駐在家庭は、子どもの習いごとをどうしてる?(海外在住者アンケートより)

子育て中の家庭では、駐在生活が始まったときや、現地で子どもが学校や幼稚園などに慣れたころに、このようなことを考えるのではないでしょうか。
「学校のアフタースクール、どうしようかな?」
「何か習いごとをさせたいけど、どうやって探せばいいのかな?」
「日本で始めた習いごとを滞在国でも続けたいなぁ。」

駐在ファミリーカフェの運営メンバーの子どもたちが実際どんな習いごとをしているのか、アンケートを実施しました。さまざまな地域・言語圏の回答が集まっているので、滞在国での「子どもの習いごと」の参考にしてみてください!

アンケートの目的、調査方法

アンケートの目的日本人駐在員家庭で、子どもがどのような習いごとをしているか、また習いごとを通して、良かったことや困ったことは何か、実態を調査する
調査対象駐在同行中または、本帰国済みの子どもがいる駐在ファミリーカフェ運営メンバー
調査方法Google フォーム
調査期間2024年2月13日~3月15日
有効回答数42

回答者の子どもの基本情報

今回のアンケート調査では、アメリカ、タイ、シンガポールなど、合計17の国や地域に滞在する(または過去に滞在したことがある)駐在ファミリーカフェ運営メンバーから回答を得ました。アンケートの回答者の子どもは全員海外で習いごとをしていました。

習いごとをしているお子さんの年齢は?

習いごとをしているお子さんの年齢 0-2歳3(7.1%),3-5歳6(14.3%),6-9歳19(45.2%),10-12歳7(16.7%),13歳以上7(16.7%)

どんな習いごとをしていますか/していましたか?(学校のアフタースクールも含む)(複数回答可)

お子さんは具体的にどんな習いごとをしていますか/していましたか?(学校のアフタースクールも含む)  (複数回答可) スポーツ系(水泳、サッカー、テニス、体操、バスケットボールなど)30、ダンス系(Hip-Hop、バレエ、民族舞踊など)16、音楽系(ピアノ、バイオリン、ギター、合唱など)18、科学技術系(STEAM教育系、プログラミングなど)6、文化系(書道、そろばん、将棋、チェスなど)7、アート系(絵画、陶芸、工作など)2、学習塾13、語学(英語、中国語など現地の言語)17、その他(オンラインや通信教育を含む)9
その他

スポーツ系
アイススケート(計2人)、ローラースケート(アフタースクール)クライミング(アフタースクール)、空手(計3人)、乗馬(計2人)

ダンス系
チアダンス

科学技術系
科学実験(栄光ゼミナールの校舎で受講)、探究学舎のオンライン探究(計2人)
※子どもが興味のあるテーマの時に受講。海の生き物についての時は、Zoomを見ながら魚をさばきました。

アート系
Mini Drama(演劇)

語学
英検jrオンライン

日本語維持
日本語学校(補習校ではない)、オンライン日本語クラス、インターナショナル幼稚園の日本人の先生による日本語親子クラス、日本語補習業校(文科省管轄)、通信教育:チャレンジタッチ、通信教育:Z会タブレット、通信教育:スマイルゼミ

どのようにしてみつけましたか?(複数回答可)

習いごとをどのようにみつけましたか? (複数回答可) 口コミ(子どもの友人に誘われた、子どもの保護者から聞いた)32、学校のアフタースクール18、ネットで検索17、Facebook/Instagram/X(旧Twitter)6、日本人会、滞在国の海外転勤族のグループ3、地域コミュニティ(教会、公民館など)1、その他6
その他
  • 街中でユニフォームを見かけて、習いはじめました。
  • 教室(ガラス張りの体操教室)の前を通って、楽しそうだったので飛び込みました。
  • 学校の先生の紹介(英語の家庭教師とバイオリンの先生)。
  • フリーペーパー
  • 近所を歩いていて見つけました。
  • イベント会場で勧誘されました。
  • 空手教室を探しましたが、現地語だけの中で習うのは難しく、知人に空手を個人に教えてくれる人を紹介してもらいました。

習いごとを通してのお子さんの様子や感想など、良かったエピソード

子どもの成長を感じることができる

  • 年度末のショーで衣装を着て立派なステージに立ち、お客さんから拍手喝采を浴びるという経験が、人前に立つ自信や日頃の練習を頑張るモチベーションになっている様子です。(スイス)
  • アフタースクールで合唱をしていますが、学校のイベントや集会で歌ったり、コンサートがあったりするので、とても楽しんでいます。親もパフォーマンスを観られてうれしいです。(インド)
  • 水泳を習ったことで、水への恐怖心がなくなりました。(タイ)
  • 暑い国なので、外で遊ぶ機会が日本より少ないです。サッカーをすることで運動する時間を確保したり、体力向上になっています。(シンガポール)
  • STEAM系は英語環境・日本語環境どちらにも所属していて、英語環境ではプログラミング基礎を学べたり、日本語環境では日本語でのTA(Teaching Assistant)として使うことが少なくなった日本語力を維持したり、語彙力を増やしたりする機会にもなっています。NASAのGlobal Awardを受賞することにも繋がり、海外に来たからこその経験になっています。(アメリカ)

友だちが増えた

  • K-Popが大好きで幼稚園児の頃からずっと続けていて、そのおかげで韓国のお友達が増えました。積極的にみんなの前で踊ったり、競技会に出るようになりました!(タイ)
  • 異学年や、違うマンションに住んでいる友だちが増えました。一時帰国をしない長期休みは習いごとが日々のペースメーカーになるのでありがたいです。(ベトナム)
  • 仲間に恵まれて、学校とスポーツ(サッカー・アイスホッケー)が生き甲斐になっています。(アメリカ)
  • 日本人生徒がほぼいないチアダンス教室と、K-POPダンス教室(生徒はみな韓国人)に通いました。英語でコミュニケーションしたり、母娘で親しくしていただいたり、子ども同士は今も連絡取り合うなど、外国人の友だちができてとても楽しい良い思い出です。(ベトナム)

日本語環境

  • インターに通っているので、日本語補習校に通うことは日本語力や国語力の向上に役立ちます。(シンガポール)
  • ピアノレッスンは日本人の先生から教わるので、ピアノそのものよりも学校で先生と日本語で話せる時間が楽しく、良い息抜きになっています。(スイス)
  • 日本人向けの習いごとをすることで日本人の友だちと日本語を話す機会があることです。(フランス)

時間の都合が良い

  • オンラインの習いごとは子どもとの相性が難しいですが、天候などに左右されず、本帰国やスライド後も続けることができ、遠くの友だちとも画面上で会えるのがメリットだと感じます。(ベトナム)
  • 学校のアフタースクールは送迎しなくてよいのが楽。お迎えの時間も遅くなるので自分の時間が増えるのはありがたいです。(スイス)

楽しみがひろがった

  • チェスを習って、友だちや兄弟でやる遊びが1つ増えました。
    また、サッカークラブに入ってサッカー選手への夢が広がり、サッカー観戦など家族での楽しみが増えました。(イギリス)
  • スポーツや音楽は言葉を必要とせず、楽しめるので、環境に慣れるのにちょうど良いと思います。本人の得意を続けさせてあげるというのは、子どものストレスを緩和させると思います。(アメリカ)
  • 屋外広場で開催される幼児リトミックに週に一度通っていました。子どもはまだ小さく友だちができるような月齢ではないですが、私自身がいろんな子どもたちやお母さんたちと交流できて刺激になっていました。(ブラジル)

習いごとを通して現地の人とコミュニケーションがとれる

  • 現地の空手教室に通い、違う学年のお兄さんや小さい子ともコミュニケーションが取れて、本人が楽しそうでした。アメリカ人の先生が子ども好きで頭を撫でてくれたりジョークを言ったりして可愛がってくれました。(アメリカ)
  • 日本人ゼロの環境でもスポーツを通してコミュニケーションを取れることを経験しています。ただやはり日本語の方が楽しいようで、普段のおしゃべりな様子はなく控えめになっていると感じます。徒歩で移動できない国では運動不足になりやすいため、体を動かす習慣ができたのはよかったです。(インドネシア)
  • 学校や近所の友だち・先生とは違うコミュニティの繋がりができたことは、両親以外の家族が近くにいない海外生活でとても良かったと感じています。
    スケートやダンスなど、本人が情熱を注いでいることが感じられ、また定期的な発表会や技術試験のような制度も整っているので、それもやる気に繋がっていると思います。厳しい練習や評価というわけではなく、先生方は基本的に励ましてくれて子どもの良いところを見てくれるスタンスなので、その点も子どものモチベーションを保つ意味で役立っています。(アメリカ)
  • 子どもの教育にはお金を惜しまない中国。特に上海では習いごとが盛んで、教室も子どもたちが喜んで通うように、2階から1階へ降りれる滑り台があったり、レッスンを受けるたびにコインが貰えてクレーンゲームや集めてギフトと交換できたりと、工夫が多い分楽しそうに通っています。幼稚園やマンション内と別のコミュニティができるのは良いことで、先生のことも好きな様子が伝わってきます。(中国)

困ったエピソード

送迎の負担

  • 送迎が大変。練習場所が車で数十分、試合ともなると1時間以上かかることもザラだったので、下の子を連れ回さねばならず、可哀想でした。
  • 学年が上がるほど習いごとの選択肢が少なくなります。その上、時間帯が遅くなり場所も遠くなり、親の送迎の負担が増えてしまいます。
  • 送迎必須のため、姉妹のスケジュール管理が大変です。

費用の負担

  • 毎年レッスン料があがっています。習いごとによっては一時帰国で欠席中も、在籍するためにレッスン料を払う必要があります。
  • 滞在国では、何をするにも月謝が高くて負担です。

時間の制約

  • サッカークラブに入り、平日2回練習・毎週日曜は試合と、時間的な制約が増えました。10歳以下は親同伴で行動しないといけないので、練習・試合で親の時間が割かれるのはもちろんですが、親が同伴できないときは子どもが参加できないこともありました。
  • 団体スポーツを兄弟で習わせたくても時間や曜日がバラバラで親一人では送迎の対応ができないので、どうしても個人レッスンの習いごとばかりになってしまいます。
  • 長期の一時帰国から戻ったあとは、習いごとの生活リズムに戻すのに毎回少し苦労します。また、回数券の習いごとが便利なのですが、一時帰国によりお休みすると有効期限に悩みます。

環境的な制約

  • 滞在国では大気汚染がひどい日は野外活動ができません。
  • 公園など遊ぶ場所がない滞在国のため、習いごとで運動する機会を取り入れていましたが、子どもが好きなものを見つけるのに苦労しています。
  • 先生の本帰国で習いごとそのものがなくなってしまいました。

親のかかわり

  • 日本語補習校は宿題が多く、親の助けが必須です。
  • 本格的な中国舞踊教室で、言葉の問題だったのか、娘はやる気がないと思われ、15分間も一人だけ開脚(柔軟)をさせられていました。先生に娘の意図を伝えたところ、誤解が解けました。
  • 最初はどこから、何から始めたら良いのかわからず、まずはサッカークラブに入るまでに3年くらい右往左往してしまいました。

駐在同行前、日本で習いごとをしていましたか?滞在国でも続けるうえで、良かったことや苦労したこと

滞在国でも続けるうえで、良かったこと

  • 世界共通ルールのスポーツをやっていたことで、言葉の壁があってもすぐに耳に入ってくる英語を日本語に置き換えることができ、結果試合への出場も問題ありませんでした。(アメリカ)
  • 日本でピアノを習っていました。インド人の先生から英語でレッスンを受けるという経験ができたのはよかったです。(インド)
  • 日本でもバイオリンを習っていましたが、現地の先生に習ってよかったことは、楽器の修理や購入について相談できたことです。また、音階をドレミ、英語読み(C・D・E・・・)の両方ができるようになったし、英語でのバイオリン用語も覚えてきているので、今後、日本人の先生にこだわらず習うことができるようになりました。(アメリカ)
  • 日本でも習いごとはしていましたが、子どもの都合や希望というよりも私の勤務都合を中心に選んでいました。駐在同行中は勤務の都合を考えずに、子どものやってみたいことに挑戦する機会が持てたのがよかったなと思います。(アメリカ)
  • 海外では、専業主婦のため子どもの習いごとに全力で予定を注げるのが良いなと思っています。(中国)
  • 渡米前からサッカーをやっていました。慣れない海外生活の中で、サッカーは息子にとって自信を取り戻せるオアシスであり、ストレス発散にも必要不可欠と考え、サッカーチームを探しました。言語の壁や友だちとのトラブルがあっても挫けずにアメリカ生活を過ごせたのは、間違いなく継続してサッカーをやっていたからだと思います。(アメリカ)

 滞在国でも続けるうえで、苦労したこと

  • 学校外では現地の言葉(フランス語)の習いごとが多く、英語で受けられるレッスンは限られているので、希望する習いごとができません。体験レッスンや見学を受け付けてないところも多く、興味を持っても始めるハードルが高いです。(スイス)
  • 前の滞在国でピアノを習わせていたのですが、現在の滞在国ではなかなかいい先生に巡り合えませんでした。子どもに合う先生に出会うまでに1年かかりました。(フランス)
  • 日本で通っていたスイミングスクールがこちらにもあると聞いて、来たばかりの頃は通おうと考えていましたが、遠方で送迎バスがないので諦めました。
    また、最初に揃えるスクール指定のグッズも日本のデザインとは違うので改めて買う必要がありました。日系のスクールでも日本とは違うことが多く、確認が必要だと感じました。(ベトナム)
  • サッカーをやっていますが、種目に限らず送り迎えが大変です。徒歩や自転車で子どもだけでも行動できる日本が恋しいです。。。また、週末は補習校とサッカーのスケジュールが被りがちなので、いつも調整に追われています。(アメリカ)
  • 家や学校から通えるミュージックスクールを探すのは、少し苦労しました。(インド)
  • 日本と同レベルを求めてはならぬことを、痛感しました。渡航前に本格的なチアダンススクールを9年間経験し、娘が大好きな習いごとだったので可能な限り続けさせたいと思い、入会してみるも、渡航前のスクールとは違い、やさしすぎるレッスン内容に飽きてしまったり、モチベーション維持に苦労しました。(ベトナム)
  • 日本で空手を1年弱習い、駐在同行しましたが、空手の先生を見つけるのに苦労しました。(マダガスカル)
  • 日本でピアノを習っていましたが、滞在国にピアノをもって来なかったので自宅練習ができず、断念しました。(イギリス)

日本では習いごとをしていませんでした。なぜなら・・・

  • 滞在国で生まれました。
  • 日本にいる時はまだ赤ちゃんだった/小さかったので、習いごとはしていませんでした。
  • 年齢も小さかったので(2歳半)、日本では、習いごとの体験のみしたことがあります。

まとめ

今回のアンケートでは、子どもたちの滞在国や年齢もさまざまながらも、どの駐在家庭も習いごとをうまく取り入れている様子がわかりました。日本では経験できない習いごとをしている子ども達も多く、また各家庭ごとに日本語維持や帰国子女受験を見据えて現地で日系の塾に通ったり、オンラインや通信教育を活用したりしていました。
多くの国や地域では、新学期がはじまったところもありますが、ぜひ、お子さんの習いごと選びの参考にしていただければと思います。

運営メンバー

駐在ファミリーカフェでは地域別子育て情報子育てについての体験談も掲載しています。ぜひご覧ください!

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