オンライン英会話レッスンが転機の鍵に!帯同生活を謳歌する秘訣(前編)

留学経験があり、仕事でも英語を使用することがあったものの、自分の英語力にコンプレックスを抱えていたM.Sさん。アメリカに渡航した後は、そのコンプレックスを抱えながら、さらに日本で築いたものを失った虚無感から落ち込む日が続いたそうです。
英語学習に向き合う中で自信を取り戻し、さまざまな活動に前向きに取り組めるようになった経緯について、お話を伺いました。
多くの駐在妻が経験する暗黒期から抜け出すヒントになる体験談を、前編、後編の2回に分けてお届けします。
自己紹介をお願いします
M.S.です。アメリカのイリノイ州シカゴに2018年12月から滞在しています。それまでは銀行の海外関連部署で法人営業をしていましたが、夫のアメリカ赴任に同行するため退社しました。
現在は帰国後のキャリアアップに向けて資格試験の勉強をするとともに、老人福祉施設でボランティアをしています。
今回は、なぜオンライン英会話レッスンをはじめたのか、また、その結果どのように生活が変化したのかについてお話をさせていただきます。
オンライン英会話レッスンに出会うまでについて教えてください。
私はそれまで、率直なところ英会話を学ぶことに対して少し抵抗がありました。というのも、大学時代から自分の英語力にコンプレックスがあったからです。
高校2年の時に1年間、語学留学を経験し、大学は英語学科に進学をしたこともあり、入学当初はある程度の英語が話せると自負していました。
しかし、帰国子女の友人たちと接していくうちに、自分の話す英語の拙さ、努力しても埋まらない彼女らとの英語力の差に挫折感を味わい、「英語を話すこと」がコンプレックスになってしまったのです。
就職してからも英語を使う機会はありましたが、語学力を最大の武器にすべく努力をするわけでもなく、コンプレックスから目を背ける日が続きました。
そんな中、2年前に当時交際中の夫がアメリカに転勤となり、結婚・退社しての同行を決心しました。同時に、「いよいよ真剣に英語を話すことに向き合わなければ」と思うようになりました。
渡米した当初から、「せっかくアメリカに住むのだから、帰国時には堂々と胸を張って“英語が話せる”と言えるようになりたい」という気持ちはありました。しかし、10年以上逃げてきた英語学習に対してすぐには向き合うことができませんでした。
さらには、仕事や友人といった日本で築いてきたものを失った虚無感から、人との関わりを避けるようにすらなってしまいました。
それでも、渡米して半年が経ったころから、コミュニティカレッジ(アメリカの短期大学に相当)でのESL(英語が母国語でない学生のために設けられた英語プログラム)に通いはじめました。
授業の内容はスピーキング、リーディング、ライティングとバランスよく構成されていて、扱うトピックも政治や国際情勢、アメリカで生きていくために必要な社会構造の理解など、とても興味深く勉強になるものが多かったです。
しかし、通いはじめて数カ月で講師の変更があり、授業内容や指導方針も大きく転換。有意義な時間を過ごすことができなくなってしまったため、辞めてしまいました。
オンライン英会話レッスンをはじめた理由を教えてください。
その後、新型コロナウィルスの拡大、BLM (Black Lives Matter: 黒人に対する暴力や人種差別の撤廃を求める運動)と大統領選を原因とした治安の悪化で外出禁止令が出され、日常生活ですら英語を使う機会が少なくなってしまいました。
そして、突然心を襲った「このままではなんの成長もしないまま帰国することになりかねない」という焦りが、私の気持ちを変化させたのです。
渡航してから一年半ほどの暗黒期を経て、ようやくつまらないプライドを捨て前に進まなくてはと思いはじめたちょうどそのころ、駐在ファミリーカフェ代表の飯沼ミチエさんから「スパルタ式オンライン英会話レッスン LAT」に関するお話を伺いました。
これなら継続できそうだし、もしかしたらコンプレックスを克服できるかもしれないと思い、はじめることを決めました。
1対1で行うレッスンなので、自分のレベルに合った内容で進められると思ったことも決め手となりました。
現地の別の学校の英語クラスにオンラインで参加するという選択肢もありましたが、総じて多人数でレベルの差も発生しうると思ったので、1対1のレッスンを選択しました。
私の課題である「話すこと」に集中でき、会話のトピックは自分が気になっているものや練習したい内容を題材にできるので、結果的にこのオンライン英会話にしてとてもよかったと思っています。
レッスンの中で、特にがんばった点、難しかった点はどんなことですか?
毎日約10分間の講師とのフリートークでは、説明すべき内容と自分の意見を瞬時にまとめることに苦労しました。
特に、政治・経済・社会構造に関する意見や、哲学的な思考を求められる質問については会話に詰まることもあり、納得いく内容を伝えることができず悔しく思うこともありました。
印象に残ったテーマについては、実生活でも適切な語彙を選択して使えるように、レッスン後に考えを書き出して整理するようにしました。また、日常生活では多方面にアンテナを張り、普段は見落としてしまうようなことについても、「自分はどう思うのか」「なぜこのような構造になっているか」など深く考えることを心掛けました。
その効果もあって、こちらでできた友人たちと英語でコミュニケーションを取る際に、さまざまな内容について深く会話ができるようになり、彼女らとは親友と呼べる関係になりました。
ご家族の反応はどうでしたか?何か協力を求めるようなことはされましたか?
日頃から、英語を習得するための努力をしていた夫ですが、私がレッスンをはじめたことで、さらにやる気に火がついたようです。
思考錯誤しながら挑戦した学習方法の中から、よいと思ったものについては私にも共有してくれるようになりました。
また、レッスンでのトピックは、改めて夫婦の間で話題になることもあり(残念ながら日本語ですが)、夫婦のコミュニケーションを活発にする材料にもなりました。
実際に取り組んでみての感想は?また、この体験から得たものはありますか?
英語力の向上に加えて、英語へのコンプレックスを克服した結果、自信がつき、世界を広げることに繋がりました。
さらに、講師と毎日会話をする中で、「思っていたよりも話すことができている」と気が付き、自己肯定感が高まりました。
また、それまでは言いたいのを我慢して飲み込んできたようなことにも、自分の意見を伝えるようになったため、ストレスが減りました。そして、相手の私に対する態度も“外国人”から“仲間”に変わり、自分の居場所をつくることができました。
実は、渡米当初からスペイン語の学習を続けていたのですが、実際に通ってみると、クラスメイトとは挨拶程度の会話はするものの一歩踏み込んで友人と呼べるような関係を構築するのはなかなか難しい状況でした。
英語を話すことへのコンプレックスから、積極的に彼らの会話に入っていくのを控えていたためです(入学当初は入門レベルだったので、授業は基本的に英語で行われていました)。恐らく、彼らには「おとなしいアジア人」と思われていたはずです。
そのような中、新型コロナウィルスの影響で語学学校が閉鎖してしまいました。
私は引き続き同じグループでスペイン語学習をしたいという気持ちが強かったので、クラスメイトと先生に「これからも一緒に学習を続けたい」という思いを伝えました。その結果、オンラインでのグループレッスンが始まり、今でも継続して学習を続けています。
実生活ではあまり会えない状況ですが、切磋琢磨しあえるよい仲間ができました。周りから賛同が得られないかもしれないと諦めずに、思い切って自分の意見を伝えて本当によかったと思っています。
このような成功体験によって、長い間憂鬱だったアメリカでの生活を、「今だからこそできる経験を楽しまなきゃ」と前向きに考えられるようになりました。
今まで10年以上逃げてきたコンプレックスを克服でき、性格も生活も大きく変わったことを振り返ると、プライドを捨てて目の前にある小さな一歩を踏み出した自分を少し誇りに思います。

暗黒期から一歩を踏み出し、英語学習に向き合い自信を取り戻したM.Sさん。後編では、その後、どのような活動に取り組まれているかをお伺いします。



