実録!駐在妻のホンネ 現在進行形の駐妻生活をのぞき見するコラム

海外生活中(キャリア体験談)

第1回 孤独からの解放

夫の転勤によりアメリカ、カリフォルニア州に人生ではじめて海外移住したリーです。

ただいま3カ月目を迎えました。

海外移住って、3カ月前はキラキラしているイメージしかなかった。

英語は住んでいれば勝手に身につくものだと思っていた。

他の駐在妻とのランチ会に忙しい日々だと思っていた。

しかし3ヶ月経ってみると、それらは全然違うものだったのです…

飛行機で空に書かれた文字

今ではようやく生活にもある程度のリズムが出てきて、よく行くスーパーやコーヒーショップ、アイスクリーム屋さんができました。ここまでになるにも悪戦苦闘の連続でした。

アメリカ系のスーパーでは、とにかく慣れるために色々買っていました。牛乳一つとってみても、サイズは大きく、味も日本の牛乳とは違っていました。自分好みの牛乳を見つけるのに一苦労しました。

毎日の料理も大変でした。お肉は、牛も豚も鶏も売っていますが、すべて塊です。鶏には足の関節がそのまま付いており、鳥を連想してしまいます。今でも自分に合うソーセージを見つけることはできていません。

先日、バーガーショップに行きました。日本でいう食べログ的な存在のYelpを見ていたら、近くに5.0(最高ランク)のバーガーショップを見つけました。いざ行ってみるとパテの焼き方まで好みに焼いてくれて、さらに店内から見る外の景色が最高のお店でした。

事件はそこで起きました。パテの焼き方をどうするかは聞き取れましたが、well-doneが出てこなかったのです。私はすかさず頭をフル回転させ、知ってる英語をしぼり出しました。

「Very very burn,please?」

店員さんが「well-done?」と言い直してくれたので、恥ずかしい思いはしましたが、伝えたいことは伝わりました。この一件により、私は英語を勉強しなければいけないことをより自覚しました。ただ英語圏で生活しているだけで自然と英語が上達することはないと思います。やはり努力が必要であると感じます。

ちなみに、アメリカではスーパーのレジで店員さんと一言二言の会話もあります。いつかは流暢に会話をしてみたいと日々強く思っているので、英語は現在勉強中です。

LAで人気のアイスクリーム

私たち家族がロサンゼルスに着いた翌日には、前任者の紹介で近所に住む日本人家族と会うことができました。家族構成は夫婦と1歳になる子どもが一人と、私たちと同じでした。お会いできたことにとても感謝しています。というのも1歳になったばかりのわが子の離乳食事情がわからず、さらにスーパーに行っても何を買えばいいのかさっぱりわからないことだらけだったからです。

質問できる方が近くにいるのはとても心強かったです。ただ、やはりそこには人間関係があり、徐々に「合わないかも?」と思ってきたのです。情報は本当にありがたかったのですが、会話がかみ合わないことが時折出てきて、その方と会うのがとてもストレスになってきました。

それでも平日の昼間は夫は仕事なので、まだ話ができない1歳児と二人きり。英語もできない。誰かと話したいと思ったときに友達と呼べる人がいない。とても孤独を感じました。それは、転勤族で知らない土地に行くことに抵抗がない私ですら、とても辛いものでした。日本の家族や友人がとても遠く感じ、SNSを見ては時差を感じ、さらに遠い存在になったような気がしました。

それを埋めるために、アメリカで日本人が見ている出会い系サイトを毎日むさぼるように見ていました。出会い系といってもママ友募集のくくりがあります。近くに同じくらいの子どもがいる人がいないか、いつもチェックしていました。

そこで二人と会うことができました。しかし、しかしなのです。よくよく考えると、私は自分と同じ境遇の人を探していました。

・海外にはじめて移住して間もない人

・できれば子どもがいる人

・車の運転に苦労している人

・英語に苦労している人

・できれば自分と同じ年齢くらいの人

・できれば近所に住んでいる人

これらはただ単に私なのです。ただ共感が欲しかったのだと気がつきました。

会ってくれたお二人は、子どもがいて同じくらいの年齢の方でした。こちらに引っ越ししたばかりという前情報もあり、共感の期待度があがっていました。しかし、会って話をよく聞けば、こちらに引っ越してきたばかりだけど、以前に海外生活の経験があり、車の運転も問題ない方たちでした。

そこがとてもショックでした。

よく考えれば私と同じ人間なんていません。

私のこれまでの人生をふりかえると、地元の小中学校を卒業し高校も最寄り駅の近くで、大学は他県に出たものの就職で地元に戻っています。その中の人間関係は、何かしらの共通点があるものばかりでした。

私はこれまでの人生で、自分と違う境遇の人と話をしたことがなかったのです。

アメリカで英語が話せず、友達もいない。夫の帰りは遅いし、一週間アメリカ国内出張に行ったこともありました。慣れない育児と慣れない家事と、慣れない孤独で自分がおかしくなりそうでした。

ある日の午前中、子どもの離乳食が終わって一息ついたと同時に家を飛びたしたくなりました。子どもを夫に任せ、化粧もせずに着の身着のまま足早に家を出ました。近くの公園に着いてベンチに座った瞬間、我慢していた涙があふれてきました。誰も来ないでと祈りながら、一人静かに泣きました。じっとしたまま一時間くらいでしょうか。地面もはっきり見えてきたころ我にかえり、家に帰らなきゃ、と思いました。洗濯物もしなきゃいけないし、掃除も食器洗いも残ってます。子どものオムツ交換も…。

公園の噴水

1歳の娘を連れて、よく公園に行くようになりました。片言だけど、いろんな人種の方と話すように頑張っています。そうしたら娘の服のことをほめてくれたり、「太陽の日差しが強いからこのクリームを塗った方がいいわよ」など、うれしい会話が増えました。

共通点を探す友達作りではなくて、どんなバックグラウンドでも、今ここにいることが共通点なのだからと、前向きに自分を変えなければいけないのだと考えるようになりました。

でもやっぱり、気兼ねなく話せる日本人の友達は今でも探し中です。

最近、お気に入りのショッピングモールができました。

スーパーもあるし、コーヒーショップもあるし、アイスクリーム屋さんもあります。

そのモールの名前が[Crossroads]といいます。

Crossroadsとは辞書で調べたら、”分岐点”という意味でした。

何か自分の人生の分岐点のような気がして、これからの駐妻生活を示唆しているようだな、と思います。

2020.3.18記

▼学校法人産業能率大学総合研究所のシリーズ「各国の駐在妻が見た、新型コロナと現地の今」に執筆しました。また、駐妻caféではアメリカ各州の情報も掲載しています。ぜひご覧ください!

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長久保 リー

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2005年〜2009年地方銀行にて融資係を経験 2010年〜2018年契約社員や派遣社員として大中小企業、官公庁など約10か所にて貿易事務、学校事務、金融事...

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