海外で現地校に通っています【アメリカ・ニューヨーク州ニューヨーク市】

アメリカ・ニューヨーク州ニューヨーク市でお子さんが現地校に通っている、Tさんへのインタビューです。学校の選び方、通わせてみてよかったことなどについてお聞きしました。 

自己紹介をお願いします。

Tです。ニューヨークに5年以上住んでいます。

お子さまはどのような幼稚園・学校に通っていますか?

2021年に現地の私立のプレスクール(Pre-K 3)に入園し、現在Kindergartenに通っています。

また、2022年からは、週末に日系私立校が運営する日本語教室の年中クラス(半日)に通っており、2024年度から別の日系私立校の一日クラス(弁当持参/体育あり)に通学しています。

その選択をされた理由をお聞かせください。また、いつ頃から考え始めましたか?

子どもが2歳の時に、3歳からのPre-K探しと合わせて、5歳からのKindergartenについても情報収集をはじめました。

私の住んでいる地域は評判の良い公立小学校があるため、Pre-Kは私立校、Kindergartenから公立小学校に転校する現地のご家庭も多い地域です。
我が家は駐在期間が曖昧だったので、念のためPre-KからMiddle Schoolまである学校を探して、子どもがKindergartenになる時に公立、私立どちらも選択できるよう考えました。
駐在期間が2〜3年と決まっているご家庭の場合は、Pre-Kではナーサリーも選択肢に入れている方もいらっしゃいます。

※ニューヨーク州ニューヨーク市のシステムとして、4歳になる学年(2024年9月の学年だと2020年1月〜12月生まれ、がここに該当)をPre-Kと呼び、そこから公立の学校へ出願することができます。5歳になる学年はKindergartenと呼び、そこから義務教育のスタートです。
ただ公立のPre-Kは数が少ないため、私立のナーサリー(日本でいう保育園の位置づけ)やプレスクール(日本でいう幼稚園の位置づけ)に通う子どもも多いです。
ニューヨーク州内でも地域と公立・私立によって仕組みが違うので、詳しくは現地で調べてください。

どんな情報を参考にされましたか?実際に見学する機会はありましたか?

インターネットで近所の学校情報を調べて、一校ずつ学費と授業内容について確認しました。
実際に連絡を取ったのは二校のみです。二校ともコロナ禍の影響で見学はできず、オンラインで学校説明会がありました。
現在では以前のように対面での学校説明会があるので、実際に見学して校内の様子や校風、また通学路の確認などをしてみることをおすすめします。

ズバリ、何が決め手となって、その幼稚園・学校を選びましたか?

カリキュラムや学校の規模や雰囲気が、子どもと合っているかを重視しました。
1クラスの人数構成やクラス数、専科の先生の人数など、学校によってさまざまでした。現在、通っている学校は、Prek〜3年生まで各学年2クラスで、1クラスあたり生徒15人、先生2人です。
小規模校なので校長先生が全員の顔と名前を知っています(笑)。
専科の先生はサイエンス、体育、STEAM、ソーシャルスタディ、音楽、スペイン語、ラテン語の先生が各2人ずついます。そして、小規模な学校であること、プレスクールから宿題があること、STEAMクラスがあることが魅力でした。
また、ニューヨークでの地下鉄通学は安全面を配慮し避けたかったので、家から徒歩20分圏内、あるいはスクールバスがある学校であることも決め手でした。
プレスクールに通いながら、そのまま同じ学校に進むか他の学校に移るか考えたのですが、入学してから他校との違いをいろいろ知ることができ、また、学校のよさを実感できたので、Kindergartenも同じ学校に進もうと決めました。

実際に通わせてみて、よかったことは何ですか?

子どもの学校は、Pre-Kから毎日宿題が出るので、学習塾に通ったり、自分で教材を購入したりしなくても毎日机に向かう姿勢づくりと集中力を培うことができるのが良い点だなと思います。
Kindergartenから座学が長くなった影響なのか、自宅で私が用意した学習教材に取り組む時も集中する時間が長くなりました。

また、入学してから分かったのですが、両親がアメリカ以外の国出身のご家庭も多い学校で第一言語が英語ではない生徒も多く、先生もそのような子どもの対応に慣れているのも良かったです。

ESLクラスはありませんが、通いはじめた年齢が幼かったことと、家庭で英語以外の言語を話す生徒が他にもいたので、浮くことも戸惑うこともなくスムーズに初年度を終えることができました。

また、先生と親の距離が近いことも良い点です。日本の幼稚園や保育園のように連絡帳は無いですし、お迎えの時にひとりひとり様子を教えてくれることもなく最初は心配でしたが、些細な事でもいつでも先生や校長先生にメールで連絡することができて相談に乗ってもらうことができます。必要に応じて放課後に電話や対面で話を聞いてくれることもあり、勤務時間外だからと断られることはありませんでした。

学校からの帰り道をお友達と歩く様子(ニューヨーク市)
学校からの帰り道をお友達と歩く様子
学校で誕生日会を開催してもらった日の帰り道(ニューヨーク市)
学校で誕生日会を開催してもらった日の帰り道

期待や予想と違っていたことはありましたか?

休校日、午前中のみ登校の日が予想外に多いです。夏休みが長いことは承知していましたが、祝日の前の週は学校が休みになり4連休になることもあり、登校日が少なく感じます。他校の友人の話を聞くと、私の子どもの学校よりお休みの多い学校、少ない学校とさまざまです。

また、ランチは給食も選択できますが日本と全く違う内容の給食です。ピザやパスタなどの馴染みのあるメニューもありますが、豆の煮込みとチップスやにんじんとセロリの野菜スティックなど、日本人には馴染みの薄い料理も多いので、お米中心のお弁当が好きなお子さんは戸惑うかもしれません。私の子どもはお弁当を持参しています。

日本との違いで戸惑ったことがあれば、教えてください。

学校の連絡事項は学校からのニュースレターが週1通とPA(Parent Association)という父母会からの連絡が週1回あります。それに加えてクラスペアレントというクラスのまとめ役の親が必要に応じて、PAからの連絡事項のリマインドやクラス行事などについてメールとWhatsApp経由で連絡してくれます。WhatsAppはその年のPA次第です。
クラスペアレントがSNSでグループを作成してくれて、グループ内でクラス行事のボランティア募集から放課後に遊ぶ約束まで、さまざまなことを連絡し合うので想像よりも親同士でコミュニケーションを取る機会が多くて驚きました。

また、イベント毎に学校に寄付をする機会があります。子どもの通う学校では、毎回寄付金額が決められておらず、寄付の平均価格が分からずはじめは戸惑いましたが、可能な範囲内での金額を寄付しています。

入園・入学・転入前に、お子さまは必要となる言語の学習はされましたか?

子どもはアメリカ生まれなので、日本語のテレビ番組をDVDでたまに見る程度で普段はアメリカの子ども向け番組を見ていました。

私立校を受験する=英語が第一言語のアメリカのお子さんと同じ条件で受験することになるので、英単語のフラッシュカードや英語の本は試験の前に取り組みました。(2歳だったので動物の名前や色、数、形などを分かる程度)
試験はコロナ禍でオンラインでしたが、画用紙とクレヨン、お気に入りのおもちゃをひとつ準備するよう指定がありました。クレヨンやおもちゃを介して色、形、誰に買ってもらったか、などの質問を先生からされて子どもが答える方式の試験だったので、英語で最低限コミュニケーションが取れるレベルまで練習しておいて良かったなと思います。

対面での試験が再開された昨年度の話を聞くと、英語力よりも母子分離が可能か、友だちとのコミュニケーションがとれるか、などの行動面を重視されていたようです。

プレスクールの試験は英語が話せなくても、親が不在でも堂々としていられれば大丈夫だと思います。

入園・入学・転入前に、語学学習以外でやっておいてよかったこと、やっておけばよかったことがあれば、教えてください。

私はコロナ禍の影響もあり利用できませんでしたが、親子分離の練習も兼ねたアートクラスやNY Kids Clubなどの数時間の教室に通う子もいます。
レッスンは短時間ですが、親がいなくても泣かない、先生の話を聞いて行動する練習にもなりますし、親子分離が心配な方や、プレスクールの入学前に集団行動を経験させてみたい方におすすめです。

お子さまは、日本語の学習、日本語での教科の学習を継続していますか?どのようにして学習しているか教えてください。

日系私立校の日本語補習校に週末に週一回通学しています。
また、家庭では子どものスケジュールに余裕がある時、日本の教材でひらがなやかたかなを練習しています。

幼稚園・学校選びについて、お子さまとはどのような相談をされましたか?また、通われたお子さまの感想はいかがですか?

オンラインでの説明会のみだったため、実際に学校見学はできなかったこと、学校検討時は2歳と幼かったので特に我が家は子どもに相談はしませんでした。

最初は行き渋ったり泣くかなと心配しましたが、実際通学がはじまってからは、初日から泣いたり嫌がることは一切なく毎日楽しく通学してくれて大変助かりました。小規模でアットホームな学校を選んだのも良かったのかなと思いますが、子どもが物怖じしない性格だからかなとも思います。

お子さまの今後の学校、教育について、どのようにお考えですか?

アメリカに駐在中は、平日は現地校で日本語学習は土曜日のみで良いかなと考えています。日本へ本帰国後は住む地域によって選択肢も変わると思いますが、基本は地域の公立私立の幼稚園や公立小学校を考えています。


英語学習については、英会話や英語のアフタースクールを検討するつもりです。子どもの英語保持については、まだ子どもが幼いこともあり、発音だけでも残ってくれればいいな、という程度で考えています。

これから海外で幼稚園・学校選びをされる方へメッセージをお願いします。

お子さんが2歳ころに渡米される方は、ナーサリー、公立幼稚園、私立幼稚園と選択肢がたくさんあるので、ご家庭の学校選びの優先順位とお子さんに合った雰囲気の学校を見つけるのが良いと思います。

特に公立校も検討されている方は、家探しと学校探しは必然的にリンクしますので、ニューヨーク市の教育局のサイトや、学校の評価を確認できるサイトなどでしっかり学区や学校を下調べしてから家を決めることをおすすめします。

また、現地のプレスクールで英語をある程度習得できている場合は、5歳からは公立の自分の学区の小学校の他にチャータースクールの選択肢もあります。
※チャータースクールとは公的資金の援助を受けつつ、独自の特徴ある教育方針に基づいて生徒を教育する公立学校です。

運営メンバーH

アメリカ・ニューヨーク州ニューヨーク市の出産・育児・教育情報に、幼稚園・学校の情報を掲載しています。本体験談とあわせて是非ご覧ください。学校選びの参考になりますように!

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