【帰国後インタビューvol. 9】子ども3人・両実家は遠方…それでも「自分らしさを取り戻せた」コロナ禍での再就職 

保活はタイミングが重要!早め早めの行動を

-再就職にあたって、ご家族の反応はいかがでしたか?

最初は夫には相談せずに仕事探しをはじめたのですが、夫は元々私が働きたいと考えていることは知っていたので、話した時にも驚きはありませんでした。夫は「これからの人生では長く働くことになる。今だけ子育てとの両立が大変だけれど、長い目で見たらブランクを早めに埋めたほうがよい。」と応援してくれました。

子ども3人は産まれてからずっと海外で育ち、周りのお母さん方は(育休中など一時的な状態を含めて)専業主婦の駐在妻ばかりだったので、お父さんだけが外で仕事をするものと思い込んでいました。これから私が仕事をすることが、少し不思議で実感は湧かない様子でしたね。

-保活はどのように進められたのでしょうか?

上の子(当時5歳年中)は認可保育園の空きがあったのですが、下2人は認可の空きがありませんでした。近隣の地域を含めて、下の2人が同時に入園できる認可外保育園探しに注力しました。

最寄りの認可外保育園の0歳児のみ空きがずっと複数あったのですが、のんびりしていたら埋まってしまい、とりあえず早めに申込すべきだったと反省しました。結局、市内の認可外保育園にちょうど2人の空き枠が出てなんとか入園することに。最悪のケースとして覚悟していた3人ともバラバラの園になることは避けられましたが、保活はタイミングが重要だと実感しました。

来年度は上の子のきょうだいポイント、認可外保育園在園中、夫婦共にフルタイムなどの加点がされるので、3人が同じ認可保育園に入園できることを期待しています。

-今後の中長期的なキャリアプランがあれば教えてください。

ようやく復職というリスタートラインに立てましたが、出産前と同じような働き方はできないですし、経験や年齢的に何度も転職を繰り返すようなキャリアアップは難しいでしょう。金融の中でもより専門性を多く身につけていきたいと考えています。海外経験や語学を生かして、いずれ国際業務に関わりたい気持ちもあります。

-もしまた旦那さまが海外赴任や地方転勤になったらどうされますか?

夫の赴任先(基本は海外)と子どもの年齢にもよりますが、今度は自分のキャリアの優先順位も上げて総合的に考えたいですね。具体的には、私の勤務先の海外拠点への異動も選択肢の一つであると思っています。

もし今度、海外赴任に同行する場合は、5年以内に復職できる配偶者転勤帯同制度を利用したいと考えています。

-本帰国から再就職活動までを振り返って、大変だったこと、良かったこと、反省点などあれば教えてください。

コロナウイルスによる一時帰国中に本帰国辞令がでたことで、中国の自宅に戻れず荷物の整理もできないまま、夫任せの引越となりました。また緊急事態宣言で子どもの幼稚園も休園が続き、新居への移動もすぐにできず新生活の態勢を整えるまでに時間がかかったのは大変でした。

一方で、繰り返しになりますが、コロナ禍によりWeb面接での選考となり、在宅勤務の夫の協力を得ながら選考が比較的スムーズ に進んだのはありがたかったです。近所の保育園の一時預かりも最初は利用していましたが、コロナウイルスの影響により途中から受入不可となりました。

子ども3人の保育園探しは苦労しました。年度途中、かつ自分自身が本当に内定を獲得できるか弱腰だったこともあり、 保活スタートが遅れてしまいました。結果として上の子のみ認可保育園、下2人は認可外へ何とか入園という形になりましたが、保育園の空きはタイミングと運が大きいので、もう少し早くから情報収集をすべきだったと思います。

6年半ぶりの仕事で頭をフル回転!自分らしさを取り戻せた感覚

-復職されてから、今感じられていることを教えてください。

復職し始めて2カ月があっという間に過ぎました。コロナウイルスの影響で夫婦ともに在宅勤務日数が増えていることもあり、自分だけで抱え込まず夫に助けられている部分もあります。

夫の仕事が忙しく帰宅が夜遅いため、朝の保育園送り、洗濯物畳み、朝食の片付けなど朝の家事は夫が担当しています。他はほとんどが私の担当ですが、衣類乾燥機、食洗機などで省力化を図っています。また、市のファミリーサポート制度を利用して、月に数回、子どもの送迎をサポーターさんにお願いしています。

駐在期間中、夫は多忙で夜遅く帰宅していたので、平日に子どもたちとご飯を食べることが一度もなかっただけでなく、顔を合わすこともほぼない状況でした。ヘルパーさんに頼りつつも私一人で家事育児をこなしていたことを思い返すと、私が働きはじめたことで、よい意味で新しい家族のかたちにシフトできたように思えます。

私は時短制度は利用していませんが、残業なしのフルタイムで働くことを事前にお伝えし、周りも理解してくれているので残業はほぼありません。1歳の3番目の子は発熱が多いのですが、私が在宅勤務に切り替えて対応しています。コロナ禍で家族の発熱時は出社禁止・在宅勤務が徹底されており、それはワーママか否かに関係なく他の同僚も同じ状態なので、あまり気にしないようにしています。

6年半ぶりの仕事はというと、同年代と比べてキャリア年数がほぼ半分しかなく、実力不足は常に感じています。また、業務に加えて受験すべき試験も多く頭もフル回転です。とはいえ、自身のブランクがあることを受け入れ、今はガツガツしすぎず自分のできる仕事に集中して定時内に終わらせるようにしています。

駐在中はお友達と毎日のようにランチやお買い物をし、家事はヘルパーさんがやってくれるという、今思えば夢のような生活でしたが、専業主婦の自分を受け入れきれず、仕事復帰ができるのかというモヤモヤがずっと心の奥にありました。

そのモヤモヤがなくなった今、忙しすぎて気持ちに余裕がある生活ではないものの、自分らしさを取り戻せた感覚があります。

全ての経験をプラスと捉え、行動を起こすことで次に繋がる

 -本帰国後の再就職に不安を感じている駐在妻へのアドバイスやエールをお願いします!

最初は再就職活動に不安を感じることが多いですが、まず転職サイトに登録するなど行動を起こせば自然と次のアクションに繋がっていきます。履歴書や職務経歴書の作成も、はじめは面倒に感じましたが、自分自身のキャリアを振り返り、整理するツールにもなりました。

私自身、「子ども3人・フルタイム・両実家が遠方」というハードな環境に加えて、6年ぶりの仕事ということで家庭の両立に大きな不安がありました。しかし、やってみないまま、働けるのかどうかと疑念を持ったままで育児に専念するのは自分にとって難しいと感じました。せっかくの復職のチャンスを逃さずに、まずはチャレンジしたいと思います。

駐在中はいつ本帰国になるか、または他国へスライドするか先が見えにくく、自分でコントロールできないことばかりで不安が多いと思います。そんな中でも、すべての海外経験は自分にプラスになると考えて、なるべく現地での生活を体験し、現地の人や日本人との交流を持つことが大事だと感じています。


<インタビュー後記>

私も元銀行員で、銀行の内情はある程度理解できるだけに、実家に頼れない状況で未就学児を3人抱え(1、3、5歳‼︎)、総合職として再就職する…その大変さは想像を絶します。

もちろん復職後の今、きっととても忙しく大変な日々をお過ごしのことでしょう。それでも「モヤモヤを抱えたまま育児に専念することは難しかった」「復職して自分らしさを取り戻せた」という力強い言葉に、ペコさんにとっての働くことの意義の大きさを感じました。

彼女の勇気とバイタリティに感銘を受けるとともに、そのチャレンジを受け入れるほどに企業側も変わりつつあるということをとてもうれしく感じました。

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