【帰国後インタビュー vol.5 後編】就活中に妊娠判明…本帰国から内定獲得まで 勝負の3週間 ~駐在妻の保活・就活リアルレポート~

-今後の働き方はどのようになる予定ですか?

会社の規定勤務時間は10~19時なのですが、保育園の送迎時間との兼ね合いで10~17時までの時短勤務を開始する予定です。産休までは基本的にオフィス勤務で、育休明けからは労働裁量性での働き方に移行できればと思っています。そうすれば場所や時間を問わず働くことができるので、産後は基本的に在宅勤務を考えています。

これまで産休や時短勤務の前例はないそうですが、「今後の制度作りのためにもとりあえずやってみよう、お互い試行錯誤していこう」という試みでもあります。社長にも同じ年頃のお子さんがいらっしゃって子育てへの理解があり、残業は減らそうという意欲があるようです。

また私の上司になる方が、「最終的にはチームをプロフェッショナル集団として、オールリモートでプロジェクトを進めていきたい」という思いを持っていらっしゃって。個人の裁量が大きい中で、自分で時間をマネージメントできる、自分はそのような方たちと一緒に仕事をしていきたいと思いました。

-もしまたご主人が転勤になった場合、お仕事はどうされますか?

夫が転勤になる可能性を含めて、在宅で時間や場所を問わず働き続けたいということは会社に伝えています。社内ではすでに在宅で働いている方や、退職者がフリーランスとして在宅で働いている実績などもあるようです。海外の場合はビザなどの問題もあるかと思いますが、それらをクリアしたうえで仕事を続けていこうと考えています。

―転勤族の妻にとっては、在宅でも正社員としての待遇で仕事ができるというのはとても大きな希望になりますね。

駐在妻生活そのものがスキルに繋がっている 自信を持ってPRすべき

-今回の就活・保活を振り返って、キャリアに悩む駐在妻の皆さんへのアドバイスをお願いします。

今回の活動を振り返ってみて良かったと思う点は、企業に応募する前の段階で自己分析をしっかり行ったことです。実は自分と向き合う時間ってなかなか持てていなかったりしますよね。ふとした時に自分の気持ちを吐き出したり、思いついたことをメモしたりしておくと、いざ履歴書や職務経歴をまとめなくてはいけない時のネタ帳として、非常に足しになります。まずは自分が何を譲れないかを明確にし、職務経歴書をベストな状態にしておく。そしてそれをちゃんと人に話せるようにしておくと自分に自信が持てますし、相手も自分のことを理解してくれると思います。

今の時代は、マルチスキルでフレキシブルという点が求められていると思います。駐在妻の皆さんは海外生活でのさまざまな経験を通して、多様性を認められる柔軟性や、困難を乗り越えられる力が培われていると思います。仕事以外でも、海外で生活していること自体がマルチスキルに繋がっているので、自分には誇れるスキルがないと思わずに、駐在妻生活でどういうことをしてきたか、どういう人と関わってきたか、再就職活動で自信を持ってPRできると思います。

年齢やブランクは自分が思っているほど関係なく、結局は自分の中で作り上げているハードルなのだと思います。今のタイミングで自分がどれだけ会社に貢献できるかが見られています。若い会社は従業員の年齢層も若めだったりするので、逆に落ち着いた、社会経験のある上の年齢層の人材が欲しいと考えている企業も多いです。間口を広げてみれば、今の自分にマッチする企業にきっと出会えるはずです。

私の場合は帰国と妊娠、再就職が重なり、本帰国後すぐにスタートダッシュをかける形になりましたが、人それぞれのタイミングや自分に合うやり方があると思います。それぞれ自分のペースで進めていければ良いのではないでしょうか。


<インタビュー後記>

Nanaさんのしなやかな強さ、潔さは、「自分がどう生きたいのか」と自分にしっかりと向き合って軸を明確にしているからこそ得られるものだと感じました。配偶者の転勤、年齢、ブランク、子育て…と、私たちがキャリアを築いていくにはたくさんのハードルがあるように感じてしまいますが、時代は変わってきているようです。何事も「ストッパーをかけているのは自分自身」。まずは自分に向き合うことから始めてみたいと思いました。

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