中国・上海に4年間滞在し、本帰国したYOPPYさんへのインタビューです。本帰国が決まって行ったこと・感じたこと、キャリアチェンジなどについてお聞きしました。
自己紹介をお願いします。
YOPPYです。2017年4月から中国の上海に4年間滞在し、2021年3月に本帰国しました。
本帰国が決まって感じたことや行ったことを教えてください。
「本帰国する可能性が高い」と知らされたのは、本帰国から5カ月前のこと。
後ろ髪をひかれ「まだまだ帰りたくない!」と思いました。それほどまでに上海生活を楽しんでいたのだと思います。時間に限りがあることがわかると「最後の最後まで楽しみつくしたい」と思い、上海に住んでいる間にやりたいこと、行きたいところ、会いたい人をすぐに書き出しました。
日本とはいえ、以前住んでいた都市に戻るのではなく新しい都市に住むことになったため、本帰国の準備には苦労しました。とくに土地勘がない中、ネットで学校探しをすることが大変でした。心強かったのは、駐在ファミリーカフェの運営メンバーにその土地の出身の方がいて、情報を教えてもらえたこと。SUNNY PARKのようなオンラインコミュニティ内で情報交換できることは、ネットでやみくもに情報収集するよりもリアルな声を聞くことができ、価値があると思います。
海外生活を通して、物が増えている方が多いのではないでしょうか?本帰国直前はとても忙しくなるので、いつかくる本帰国に向けて、普段から家の中の物の断捨離作業を進めておくことをおすすめしたいです。誰かに譲る場合も、直前はドタバタします。余裕を持って整理し始めると、帰国後の生活に向けて思考も整理されると思います。
本帰国時の困ったことは、最後に手荷物で段ボールが4個増えたこと。船便か航空便にのせればよかったと片付けと仕分けの甘さを後悔しました。
お子さんの教育について教えてください。
もともと帰国に関して、子どもたちが小学校に馴染めるかという不安がありました。しかしコロナ禍での一時帰国時に数カ月間、体験入学をしたことで、その不安を拭うことができました。夏休みなどの長期休暇の際は、短い期間でも体験入学をしておくことをおすすめしたいです。子どもの性格にもよると思いますが、帰国時もスムーズに学校生活がスタートできると思います。
逆カルチャーショックはありましたか?
本帰国後に渡航前との価値観の変化を感じたことは、ライフスタイルについてです。
具体的には「人生の豊かさ」に関する考え方が変わりました。仕事を休職して駐在同行し、休職満了のため退職する決断をしたことなどを通し、私自身や家族ひとりひとりの幸せについて考えるきっかけとなりました。仕事以外のさまざまな経験をしたり、新しいことにチャレンジしたり、やりたいことを考えたり、自分と対話する時間が持てたことは贅沢な時間でした。
本帰国後は気持ちのアップダウンもありましたが、本帰国して2年ほど経ついまは、自分自身がアップデートされた感覚があります。いいことも大変なことも、振り返れば全てよい経験だったのだと思います。
本帰国してから感じる「現地生活で影響を受けて帰国後も継続していること」は、空気を読みすぎないこと。空気を読みすぎて、同調圧力に飲み込まれてしまうのではなく、自分を大切にすることを中国生活を通して学びました。子育てにもよい影響があると感じています。
「日本だからこそよいところ」は、良質な味噌やみりん、出汁などを使った和食の栄養の素晴らしさやおいしさです。中国でもある程度の物は手に入りますが、やはり日本で手に入る良質なお米や野菜やお魚、調味料、全てが素晴らしいと感じています。渡航前もいまも料理は得意ではないけれど、帰国してから釣りを始めてお魚を捌くことにもチャレンジしています。
再就職、キャリアチェンジに関してはいかがでしたか?
本帰国から3カ月ほど経ったころ、生活の立ち上げが落ち着いてきたので、少し働いてみようかなと思い、業務委託での在宅ワークにチャレンジしました(エニママというところに登録しました)。
また、コロナ禍での一時帰国や本帰国を通して、思考からはじめる片付け「ライフオーガナイズ」に興味を持ちました。本帰国から1年経ったタイミングで、ライフオーガナイズ1級というプロ資格を取得しました。フリーランスで働くことに興味があって資格をとったので、今後の働き方を模索しているところです。
海外生活中に内省し、自分の好き嫌いや得意不得意もわかるようになりました。焦らず寄り道しながら、自分なりのキャリアをデザインしていきたいと思っています。
これから本帰国される方へメッセージをお願いします。
渡航後には感じなかった暗黒期が本帰国後にありました。新卒で入社して17年間(2度の産休育休を含む)勤めていた会社を上海滞在中に退職したことによるアイデンティティロスです。本帰国して半年後くらいがいちばん辛かったのですが、いまならあの時の自分にこう言いたい!
「大丈夫、大丈夫。冬があるから春がくるんだよ。無理しなくても大丈夫、大丈夫。」
海外生活は、自分や家族にとって知的好奇心を大きく広げる機会となりました。住み慣れた日本を離れての4年間の中国生活は楽しいことばかりでもなく、不具合や不便なこともたくさんありました。しかし、新しい問題やピンチがあるたびに家族一丸となって問題解決やさまざまなチャレンジができたことはよい思い出です。
上海に行ったからこそ出会えた人々との出会いも、かけがえのない宝物です。駐在ファミリーカフェに出会えたことにも、声を大にしてこう言いたいです。
『ありがとうございました♡』