本帰国後に再就職と教室運営!いつでもどこでもいくつになってもできる仕事を選ぶ〈後編〉

今後の中長期的なキャリアプランがあれば教えてください。

今はあえてプランを立てていません。
というのも、本帰国後、子どもがいてもコロナ禍でも無事に就職ができたことで、「すべての条件が完璧じゃなくても、私の居場所はどこかにある」と実感できたからです。

それまでは自分の将来像を「育児休業から復帰しても営業として実績を残し、役職に就く」と固めすぎていて、ずっとギャップに苦しんでいたように思います。
一方で蓋を開けてみると営業でなくても仕事は楽しいし、再就職後の仕事では家事・育児との両立もできています。

そのため、キャリアプランを固めすぎず、その場その場で柔軟に自分を変えることができればいい、変化の激しい時代だからこそ、そんな人の方が需要があるのかもと今は感じています。

キャリアコンサルタントの資格については、受験資格要件を満たす業界経験年数に達するまでは準備期間とし、試験用テキストを購入してどんな内容なのかを一通り学んでいます。

再就職活動を振り返って、大変だったこと、良かったこと、反省点などがあれば教えてください。

「帯同生活の期間はブランク。だから再就職は働き方、条件面、やりたいことなどを妥協しないといけない」とは思わないでください。
私も就職活動を始めた当初、自身の希望をすべて叶えることは無理だとどこかあきらめていました。しかし、ある企業の面接で妥協した条件に応えようとしている自分にどうしても違和感があり、その感覚に正直に従いました。あのまま妥協して進めていたら、今自分の首を絞めることになっていたと思います。
帰国後の自分がどんな働き方をしたいのかをじっくりと考え、妥協せずに就職活動に臨めば、きっと希望にに合う環境を選ぶことができます。

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まとめ

-駐在同行生活を振り返って、今思うことを教えてください。

帯同生活の経験を通し、『キャリア』とは仕事のことだけを指す言葉ではないと気がつきました

イギリスでは前職の経験が水の泡になってしまったとばかり感じていましたが、「帯同生活をしていたこと」や「めずらしい環境にいたこと」は、帰国後に重宝され、自分の一つの特徴として見てもらえることがあります。
何をするにも捉え方は人それぞれですが、人材派遣業界で働く今、私は駐在妻であった期間を自分のキャリアとして捉えることができ、むしろ強みになったと感じています。

人材派遣に関わる仕事もお菓子教室の運営も未経験からのスタートですが、そんな未完成な私に親しみを感じたり、共通点があって興味を持ってくださったりする方も増えてきました。
これからも少しでも頑張っている方のお役に立てたらと思っています。

-本帰国前にやっておいてよかったこと、やっておけばよかったことはありますか?

海外生活中は少しでも発見があったものを写真に撮ること、また経験を『言語化』しておくことをおすすめします。

帰国後は人に会うたびに「(漠然と)どうだった?」と聞かれるため、相手がイメージしやすいように具体的なエピソードや写真をすぐに出せると、些細なことですがよろこばれます。自分も伝えたいことがしっかりと伝えられます。

家族や友人との雑談から就職活動中の質疑応答まで、帰国後は会う人も話すジャンルも様々です。どんな資格も経験も言葉なしでは活かせませんし、帯同生活は限られた人だけが体験できる機会なので、それを交えたお話ができれば深みも増すと思います。
テーマは幅広くあるので、カテゴリーごとにいくつかエピソードを持っておけば困らないはずです(住んでいた国の気候、食事情、子育て事情(病院・ナーサリーなど)、働き方、文化の違いを感じたこと、住んでいた家の様子など)。
私はあと2年ほど滞在すると思って写真撮影を怠けていたので、その点は帰国後に後悔しました……。帯同生活は、帰国してから振り返ると夢のような時間です。どうぞ一日一日を大切に過ごされてください。

-ぜひ最後に、駐在妻の皆さんに向けたアドバイスをお願いします。 

一つ目は、「○○したら□□しよう」という発想を、「今できる△△をひとまずしておこう」に変えて、とにかく行動することや形にしておくことをおすすめします。
特に「駐在に同行したら□□しよう」「二人目ができたら□□しよう」はよく聞きますが、実際にその状況になると家族優先で自分のことは一番後回しになるため、「私も□□したいのに!」と焦りがちです。資格取得でも勉強でも今その場でできることならやっておいた方がいいし、小さいことでも経験していると知らない内にアドバンテージになり、不安の軽減にも繋がると思います。プレ駐在妻の方は駐在中に、現駐在妻の方は帰国後に役に立つ時が来るはずです。

二つ目は、海外生活ならではの環境や経験があると思うので、ぜひどっぷりと浸って自分のものにしてください。
さみしい時や帰国後の不安は誰しも必ずあり、私もその一人でしたが、今となっては帯同生活の経験なしでは今の自分はいなかったし、行ったからこそ以前はなかった『自信』がつきました。未来ではなく今が自分の軸となり、「完璧じゃなくてもいい。多少のことなら何とかなる。自分も家族も、今を楽しく過ごすのが一番!」と、本気でそう思えるようになりました。

駐在中の経験は、あなたの糧となり力となり、未来の自分を支えてくれるはずです。
心の底から応援しています。できることがあればお力添えさせてください!!

そのほかにも駐在ファミリーカフェではたくさんの体験談を掲載しています。ぜひご覧ください。
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