢献できていると感じ、充実感を得ることができています。今後は、編集や取材などの経験も積んでみたいと思っています。
帰国後、ライターとしてキャリアを積んでいくかどうかは今はまだわかりません。
駐在生活中は今後のキャリアの選択肢を少しでも広げられたらいいなと思っていろいろチャレンジしたいです。
退職してゼロになったおかげで、これから何でもできるんだ、というマインドに変化できたことが大きいです。

ワンポイントアドバイスがあれば、ぜひ!
夫の海外赴任が決まった時は、これまで積み上げたキャリアや経験が断絶してしまうことに不安を感じ、退職して帯同するか本当に悩みました。でも、一度組織から離れ自由になることで、これまでやってみたかったこと、新しく興味が湧いたことにチャレンジできる良い機会になり、今後のキャリア形成にもプラスになる経験ができると今は思っています。
あえて、これまでのキャリアとは別のことにもぜひチャレンジしてみてください。
もしかしたら新しい世界が開けるかもしれませんよ。



