渡航前から本帰国後まで、不安な私を支え、飛躍させてくれた2つのコミュニティ

駐妻生活中と本帰国後に、それぞれコミュニティに運営メンバーとして参加したことで、駐妻生活を「ブランク」ではなく「飛躍」の場にできたと話すMさんへのインタビューです。

自己紹介をお願いします

Mです。3歳の娘をつれて夫の赴任先に1年滞在していました。渡航前は食品メーカーで商品企画や営業企画の仕事をしていましたが、夫の海外赴任を機に退職しました。

海外滞在中に現地の『駐在妻による駐在妻のためのコミュニティ』の運営メンバーとして、本帰国後には当サイト『駐在ファミリーカフェ』の運営メンバーとして活動しました。これらのコミュニティに「運営メンバーとして」活動したことで、自分のキャリアに向き合い、短い駐妻生活を自分の人生の糧にすることができました。

まず、海外滞在中に参加したコミュニティについて教えてください

私は、新卒で入社して以来、定年退職を目指して一つの会社で働いていたため、夫の駐在が決まった時は退職して同行することにとても悩みました。最も大きな理由は、本帰国後の再就職に自信がなかったからです。最終的に退職して同行することに決めたときには、この駐妻生活を「ブランク」ではなく「飛躍」の場にしたいと強く思っていました。

この思いを大きくサポートしてくれたのが、現地で参加した『働きたい駐妻』が集まるコミュニティでした。このコミュニティは、私が滞在した都市を拠点に「キャリアに悩む駐妻が『しごと』(自分の力を社会に還元する方法)を見つけ、ともに応援する」という活動をしています。自分の力を多様な方法で社会に還元する駐妻を増やすことを目指しています。

駐妻に関する情報を何気なく見ているときにこのコミュニティの存在を目にして、ここなら『帯同生活を「飛躍」の場にする』を叶えることができる!と感じて参加しました。

そのコミュニティではどんなことをされましたか?そこからどのようなものを得られましたか?

まずはこのコミュニティが主催している会に参加して、自分が「『はたらく』ことについて思っていること」を話し、自分の気持ちを整理するところから始まりました。その後にこのコミュニティに入会するかを選択することができ、私はその場ですぐに入会を決めました。

入会後しばらくは一参加者でしたが、すぐに毎月開催される定例会の企画に携わることができました。入会時のアンケートで、このコミュニティで「ビジョンボードをやりたい」と回答したところ、それがすぐに採用され、提案者として企画運営に携わることになったからです。

ビジョンボードとは、叶えたい夢を可視化し、夢の実現をアシストしてくれる自己実現のツールの一つです。自分の好きなもの、ほしいもの、行きたい場所、なりたい姿、叶えたい夢などを表現した写真やことばを集め、一つのボードにコラージュして作ります。なぜビジョンボードを提案したのかと言うと、当時、私自身が「いったいどうしたいのか?何を目標にしたいのか?」という不安な気持ちを抱えていたので、自分を見つめ直すワークとしてビジョンボードを作り、自分のありたい姿を可視化してみたかったからです。また、ビジョンボードを作るには、さまざまな雑誌の中から自分がピンときたものを切り取って紙に貼り付けていきます。この作業は一人でやるよりも、仲間と一緒に作ってお互いに発表し合う方が、よりワクワクするし楽しめると思ったからです。

まだ入会直後で、メンバーすらほとんど知らない状態で不安がありましたが、ベテランの運営メンバーのサポートがあり、無事に企画を遂行することができました。もともとは私自身がビジョンボードを作りたいと思って提案したのですが、参加者の皆さんが新たな自分を発見したような表情で作品を発表する様子を見ることができて、とてもうれしかったです。自分の企画がよろこんでもらえたことを直に感じることができました。

この経験から、このコミュニティは、メンバーが「やってみたい!」と思ったことを「かる~くやってみる」ように後押し、メンバー自身が小さな成功体験を積み上げることで自己肯定感を高め、新しいことに挑戦できるように応援してくれる場であると実感することができました。

そのコミュニティへの参加はご自身の想いを実現する大きなステップとなったのですね。他にも得られたものはありましたか?

このコミュニティを通してもう1つ私がはじめたことは「ブログを書くこと」です。

当初、私はブログを書くことには特に興味はありませんでした。しかし、このコミュニティにはメンバーによるブログがあり、私も声をかけてもらい書くことになりました。恐る恐る1つめを書いたところ、ブログを書くことで自分の気持ちの整理ができることがわかり、2つ、3つと書いていくうちに、ブログを書くことのおもしろさを感じられるようになりました。個人的にブログを開設するのは敷居が高いと思っていましたが、この経験により「ブログで発信すること」が身近なものとなりました。

ちょうどその頃、私はコミュニティのメンバーになり4カ月が経つころで、運営メンバーの企画に参加するだけでは物足りなくなっていました。それと同時に、「離職中も組織で物事を進める感覚を養っておきたい」「コミュニティ運営を学びたい」「オンラインツールを使った物事の進め方を体感したい」と思い、運営メンバー募集のタイミングで思い切って応募しました。

運営メンバーになった後は、このコミュニティを活性化させるための意見交換や、物事が進められている裏舞台を知ることができ、とても勉強になりました。私も運営メンバーとして、「メンバーがそれぞれ無理なく楽しく関われるコミュニティにしたい」「メンバー以外にもこのコミュニティの存在を知ってもらいたい」「少しでも多くの方のキャリアを支えたい」「自分自身が学び成長したい」などの目的意識を持ちながら活動することができました。

この活動のおかげで、これまでの人生を振り返るワークなどの自己分析や、読書会、メンバーとの異業種交流会など、さまざまな経験をすることができましたし、駐妻になる前にはあまり機会のなかったオンラインツールやコミュニティ活動も、とても身近なものになりました。このコミュニティのメンバーと話をするたびに、ポジティブオーラを浴びて元気をもらっていました。ここでの出会いは本帰国後もつながっており、メンバーは今でも刺激をもらえる大切な存在です。

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