出産までの流れを教えてください。
妊娠38週の健診へ行った際に子宮口が3㎝開いていると言われ、その週末に分娩予定の病院(Rofayda Health Park)へ来るように言われました。
週末に分娩予定病院へ行った時点では子宮口の開きは変わらず、医師は促進剤を使用した計画出産を予定していました。しかし、私が促進剤を使いたくない旨を伝えたところ、促進剤を使用しない方法(医師が内診して刺激し、陣痛を促す)を行うことになりました。
その後、病院の敷地を散歩をしていたところ、徐々に陣痛のような鈍い痛みが出てきて、子宮口が5cm開いたところで、医師が人為的に破水を起こさせる処理をしました。
その後どんどん陣痛が強くなり、いきみ逃しが限界になってきたところで分娩室へ移動し、入室して30分後に普通分娩にて出産しました。
なぜ、エジプトでの出産を選ばれたのですか? 不安はありませんでしたか?
日本で出産した場合は、予防接種のスケジュールが落ち着く生後5~6カ月頃までは渡航が難しい状況になり、その間は子どもと自分だけの生活になることに不安がありました(家庭の事情により里帰り出産が難しい状況でした)。また、初めての出産・育児を、夫と一から行いたいという気持ちがあったため、海外での出産を選びました。
エジプトでの出産にまったく不安がなかったわけではありません。ただ、妊娠経過が順調だったことや、私自身が看護師で医療知識があったこと、また青年海外協力隊としてアフリカの病院で2年間活動していたことから、医療英語がある程度身についていたこともあり、何とかなるのではという思いはありました。
エジプトと日本での出産で、違いはありましたか?
日本で出産した経験がないので比較することが難しいのですが、振り返ってみると分娩中にモニター(血圧計や陣痛モニターなど)を何も付けなかったことにビックリしました。また、私は行わなかったのですが、Rofayda Health Parkでは多くの方が無痛分娩を選択しており、費用は日本円で10,000円程度と、日本に比べて費用も敷居も低いと感じました。
エジプトで出産してよかったこと、困ったことについて教えてください。
希望通り夫が立ち会い、一緒にその瞬間を迎えることができたのがよかったです。
困ったことは、医師には英語が通じるのですが、看護師は英語が話せない人もいて、意思疎通がやや難しかったこと。また、日本のように産後の授乳指導、沐浴指導などが一切なかったため、帰宅後の生活にやや不安を感じました。
出産前後に、お手伝いさんなどは手配されましたか?
臨月に入ってからはお手伝いさんを雇って、週に1回家の掃除をお願いしました。産後も引き続き来てもらい、掃除をお願いしています。
お手伝いさんは、先輩駐在ママから紹介してもらいました。
事前に掃除道具や洗剤を準備したのですが、洗剤はお手伝いさんのお気に入りのメーカーがあり、事前にどのメーカーのものを買えばよいか聞いておけばよかったと思いました。
お手伝いをお願いしてよかったこと、困ったことについて教えてください。
出産前は人を雇って家の掃除をしてもらうことに抵抗があり、自分で何とかできると思っていました。しかし、いざ赤ちゃんとの生活が始まると思った以上に時間や気持ちに余裕がなく、また、もともと掃除があまり得意ではなかったこともあって、とても助かっています。
海外での妊婦健診、出産費用は日本より高いと聞きますが、いかがでしたか?
エジプト国内でもトップクラスの私立病院を利用したため、現地価格で考えるとかなり高額だったのかもしれません。ただ、日本円に換算して比較すると、妊婦健診・出産費用ともに日本と同等か、やや低いくらいでした。
妊娠、出産、産後を通じて、必要なものはどのように揃えましたか?日本で調達した方がよいものはありましたか?
マタニティウェアや授乳服、産後の補正下着、また新生児の肌着や哺乳瓶は日本で調達した方がいいと思います。それ以降の乳児用の洋服については、ありがたいことに先輩駐在ママからお下がりをいただくことができました。
また、英語版の母子健康手帳を事前にネットで購入しました。日本のように、健診時に医師に記入のお願いはしませんでしたが、受診時に使えるフレーズや、予防接種のスケジュールなどが英訳されているため、現地の予防接種のスケジュールと照らし合わせて相談するときなどに便利だと思います。
エジプトならではの習慣や困った経験はありますか?どのように対処されましたか?
私は経験したことがないのですが、子ども好きが過ぎて、通りすがりに突然キスをしてくる現地の人(男女とも)がいるので、注意した方がいいという話をよく聞きます。
妊娠から子育て期間を通じて困ったことはありましたか?どのように解決または対処されましたか?
子どもが新生児黄疸になってしまい、私だけ先に退院しました。母乳を届けるため、20km以上離れている病院まで毎日2回通わなければならず、心身ともにしんどい時期がありました。
気にかけてくれるママ友が近くにいて、雇っているドライバーさんと車をお借りすることができたり、気分転換に誘ってくれたりしたので、とても助かりました。
これからエジプトで妊婦健診〜出産を迎える方にメッセージをお願いします。
事前に自分がどのようなスタイルで出産したいかを医師に伝えておくとよいと思います。聞いた話によると、病院によっては帝王切開を積極的に進める医師もいるようです。
そして国内外問わず言えることかもしれませんが、万が一に備えての情報収集と、「何とかなる」という気持ち、そして1人で抱え込まずに誰かに頼る・甘えることを心に留めて過ごせるといいのではと思います。
*H.M.さんはエジプトでの出産・育児エピソードについてブログを書いていらっしゃいます。ユーモアのある文章と日常のお写真から、なかなか知ることのできないエジプトの駐妻生活を垣間見ることができますよ。こちらもぜひご覧ください。
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