アンケート調査概要
- 調査期間
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2024年8月
- 対象者
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本帰国をした駐在家族
- 調査方法
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Googleフォームでのアンケート
- 有効回答数
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30名
- 調査目的
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本帰国の実態を知り、本帰国を控えた駐在家族への情報提供とする
アンケート結果
回答者の情報
アンケート調査では、アメリカ、シンガポール、中国、インドなど計15カ国に滞在していた皆さまから回答をいただきました。
◎滞在していた国を教えてください(複数回答可)
◎滞在年数について教えてください
結果から、3年がひと区切りであることを実感しました。コロナ禍でわずか2年未満の滞在で、本帰国となった方も複数人いらっしゃいました。
◎本帰国時の家族構成を教えてください
駐在員ご本人を残して母子で本帰国した方や、ペットとともにという方もいらっしゃいました。
本帰国が決まった時
◎内示が出てから本帰国までどれだけの期間がありましたか
「その他」のご回答
- 夫が先に本帰国し、5カ月後に母子で帰国した。
- 母子・父子で先行帰国した。
- 夫の希望により家族で、急きょ帰国した。
駐在員ご本人が帰任しても、お子さんの学校のスケジュールに合わせてなどの理由で、帯同家族のみ(母子または父子)が残る場合があります。勤務先によって許可が下りたり下りなかったりすると思いますが、自分たちで本帰国のタイミングを決められたなら、私たち駐在家族にとっては、喜ばしいことです。
◎新居が決まったタイミングを教えてください
本帰国まで1か月を切ってから、新居が決まる方が多く見られます。
◎本帰国の準備として何から手を付けましたか
「断捨離」と答えてくださった方が多く、「住居や居住地域の情報収集」「学校・幼稚園の情報収集」と続きました。
また、「ペットの検疫書類の準備」というご回答も。家族の一員として、ペットの本帰国準備も重要です。
中には、「行きたいところに行きまくる」と、心残りがないように動かれた方もいました。
忙しい中ですが、最後に滞在国を満喫したいものですね。
移住地域の情報は、YouTubeを使って調べました。街の様子もわかり便利ですよ。
子どもを保育園に入れたかったので、まず住む場所を決めてすぐに役所に問い合わせをし、求職活動中として、入園申請をしました。就労中の方よりポイントは少ないですが、私の住む地域では待機児童になった場合、後々優先的に入れる可能性もあるようで、本帰国後すぐに申請をしました。お子さんを保育園に入れたい場合は、できる限り早めに動くのがいいと思います。
住まいさがし
◎本帰国後の居住地域はどこですか
子どもが小1の時に本帰国し、持ち家に戻りました。本帰国後に通わせたい小学校があったので、赴任前にその地域に家を購入しました。でも当時、その小学校で帰国生は娘だけ。日本の教育を受けていなかったので通いはじめた頃は心配でしたが、まだ小1だったのもあり、大きな問題にはならず、学校生活に慣れることができました。
子どもは小3で本帰国し、公立小学校に入りました。それまで日本の教育を受けたことはありません。ただ、転校生が多い学校だったため、同じ時期に転入したお子さんとドキドキ感を共有できたことは大きかったと思います。親同士も情報交換できました。
◎どのように住む地域の情報収集をしましたか
「インターネットでの検索」に加えて、「配偶者と同じ会社の家族」「候補地をよく知る人」にヒアリングをした方がいらっしゃいました。
また、自分たちが行けないため「候補地の遠方に住むご両親に見に行ってもらった」という方も。
新生活をスタートさせる場所なので、信頼できる情報を集めようとする皆さんの努力がうかがえました。
◎新居はどうやって探しましたか
◎新居を探す時に優先したことを3つ教えてください
我が家は子どもが低学年と2歳だったこともあり、私と夫の通勤の利便性を優先しました。夫の会社が近い方が、子どものことでお互いに協力しやすいと思います。次に考えたのは「家族で住んでみたい場所」という点です。会社や学校に行く平日だけでなく、休日に家族でこんなふうに過ごしてみたいなと想像しました。
◎内見はしましたか
実際に内見された方は「日本にいるご家族に見てもらった」「本帰国前に一度、手続きのために帰国した」「本帰国後にすぐ内見した」など、短期間で内見をされたようです。
自分の目で見ることは、家の間取りや設備、近所の雰囲気がわかるのでオンラインよりオススメです。焦って決めずに宿泊施設に滞在しながら決めたので、我が家はそれがよかったです。
本帰国に向けての準備
◎いつから片付けに取り掛かりましたか
3年間の滞在で、予想以上に荷物が増えていました。早く取り組んで無駄になることはないので、内示前からしっかり片付けをしておくとよいと思います。
◎滞在地で片づけにくかったもの(処分しにくかったもの)はどのようなものですか
- 大型家具
- ピアノ
- 電化製品
- 思い出の品
- 食器
処分の方法は、「引き取り業者に依頼」「現地コミュニティで引き取ってくれる方、買い取ってくれる方を探した」「後任の家族や友人に譲った」というコメントが見られました。また、「大家さんが引き取ってくれた」という方もいました。
◎滞在国から日本に持ち帰ってよかったもの 、要らなかったものはありますか。
<持ち帰ってよかったもの>
- 伝統工芸品(食器含む)
- 滞在の思い出になるもの(滞在していた街の写真集、地名の入ったマグネット)
- 子どもの英語の本・おもちゃ
- 記念にいただいたもの
コメント
*滞在国の伝統工芸品 ・現地の伝統的な茶器や民芸品などは、日本では買えないので、買ってきてよかった。 ・なかなか行けない国のため、滞在国の工芸品を思い出の品として購入した。手に入りにくいし、帰国後に眺めて当時を懐かしめるので、持ち帰ってよかったと思う。 ・趣味で集めていた食器。ただ、日本へ持ち帰る荷物を選定する際に、日本では必要ない&使用しないだろうと見込んで処分してしまった食器があり、実は現在の生活スタイルに合うデザインのものでしたので、いまだに後悔しています。 |
*思い出になるもの ・記念にいただいたものはすべて持ち帰った。使わないものもあるが、しばし思い出にひたってから日本で断捨離すればよいと思う。 ・壁掛けの飾り。日本でもスペースをとらずに飾れて、駐在生活を思い出すことができる ・旅行先で集めていたマグネット、日常使いしていた置き時計、アメリカのインスタント食品。どれも、あの時家族で頑張って生活していたなぁという思い出(&自己肯定感アップ)になっています ・送別の品としてもらった街の写真集。本帰国後に友人と会う時に見せて、自分の近況を説明できた。 |
*子ども関連 ・子どもたちの英語の本は、日本よりも手に入りやすいので現地で購入し、持ち帰ってよかった。 ・子どもたちの学校のものなど。 ・子どもが大事にしていた日本製のおもちゃ(一部を処分してしまい反省)。帰国後に子どもたちの気持ちの支えになったため。 |
<要らなかったもの>
- 衣類
- 家具
- キッチン用品
- 子どもの本やおもちゃ(持ち帰ってよかったものにもあり)
コメント
*もっと処分してくればよかった ・日本の家は狭くて荷物が新居に入りきらなかった! ・滞在国の方が処分をするのが簡単!日本では処分にお金がかかる! ・新しい気持ちで少ない持ち物で新生活を迎えるのがオススメ ・大概のものは日本でも売っている |
*衣類 ・日本ではあまり着られないデザインだったり、気候に合わない |
*家具 ・日本の家には入らない ・作りが悪くすぐにダメになった |
*キッチン用品 ・置き場所に困った。=家が狭い ・オーブンの大きさが滞在国と日本ではかなり違う |
要らなかった理由として、「日本の家はせまくて荷物が新居に入りきらない」というお声が多くありました。また「大概のものは日本でも売っている」と感じた方もいて、持ち帰るかどうか悩んだ場合は、日本で購入できるかどうかがポイントになることがわかりました。
また、思い切って処分したものの後悔・反省している……というお声も。事情が許す限り、思い出の品や愛着のあるものは持ち帰りたいですね。
◎早く知りたかったことや、実際に早めにやっておいてよかったことは?
*片付け ・早めに取り掛かっていたので内示が出てからも旅行に行く余裕があった半面、結局、直前になってからモノの処分でバタバタした。少しの間、不便になってももっと思い切って処分しておけばよかった。 ・常々、必要以上に物を増やすことをしないように生活していた。 |
*やること、やりたいことのリスト化 ・帰国までにやりたいことをリスト化し、夫と共有した。完了したらチェックしていき、進捗がわかるようにした。(ポイント:やりたいこと。夫や周囲とのスケジュールの共有) |
*キャリア ・転職活動。場所(国)を選ばずにできる仕事をもっと早くから探して取り組むべきだったなと思います。 |
*学校や幼稚園、保育園探し、また転入時期 ・学校探しと、その対策。辞令が出てからでは遅いと感じるので、少しずつでも調べておくとよい。 ・転入予定の学校へ連絡し、必要な物品リストを教えていただいたおかげで本帰国後、早いタイミングで転入することができたのでよかった。 ・子どもの転校手続きや習いごとの変更、保育園申請など、事前に役所や学校に確認し段取りを把握しておいたこと。 ・幼稚園の年少は受け入れてもらえるところがなくて大変だった。 ・知らない土地での学区などは本当にわからないことだらけなので、そこが地元だよという方と繋がり少しでも情報を収集できると安心かなと思います。(ポイント:日頃から夫婦で帰国後からどれくらいで転入させるかなども話し合っておく) |
*会社規定の確認 ・帰任の際の荷物、日本での住居に関する規定 |
*逆カルチャーショック ・外国の暮らしに馴染んで帰国すると逆カルチャーショックが起きることがあり、日本への適応まで時間がかかる場合がある。 |
*子ども・自身のメンタルケア ・子どもたちに対して「いつかは本帰国するよ」「もうそろそろだと思うよ」と伝えておいたこと。(伝えておいたことで心の準備ができた) ・本帰国による子どもや自分のメンタルケアの方が大切。特に新しい環境に慣れるまでは子どものメンタルケアを最優先にした方が早道だったと思う。自分の気持ちや再就職で頭が一杯で、もっと子どもの話を聞けたらよかったと思う。 |
*その他 ・子連れで帰国する場合、住む街の治安や暮らしやすさはとても大切。 |
本帰国までのToDoリストは、できれば作成し家族で共有できるといいですね。そんな時、駐在ファミリーカフェが作成したリストを参考にしていただければうれしいです。
<番外編>本帰国直後に必要なものは?
【生活用品】
我が家の場合は意外にもアイロンでした。
帰任休暇中の3日間でスマホ、家電やベッドなどを発注したのはもちろんですが、
翌日から夫の出勤時にシャツにアイロンかけられず、焦りました。
我が家(夫婦2人、賃貸)の場合、新居で真っ先に必要だったのは、布団セットと遮像カーテンでした!あと、掃除セットも(クイックルワイパーみたいなもの)。
本帰国した日だけホテル泊で翌日から新居に入らなければならず、細々とした日用品は手持ちで持ち帰りましたが、とにかく初日に寝るためのものを買いに走りました。
アイロンを航空便で送ったため、帰国後、手荷物に入れた唯一のおしゃれ着のしわを取れず着られませんでした。スーツケースにいれて持ち帰ればよかった〜と思いました。
帰国直後、家具家電は配達までの日数も必要だし…と、すぐに買ったのですが、毎日使う日用品(洗面具、お鍋・コップ・お箸など)まではなかなか買い物の手が回らなかったので、各1式ずつでもスーツケースにいれていたのは助かりました。
最低限の家電(冷蔵庫、洗濯機、オーブンレンジ)。
うちは夫が先に帰任していて、本帰国後に入居する賃貸マンションを決めていたので、とりあえずすぐに生活できるように最低限の家電をそろえました。急いだ理由は、この3つがあればとりあえず暮らせるからです。
新婚早々駐在したので何もかも買い揃えた感じではあるのですが、その中でも特に印象深いのがカーテン、物干し竿、ガスコンロ、掃除用品です!!!
本帰国してまず社宅に入ったのですが、本当に何にもない空の部屋&内見していないので、帰国して初めて部屋の中を見ました。先に帰国した夫が採寸&諸々購入してくれました。メジャーもすぐ買ってますね(笑)。
【子ども関連】
ランドセル・学校指定の学用品。
我が家は本帰国後、3日間の隔離期間があって、間一日だけ自由な日があり、その翌日(帰国後5日目)から子どもたちの小学校登校が決まっていました!※本帰国時の2022年5月はコロナ禍で、日本到着後に一定期間の隔離期間が設けられていた。
小学校転入日が決まった時には隔離期間がなかったけれど、帰国直前に隔離期間が決まり、準備期間がまったくなくなってしまって本当に焦りました。
リュックで登校してもよかったのですが、少しでもスムーズになじめるよう&子どもたちのモチベーションを上げるため、ランドセル登校させたくて、デパート2軒回って購入し、そのまま持ち帰りました。
子ども関連・学校関連は割とギリギリまでわからない細かいルールもあり、大変だなぁと感じました。
住民票を入れて医療証をもらったら、一旦病院に連れて行き、解熱剤をもらっておきました。
うちは滞在国でもらっていた薬をすべて処分して来たので、とりあえずの発熱対策で子どもの解熱剤をもらっておきました。小児科ではなくても耳鼻科でもらえたので、子どもの鼻炎の診察ついでに少量ですが用意してもらいました。
【手続き・書類関連】
早めに手配しておいてよかったのは、戸籍謄本です。
車が必要&急ぎで各種手続きしたく、すぐに転入届を出したかったのですが、役所から郵送してもらうだけでいつも3〜4日かかります。アメリカにいるうちに、あらかじめ夫の親に役所で戸籍謄本を取っておいてもらい、新居近所の信頼できる人に郵送しておいてもらうことで、即日転入手続きができました。
当時小2の子どもを学童に入れるつもりでした。「学童ならすぐに入れるだろう」と新学期を迎えてから申込みをしたら、まさかの待機児童になってしまいました。甘く見てましたね。
保活が必要な場合は皆さん早いと思いますが、学童も転入先に寄っては申込時期や定員があるので、早めに確認した方がよいかもしれません。
お我が家の場合は「定額小為替」をまず買いに走りました。
田舎なので生活立ち上げのためにすぐ車が必要→車を買うには実印が必要→実印を市に登録するために転入手続きが必要→転入する市に本籍を置いていないので、本籍地から戸籍の附票を取り寄せる必要がある→本籍地への請求に「定額小為替」が必要…という流れでした。
おわりに
私たち駐在家族に、いずれ必ず訪れる本帰国。
住み慣れた日本に帰るだけなのに、不安を感じることも多いかもしれません。でも大丈夫です!なんとかなります!
アンケートの内容を参考に、今できることから一つずつ、自分に合った形で取り入れてみてはいかがでしょうか?
これから本帰国の方は、終わりが見えてきた駐在生活を最後まで思い切り楽しんでください。そして、この記事が、日本での新生活を少しでもスムーズにスタートさせるヒントになればうれしいです。