海外で暮らしてわかった夫婦のこと〜実録!駐在妻のホンネ〜

海外生活中(キャリア体験談)

~実録!駐在妻のホンネ~ 現在進行形の駐妻生活をのぞき見するコラム 第5回・最終回

夫の転勤によりアメリカ、カリフォルニア州に人生ではじめて海外移住したリーです。

駐妻生活がとうとう1年となりました。

新型コロナウイルス感染拡大が収まらず、夫の在宅勤務は9カ月を過ぎました。

前回までのコラム 第1回〜第4回

問われる夫婦力

人生で初めての海外移住、新型コロナウイルス感染拡大、夫の会社から出された無期限の在宅勤務指示、山火事による避難準備など振り返れば心休まることがなかった1年かもしれません。その一方で近くの海へドライブに行けば、今にも落ちてきそうなオレンジ色の夕陽が、私の沈んだ心をなぐさめてくれました。耳をかすめるカリフォルニアの風が、「まだ大丈夫」とささやいてくれました。

カリフォルニアのオレンジ色の夕日

夫と知り合って約10年になります。同じ職場でたった2カ月の接点で、私たちは友人関係となり、その3年後に結婚をすることになりました。元職場は転勤のある仕事で、お互い見知らぬ街へ転々と移動しました。その土地その土地で知り合いになる人は、2人とも知り合いになるような状況でした。知らない街でも、2人で少しずつ楽しい生活を送れるように過ごしていました。素敵なバーを発見したら次は2人で行ったりしていました。

結婚生活を続ける中でも喧嘩という喧嘩をしたことがありませんでした。それはお互いの元々の性格によるところが大きいと思います。唯一私が憤慨したのは、飼い始めた猫のことについてです。マンションに引っ越すことになり、引越し準備の最中、管理会社に提出する書類を何気なく見ていたときでした。飼い猫の申請書の”種類”の箇所に「野良猫」と書いてあったのです。確かに近所の方から保護猫をもらってきたので元野良猫ですが、今は違います。荷物を詰めている夫のところへすぐに行き、「雑種」と訂正させました。酷いことをするなと憤りましたが、それまでの結婚生活で唯一の怒りはそのくらいでした。

飼っていた猫は、結局アメリカに連れてくることはできませんでした。子どもが生まれて1歳のときに家族3人で渡米しました。引越し荷物が届くまで約2週間はホテルで過ごし、その後すぐにアパート生活が始まりました。半年くらいは生活の立ち上げや、新型コロナウイルス感染拡大の刻々と変わる状況にあくせくしていました。現在も取り巻く環境の変化や、世界の今後の見通しができない中で、常に迷いを抱えている状態です。

そんな日々でも、英語学習や運転免許の取得、ボランティア活動をしてきました。もうすぐ子どもは2歳になります。夫が在宅勤務になっても残業時間は逆に増え、育児にヘトヘトに疲れる時間が増えました。自分の時間がないような気がすることを夫に言いました。夫は「どうしたいの?」と聞いてきました。どうしたいかなんて、私が知りたかった。どうすべきか、どうしたらよくなるのか教えて欲しかった。答えのないものに対して、夫もきつい言葉が増えていきました。夫は夫で、十分に伝えられない英語での仕事や、集中がとぎれてしまう家での仕事などに不平があったのだと思います。きっとお互いにストレスフルな日常が続いていたのだと、つい最近気がつきました。

私は娘が昼寝をしている時間に、散歩をしたり1人でボーとする時間を作ることにしました。夫も朝早く起きてドライブに行ったり、お互いに1人の時間を過ごすようにしました。かつては1人の時間もたくさんあり、夫婦の時間もありました。しかし海外にきて、物事一つを進めることに倍の労力がかかる中で、1人の時間を削っていたのだと思います。

結婚式のときに「健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?」と問われます。海外で感じるのは、その振れ幅がいいときも悪いときも大きいということです。その時に夫婦というのは本性が現れるように思います。

ハート型の雲

こうしている間にも2度目のロックダウンが発令されました。不要な外出を避け、屋外での食事も禁止になりました。アメリカでの友人関係も構築できないままのロックダウン。駐在生活のほとんどが自宅での生活となっています。そんな中でも目標を見つけることができました。それは、日本へ本帰国したのち再就職で英語を使う仕事に就くことです。家にいなければならないのであれば、オンラインを使用することで英語を習得する時間にすればいいのだと思いました。いつかの再就職へ向けて目標を決めました。あとはやるだけです。

夫婦の問題だけに焦点をあててしまうと、どんどん深みにはまりよくない答えを出してしまいがちでした。思考を違う方向へ向けることで、いつの間にか夫婦の喧嘩もなくなっていました。娘が昼寝をしている時間に、ブラックフライデーで買ったドローンを夫婦で飛ばしています。空高く舞い上がるドローンを2人で眺めていると、またこの先も一緒に過ごしていけることが幸せなことなんだと自然と思えてくるのです。

ドローンからみたカリフォルニアの夕日

「〜実録!駐在妻のホンネ〜」として第5回までリアルな体験記を書かせてもらいました。残り少なくなったアメリカでの生活について、今後は英語習得に向けて過ごしていく予定です。そのため今回をもちまして最終回とさせていただきます。掲載いただいた駐妻カフェサイト運営の皆さん、読者の皆さん、これまでありがとうございました。またどこかでお会いできることを楽しみにしています。

2020.12.6記

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