【調査結果】『駐在妻の再就職アンケート』から見えた再就職の現状とキャリア形成に向けたヒント

再就職に向けたヒント-自由回答の声から-

再就職に向けたヒントを、自由回答の声からまとめました。以下、回答の一部抜粋になります。

【再就職にプラスの影響を与えた海外生活中の活動】

■ボランティア

国立施設のボランティアガイドの活動を通じて、幅広い知識や人的ネットワークが広がったことはとても有意義でした。
ボランティア活動を頑張っていたことで、「帰ったらちゃんと稼ぎたい」というスイッチがより入ったように思う。
少しのボランティアやアルバイトでも、履歴書に書けるので、帯同中も遊んでいたわけではないと主張できる。
直接的に再就職につながったわけではありませんが、社会活動に慣れるという意味で、よかったと思います。

■語学学習

TOEICや中国語などの語学試験は履歴書に表記できるレベルになったので、エージェントから国際業務などの紹介が多かった。
直接繋がったかは分かりませんが、資格取得中だったことや、TOEICのスコアを上げたりして勉強を続けている姿勢はアピールできたと思います。
英語が自分の強みと認識しているので、英語力のブラッシュアップは継続した。英検1級を取得した。
現地大学の外国人コースで中国語を上級まで学んだ。ボランティア活動など積極的に参加し、多言語を毎日使って向上に向け努力した。

■自己分析・情報収集

再就職の軸を早めに決め、それに沿って、海外生活中から3年近く就職活動をしていた。
自分のキャリアの棚卸、特に言語化したことがよかった。
本帰国が決まる前から、複数の転職サイトやエージェントに登録し、相談に乗ってもらったり、職務経歴書を見てもらったり、求人情報を紹介してもらったりした。そのため、本帰国が決まった後はすぐに転職活動を始めることができ、短期間で就職先が決まった。
コーチング受講やストレングスファインダーを通しての自己分析。

【帰国後~再就職に向けてやっておいてよかったこと】

帰国後~再就職に向けてやっておいてよかったことについては、就職活動、そして学習関連の行動を挙げる方が多かったです。また人脈を通じた就職活動をされたという声もありました。

海外生活中に増した家事負担をどう適切化していくかも、再就職開始にあたって重要なポイントとなりそうです。

帰国~再就職に向けてやっておいてよかったこと

【再就職をする上で大変だったこと、後悔していること】

再就職をする上で大変だったこと、後悔していることについて、再就職活動に関し「ブランクが長かったので書類審査がなかなか通らず苦労した」「焦って準備不足だった」「急いで決めてしまったので、待遇面で不満が残っている」といった声がありました。

焦らずにじっくり探していくことが、納得のいく結果につながるのかもしれません。

また「求職中に保育所を確保することが大変だった」という声も多くありました。求職者が保育所を確保しにくい点は再就職にあたって非常に大きな課題であることが分かります。

再就職する上で大変だったこと、後悔していること

ファーストステップが全てではない!先輩方の事例

帰国後に複数の仕事に就かれた方には、二つ目以降の仕事の概要についても伺いました。最初の再就職から徐々にステップアップされた方々が多く、ファーストステップが全てではないという点について認識しておくことが重要でしょう。

以下、回答事例をいくつかご紹介します。

1度目の渡米は30代で、その時はキャリアチェンジせず、本帰国後は技術系総合職として大手企業に再就職しました。2度目の渡米は30代後半から40代で、離職期間も長くなったのでキャリアチェンジを考え、技術系から人系(キャリアコンサルタント)に転身しました。

パートを8種類くらいして、本帰国後8年目に正社員になりました。

派遣会社→キャリアコンサルタントの資格を取得し、現在はフリーランス

派遣社員→現在は外資系企業で正社員として働いています。

94%は再度の海外赴任同行に否定的ではない

これまで見てきた通り、さまざまな苦難を乗り越えて再就職をされた先輩たちですが、「再度、配偶者が海外赴任することになったら同行しますか?」という質問に対して、94%が「はい」もしくは「わからない」という回答でした。

また「わからない」と答えた方の多くは「子どもの教育」を理由に挙げており、自分自身は前向きであると答えた方もいらっしゃいました。

駐在同行に伴いさまざまな課題に直面することになっても、それを上回るほどの経験を海外で積むことができたという声がたくさんありました。

キャリアに不安を抱えている駐在妻にとっては、とても励みになるメッセージではないでしょうか。

再度、配偶者が海外赴任になったら同行するか

【「再度同行したい」理由】

「学齢期の子どものことを考えると迷いはありますが、おそらく同行すると思います。均質ではない仲間と共に成長していくことは、子どもの一生の財産になるという確信を前回の帯同で持てたから。

また、私自身も多様な価値観の中に身を置くことで、豊かな人間性を身につけ、それをどんな形であれ社会へ還元していくことは可能だと思う。」

「リモートワーク可能で海外でも働けるので。子どもも小さいので、家族は一緒に暮らしたいです。」

「海外に住み、そこで経験することは、日本で働いていては得られない経験ができ、視野も広がり、得るものも多いと実感した。次回も必ず同行したいと思う。」

苦しいこともありましたが、海外生活で得られた経験は私の人生を変えたいい経験でした。また赴任の機会があれば同行し、現地の大学で学ぶなどの経験もしてみたいです。」

再就職に不安を抱えた駐在妻へ、先輩方からのメッセージ

駐在妻が再就職するにあたりさまざまな課題に直面することが、アンケート結果から明らかになりました。しかし課題を認識することで、対応策を講じることができるでしょう。

最後に、再就職に不安を抱えた駐在妻に向けて、先輩方からたくさんの心温まるメッセージをいただきました。以下、抜粋してご紹介します。

このアンケート結果が、みなさん一人ひとりが自分らしくキャリアを構築していくためのヒントになれば幸いです。

自分自身が楽になったのが、活動中に、一度目の再就職で完璧を目指さなくて良いという言葉をかけてもらったことです。

久しぶりの就活ですごく力が入っていたけど、再就職もタイミングだし、1回目で全ての理想が手に入るわけではないことを再認識できました。

再就職したいと考えている駐妻(夫)には、同行によってキャリアを一時的にストップさせたからこそ、「働くことの尊さ」を知っていて「働きたい!」という強い想いを持っているという強みがあると思います。

焦らず無理のない就職先を選んで欲しいと思います。海外から戻ると、自分の価値観も行く前と随分変わっていますし、今まで重視していた基準も変化している可能性があります。

周りからの意見も大事ですが、自分が海外で培った経験・視点を信じて、生き生きと働ける自分らしい職場を選ばれることをおすすめします。

日本企業の駐在は本人の意志と関わらず突然決まり行き先や期間も未定なことが多いと思います。私たちが苦しまないためにできることは、家族一人ひとりのライフプラン、キャリアプランを柔軟に捉えることだと思っています。

夫婦どちらがその時仕事のアクセルを全開にするのか、その時大事にしたいことはなにか…考えが変化するのは当然なので、その時に個人、家族で決めた選択を受け入れる。そしてせっかくの機会を自分なりに活かす!利用する!そんな気持ちで生きていられたらと思っています。

年齢やブランクなど枠組みにとらわれず、やってきたこと、できることなどこれまで積み上げたことを掘り下げ、やりたいことと掛け合わせることで可能性が広がると思います。

お若い方へ: 今までのキャリアより、帰国後の新しい仕事でのキャリアの方が長くなる時が遅かれ早かれ来るので、過去の自分に囚われず、海外生活を色々な意味で楽しみ、自分の可能性を広げる経験をされては、と思います。

既に10年以上、前職でキャリアを積んでいる方へ: 前職と同じ分野に戻るつもりであれば、駐在同行による退職はネガティヴな理由とはみなされず、且つ前職でのキャリアが重要視され多少のブランクは大して問題にならないので、海外生活中は色々な意味で楽しまれては、と思います。

逆に完全にキャリアシフトしたいのであれば、それにつながる活動をなさっては、と思います。(どうしても前職のキャリアばかりハイライトされるので)

道は必ず開けます!!

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