大変な時期を過ごされたように感じますが、いかがですか?
はい。この2回にわたる転園を経験したことで、娘はすっかり幼稚園恐怖症になってしまいました。
9月からいざ本命の幼稚園に入園した時は、またも大泣きし、全力で抵抗し、制服を着ることもなく、毎日無理やり登園させていました。
それでも2カ月目は嫌がるけれども泣かなくなり、3カ月目には、やっと「楽しい!」と言って通うようになりました。その後は仲のよい友達ができ、幼稚園が大好きになりました。
親の都合でたらい回しになったようで、娘には本当にかわいそうなことをしてしまったかもしれません。しかし、過去のできごととなった今、娘は「私、小さかったから泣きながら行っていたよね」と当時を振り返っています。頑張った思い出として自信をつけたようです。
この経験からか、日本へ本帰国した際は、学期の途中での転入にもかかわらず、新しい幼稚園にすぐ馴染み、先生からも「適応能力が素晴らしいですね」と驚かれました。
実際に通わせてみて、よかったことは何ですか?
娘が最終的に毎日楽しく通ってくれたことです。
その他では、娘が日本語の習得が順調で、その上で英語にだんだんと慣れていったことです。
先生は英語で保育を行っていましたが、園児は日本人の子どもが多く、園児同士は日本語で話していました。
まだ日本語が確立していない3歳という年齢だったので、娘は英語も日本語もそんなに苦労していなかったように思います。
これは、海外だからこそ経験できた教育環境だったと思います。
また、幼稚園の事務手続きは主に日本人が担当していました。対応は素早く丁寧でした。親として英語にも苦労することはありませんでした。
期待や予想と違っていたことはありましたか?
特にありません。
あえて言うなら、通園の時間が短かかったことです。
最初は、幼稚園は家から近い方が安心だと思っていました。しかし、保育時間は9時~14時で、5分後には家に帰ってきてしまい、自分ひとりの時間が少なかったことが不満でした。
自分時間確保のため、もう少し遠いところを選んでもよかったかなと思います。
日本との違いで戸惑ったことがあれば、教えてください。
クリスマスパーティーでは、保護者がクラスごとのオリジナル衣装を注文し、ホテルを借りて実施するため、その費用の徴収があります。
日本では通常の保育料以外、イベントにここまでお金をかけることがなかったので戸惑いました。
でも、今ではいい思い出です。
幼稚園・学校選びについて、お子さまとはどのような相談をされましたか?また、通われたお子さまの感想はいかがですか?
娘はまだ年少で小さかったため、相談はしていません。
見学に連れて行ったときに、娘本人が気に入っているかな?と必死で観察していましたが、どこの園でも見学時は楽しそうでした。
けれども前述したように、本命の幼稚園に入れるまでに、中途半端にサマーキャンプに参加させてしまったことで、娘には精神的負担をかけてしまいました。
「慣らし保育」という期間を設けることがとても重要だと感じさせられました。
本命の幼稚園では慣れるまでに2カ月強かかりましたが、慣れてからの娘はとても楽しく通っていました。日本に帰ってきた今でも、懐かしがって「また行きたいね。」と話しています。
お子さまの今後の学校、教育について、どのようにお考えですか?
すでに日本へ帰国済みですが、帰国後の年中で入った幼稚園にはすぐに慣れました。
今後は日本で育てることになりますが、今回の経験を忘れないように、海外のことに触れられる機会を作って、海外への興味を持続させたいなと思っています。
これから海外で幼稚園・学校選びをされる方へメッセージをお願いします。
バンコクは幼稚園の選択肢が多く、恵まれていると思います。
しかし、選択肢が多すぎると決めることも難しいです。
親と子どもそれぞれが何を大事にしているか優先順位をつけ、共有することで自分たちに合った幼稚園や学校を選ぶことができると思います。
海外ならではの教育環境を楽しんでくださいね!