(前編)「配偶者帯同(同行)休業制度」を使った体験談 駐在ファミリーカフェ 運営メンバー座談会

配偶者の海外赴任が決定したときに、自分が勤めている企業に「配偶者帯同(同行)休業制度」(以下、制度)があったら、迷わず利用しますか?

「復職後はどうなるの?」「休業中に何をしておけばスムーズに復帰できる?」「転職も検討したい」など、気になることも多くあるのではないでしょうか。

この記事では、運営メンバーに制度を利用した感想や休職・再雇用・転職のあれこれについて語ってもらいました!

目次

メンバープロフィール

(カッコ内は、現在の状況・勤務先の導入制度)

◼️Eさん(復職済・再雇用):元中国在住。母子のみで本帰国し、復職済。海外同行に伴う再雇用制度を利用した。

◼️Hさん(復職済・休職):元ドイツ在住。本帰国済。海外同行に伴う休職制度を利用した。夫と同企業に勤めており、休職は無期限だった。

◼️Rさん(復職予定・休職中):現在アメリカ在住。海外同行に伴う休職制度5年のうち4年が経過。夫の帰任時期は未定。

◼️Yさん(復帰せず転職済・休職):現在アメリカ在住。海外同行に伴う休職制度利用、のちに転職。休職中は、副業制度を活用しアメリカ企業で働いていた。日米2拠点で勤務できる機会を得たのをきっかけに、休職していた企業を退職して転職。さらに最近アメリカ企業に転職した。

◼️Kさん(復帰せず転職済・再雇用):元アメリカ在住。本帰国済。再雇用制度は利用せず渡米前に勤務していた会社とは別の企業へ転職。

いま現在、感じていることは?

Eさん 同じ会社に戻ってよかったと感じています。新しい部署に入ったのでもう転職する気持ちで戻ろうって思ってたんですけど、やっぱり安心感があるし居心地がよい。新しい環境に飛び込むよりもストレスがかなり軽減され、タイムロスが少ないです。その一方で、会社の時代遅れなところが目について、自分もそれに慣れて染まってしまうかもしれないのが怖いという気持ちがあります。

Hさん 戻れる場所があるって安心感がすごくありました。いまは、休職して職場復帰して良かったな、と思っています。特に感じているのは、働くことから一旦強制的に離れたからこそ、考え方が「自分軸」に変わったということ。私はこういう風に働きたい、と人に流されずに主張できるようになりました。いまは、子どもがいることもあって残業しない働き方をしています。 

Rさん 今いちばん感じているのは、家族みんなで一緒にいる安心感ですね。ただ、私の休職期限と夫の本帰国のタイミングが合わない見通しで、家族がそれぞれ違うタイミングで帰国するかどうか悩んでいます。家族みんなで一緒にいたいから休職したはずなのに・・・とモヤモヤしています。

Yさん 私にとって休職は「戻るところがある」という心の安心材料でした。家族とキャリア、絶対にどちらが優先というわけでもなく、今は、家族は一緒にいるっていいなと感じています。転職後は日米の2拠点で仕事をしていたのですが、夫に、駐在員としての仕事、日々の家事育児、さらに子どもたちの習い事の送迎まですべてお願いし続けるのは申し訳ないな、と感じました。そんなこともあって、最近さらにアメリカ企業へ転職しました。キャリアの面では、元の会社に感謝しています。転職する際に上司にレファレンスレター(推薦状)を書いてもらいました。縁が切れたわけではなく、今でも助けてもらっていてありがたく感じています。 

制度利用の経緯は?

Rさん 駐在同行を機にキャリアチェンジしたいと考え、退職も考えていました 。そんな時、夫から「権利は手放さないほうがいい」と言われたんです。それを聞いて、確かにそうかなと思ってひとまず休職を選択しました。結果として、今のところ良かったと思うことが多いです。

Eさん Rさんと同じで、私も夫から「戻れる権利があるんだから、1回戻ってから転職すれば?」と言われたんです。そのこともあって、復職しようと思い直しました。

Rさん まったく同じ(笑)。

Eさん 夫の立場としては、日本に戻ったら妻も働いてくれる保証があるというのは気が楽なのかな。 

Rさん 帰国したら家族みんな一生懸命でいっぱいいっぱいになるだろうから、一つでも負担が少なければいいな、と思いますね。

社会復帰に向けて、駐在同行中に何をしていた?

Eさん キャリアの棚卸し・他己分析・駐在ファミリーカフェでのボランティア活動を通じて新しいスキルや経験を身に付けられたのがよかったです。一方で、自身の市場価値確認の意味も込めて転職活動をやっておけば良かったです。

Kさん ジャパニーズフレンドシップガーデンでのインターン、州立大学の日本語アシスタントティーチング、補習校の教員、アメリカ企業のジャパンビジネス参入メンバーに採用されました。現地の公的な立場にある方に推薦状を書いてもらえたので、転職の際とても役立ちました。駐在同行中に心惹かれたことは躊躇せず試した方がいいと思います。

休職中の金銭面の負担は?

Rさん 休職中は、社会保険料や健康保険料などの金銭的な負担があります。

Hさん 休職中のお金に関しては、Rさんが言っていたとおり社会保険料など年間でまとまった金額が必要でした。貯金がなかったら結構厳しかったです。

復職して困ったことは

Hさん コロナ禍でほぼ100%テレワークだったので、新人や若手をいまだに把握できていないことです。また、当時の上司も定年退職してしまい、知人が少なくなり人脈が細くなったな、と感じています。 4年半休んでいたので、1カ月ぐらいキャッチアップに時間が必要でした。あと 、PCのセットアップから何から何まで自分でやる必要がありました。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次