南アフリカで現地交流に挑戦!海外生活は「かけがえのない財産」

南アフリカに3年半滞在したCさんにインタビューをしました。車移動が必須と移動手段が限られる中でも、現地コミュニティの活動に参加するなど精力的な海外生活を送りました。本帰国後に出産し、再就職に向けて準備をする中、海外での経験を「かけがえのない財産」と振り返りました。
自己紹介&駐在妻になるまでのキャリア変遷について教えてください。
Cと申します。南アフリカのダーバンに約3年半滞在し、2024年11月に日本に帰国しました。駐在同行するまでは人材会社で営業職と、業務委託先にて中途採用のリクルーター職に従事していました。駐在同行を機に会社の休職制度(2年間)を利用しましたが、休職期間が満了したため退職しました。2025年1月に第一子を日本で出産し、復職に向けて準備中です。
帰国までの経緯を教えてください。
もともと2025年末まで南アフリカに滞在する予定でしたが、第一子の出産とビザ更新のタイミングが重なり、2024年11月に夫と一緒に一時帰国しました。ビザ更新手続きが無事に終われば南アフリカに戻る予定でしたが、手続きが思うように進まない中、夫に2025年3月付で本帰国の内示が出ました。
夫は同年2月に1ヶ月間、一人で南アフリカへ戻り船便の準備や仕事の引き継ぎをしましたが、私は戻ることなくそのまま本帰国となりました。
現在は日本でどのように過ごしていますか。職場復帰などの見通しも教えてください。
育児と家事をしながら、駐在ファミリーカフェの活動を継続しています。以前は転職活動をするか、前職に再度入社するかを悩んでいましたが、今は前職の会社へ再就職する方向で考えています。子どもが産まれて生活が変化したので、前職に戻ることができるのであれば環境に慣れる上でのストレスが減るのではないかと思いました。
南アフリカではどのように過ごしていましたか。
日本人コミュニティの中でゴルフやテニスを習っていました。また、南アフリカに駐在同行などで来ている多国籍の女性が所属する現地コミュニティの活動に参加していました。
多国籍の女性が所属するコミュニティでの活動を教えてください。
大学のサークルのような雰囲気でした。コミュニティの中でグループがいくつか分かれており、例えば料理のグループに入ると、それぞれが母国の料理を振る舞って紹介します。運動系ではウォーキングのグループに参加すれば、毎週決まった曜日にメンバーで海沿いをウォーキングしたりします。
パデルというテニスに似たラケットスポーツの活動もありました。日本人以外の方と知り合うことができるコミュニティだったので、新鮮ですごく良かったです。

印象に残っている出来事、思い出はありますか。
初めは英語がほとんど分からず、参加することに気が進みませんでしたが、ベネズエラ出身の女性と仲良くなったことをきっかけに世界が広がりました。お互いにつたない英語でのコミュニケーションでしたが、一緒に海沿いをウォーキングしたり、お互いの国の料理を振る舞ったりしたことは、とても良い思い出です。
「もっと他のメンバーとも仲良くなりたい!」という気持ちが英語学習のモチベーションにもなり、コミュニティ内で日本料理を振る舞ったり、一緒にパデルを楽しんだりすることができました。
帰国前にはメンバー全員がベビーシャワーを開いてくれ、とても嬉しく心に残っています。
キャリアを意識して取り組んだ活動は他にもありますか。
同行中は主に以下のことに取り組みました。
・2級ファイナンシャル・プランニング技能士合格
・英語学習(オンライン、現地でのレッスン)
・駐在ファミリーカフェでのボランティア活動(キャリアに関するイベントの企画や記事執筆、インスタライブの出演)
・南アフリカで教育支援を行う日本のNPO団体でのボランティア活動
・南アフリカの生活・観光情報の執筆
教育系のNPOの活動についても教えてください。
南アフリカで教育支援を行う日本のNPO団体でボランティア活動をしました。もともと大学時代に海外で教育支援ボランティアを行うサークルに入っていたこともあり、興味があったので応募してみました。このNPOでは日本で使用されなくなった移動図書館車を南アフリカに運び、各地の小学校を回って本を寄贈する活動が行われています。私は治安を理由にリモートで活動しました。具体的には団体のブログの執筆やSNSへの投稿など、広報支援の役割でした。
同行中に大変だったことは何ですか。また、悩んでいたことはありますか。
同行当初は英語でのコミュニケーションに苦労しました。また治安上、車移動が望ましい環境でしたが、運転が苦手だったので自分一人でできることが少なく、自信をなくしました。自己肯定感が下がり、アイデンティティーロスのような気持ちを抱いていました。社会とのつながりがないことに孤独を感じ、何も生み出すことができていない自分の存在価値は何だろう、と悩んだこともありました。
悩む中で、どのように気持ちを切り替えていきましたか。
初めはキャリアブランクへの焦りからいろいろな活動に手を出しました。経験を積み重ね、資格を取得したことなどによって、少しずつ自信につなげていきました。他にも興味のあることや、今しかできないことをやってみよう、と気持ちに変化が生まれました。

駐在同行を経て帰国した今、考え方や心境の変化などありましたか。
「仕事につながる経験だけがキャリアではない」と考えるようになりました。
駐在同行中にいろいろな活動をしましたが、キャリアに役立てようと取り組んできたことすべてが、再就職に直接役立つわけではありません。今でも「もっと他にできることがあったのでは?」と思う瞬間もあります。
一方で、帰国後は南アフリカで過ごした日々が長い夢だったように感じられ、心にぽっかり穴が開いたような気持ちになりました。そのときに支えになったのは、現地での思い出や、活動を通じて出会った人たちでした。
帰国後は、知り合いのいない土地で子育てをする中で孤独を感じることもあり、同時に「キャリアが途切れてしまった」という思いにも悩みました。それでも、駐在ファミリーカフェのメンバーと再会したり、南アフリカで出会った方々から連絡をもらったりしたことで、「自分は一人ではない」と感じることができました。また、異国の地でも一歩踏み出して人との繋がりを築いた経験が、「日本でもきっと大丈夫」と思える自信にもなりました。
だからこそ今は、仕事に直結しない経験であっても、自分の人生にとってかけがえのない財産だったと心から思います。
今後は以前勤めた会社に再入社したい意向。準備してきたこと、また取り組んでいることはありますか。
同行中は職務経歴書のアップデートや、南アフリカでの活動の振り返りを行い、前職の同僚とも連絡を取っていました。帰国後には転職エージェントに登録をしたり、以前勤めていた会社と再度入社する相談をしたりしていました。また友人が勤める企業の採用状況についても情報収集しました。並行して保育園活動(保活)もしています。
駐在同行時も含めた経験を通じて、自信を深めた点はありますか。
自己肯定感が下がっていた頃に、「ノートに毎月目標を立てて振り返る」ことを始めました。目標は「毎日英語のレッスンを受ける」「初めての場所に自分の運転で行く」などとささやかなものでしたが、達成した一つ一つの積み重ねが自信に繋がりました。
そこから資格取得やボランティア活動への参加など、新しいことに挑戦できるようになりました。この習慣は、帰国した今でも続けています。
今後も駐在同行の可能性はありますか。そうした変化に向けて心の準備などしていますか。
今後も同行の可能性はあります。そうなった場合、次は同行中であっても仕事をしたいと考えています。そのためにはリモート勤務できることが前提になりますが、今までの経験を活かした仕事を続けるのか、より専門性の高いスキルを身に付け、今までと異なる仕事をするべきか、いまだ悩み中です。雇用形態についても自分には何が合うのかまだ悩んでいます。日本で勤めていた会社の仕事をそのまま海外でも継続できるのが一番理想だとは思いますが、フルリモート勤務が可能な別の会社を探す可能性もあります。
現在駐在同行中のご家族に向けたメッセージをお願いします。
再就職活動を通じて、駐在同行中に「何をしたか」よりも「何を考えて行動したか」が大切だと感じました。駐在同行によるブランクは、良くも悪くも企業側はこちらが思っているほど気にしていませんでした。だからこそ自分の経験や考えを言語化し、主体的に伝えることが重要だと思います。
「今の自分に何が必要か」「今だからこそできる経験は何か」という視点を持つことが、駐在同行生活をより充実させるヒントになるかもしれません。
また、悩み、考え、行動した経験は仕事に直結しなくてもその後の人生の大きな支えになるはずです。そしてその積み重ねが次のキャリアにつながると思います。



