ズバリ、何が決め手となって、その学校を選びましたか?
現地校(小学部)
自宅から近いこと、日本人が多く在籍していたことです。
現地校(中学部)
自治体からの指定で、選択肢はありませんでした。しかし現地校(小学部)からの同級生が多く通っており、結果的にはとてもよかったです。
実際に通わせてみて、よかったことは何ですか?
ひとつは、イギリスならではの多文化を経験できたことです。
現地校にはムスリムの生徒が多く、ラマダン期間中は昼食を取らない生徒がいたり、学校に礼拝の部屋(pray room)があったりと、イスラムの生活に触れることもできました。
もうひとつは、国によって学校のルールや先生と生徒の振る舞いが異なることです。日本での「普通」が世界の「普通」ではない、ということが経験できたことでしょうか。
実際に、先生やクラスメートのカジュアルな言動は、子どもたちにとって衝撃的だったようです。
例えば、授業中に先生がリンゴを食べたり、サッカーボールをリフティングし始めたりしたことには、子どもたちも驚いていた様子でした。
長男の現地校(小学部)での卒業式は、保護者も先生もみんな平服で出席していました。会場には風船が飾られ、和気あいあいとした雰囲気でとてもいい卒業式でした。
併せて、日本の学校の秩序立った点などを彼らなりに誇らしく感じていたようです。
英語に関しては、最初は拒否反応があり、自分の中に取り込む気も起きないようでした。しかし、現地校に通い出して半年を過ぎたころから、少しずつ英語を受け入れる気持ちが出てきたように思います。
英語の習得に関しては、正直あまり期待していませんでした。それよりも、日本と異なる文化での生活を少しでも印象に残してほしいという気持ちでした。
期待や予想と違っていたことはありましたか?
現地校(小学部)は日本人のお子さんが多く、思った以上に日本語で学校生活を送っていたことです(笑)。転入した日に「日本の子たちとドッジボールした」という長男の言葉を聞いて、拍子抜けすると同時に安堵したことを覚えています。
日本人のクラスメイトは、在英期間の短い生徒が多く、英語ができない我が家の子どもたちも疎外感なく学校生活になじめました(最初は、日本人の生徒たちが英語が達者で、仲間に入れないのではないかと心配していました)。
日本人だけで固まってしまうのはいいことではないかもしれませんが、実際に学校に通う子どもたちにとっては、ストレスが軽減されたと感謝しています。
また担任の先生が、クラスにいる日本人の生徒を世話係につけてくださって、いろいろと助けてもらえたことも、とてもありがたかったです。日本人同士で助け合って学校生活を送っていることが、かけがえのない経験になったのではないかと感じています。
日本人学校から現地校への転入。日本人学校との違いに直面する中で、お子さんたちとどのように向き合われたのでしょうか。▶︎後編へ続きます