「誘われたら断らない」モットーから始まった日本語講師ボランティアで得られたもの

難しかった点、苦労した点はどんなところですか?

難しかったことばかりでここではお話し切れませんが、ほんの一部だけ紹介します(笑)。

授業では中国語は少し使う程度で、基本的には、日本語で進めていました。補足のために、日本語ができる方に時々通訳をしてもらいました。私の中国語が初級~中級の下くらいのレベルなので、自分で中国語と日本語の細かい違いやニュアンスをうまく説明できないことがもどかしかったです。通訳を介した方が受講者の理解は深まりますが、時間もとられますし、私が授業をする意味がなくなるような気がして、そのバランスが難しかったですね。

私のような立場の者がボランティアで日本語講師をするなんて、運営に関わる全員にとって初めてのことだったので、とにかく何もかも手さぐりの状態でした。スタートするまでにも時間がかかり、始まってからも途中で状況が変わることが多くありました。

また、中国の人たちの仕事のやり方や進め方に戸惑うことも多かったのですが、皆さんの大らかなところには、逆にとても助けられました。「夫もこうして仕事をしているんだな」と知れたこともよかったです。

初めてのことだらけで大変だったけど、今思えば「前例がないからこそ思い切ったチャレンジができた」とも言えると思います。

実際にチャレンジしてみて、得たことは何だと思いますか?

得られたものは予想以上にたくさんあり、「思い切ってやってみて本当によかった」と思っています。チャレンジしたことで何かを始める心理的ハードルがぐっと低くなり、「経験や自信がなくても何でもチャレンジしてみよう」と思えるようになりました。

そして「日本語研修チーム」という仲間ができたこと、自分の居場所・役割ができたとという実感が得られたこともとても大きかったです。最後の授業では、「すごく一生懸命教えてくれた」「今まで勉強した中で一番楽しかった」との感想をいただき、努力して準備した甲斐があったと、とても嬉しい気持ちになりましたが、達成感と終わる寂しさでいっぱいになりました。

一旦終わってしまいましたが、嬉しいことに「また一緒に勉強したい」という声が上がり、今後の継続も相談しているところです。いつか帰国して日本語講師になりたいかと聞かれると、そこまでは考えていません。でもこの経験は、帰国後の生活や仕事でもプラスになると感じています。
何もしなかったより経験値は確実に上がっていますし、世界も広がりました。ボランティアとはいえ、会社の皆さんには大変協力いただきとても感謝しています。

 

駐在妻の皆さんへ、ワンポイントアドバイスをぜひお願いします!

どうやって知り合いを作ればよいか、居場所を見つけるか、悩んでいる方もいらっしゃると思います。受け身ですが、私はまず「誘われたら断らない、行ってみる、やってみる」をモットーにしていました。

あと、「その場を楽しむこと。(楽しもうとすること。)」
そうすると知り合いも増えて、何かと助けてくれる人もできました。

最初の授業をするまでに、こちらに来てからちょうど1年が経っていました。
迷っている間に、時間はあっという間に過ぎてしまいます。
「気になることはやってみる」「チャンスが来たら乗ってみる」。そうすると世界が広がることを実感したので、皆さんもぜひ色んなことにチャレンジしてみてください。

 

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