【体験談】本帰国後の再就職活動、実際どうだった?

駐在同行している方の中には、帰国後に仕事をしたいと考えていても、再就職活動に不安を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回、駐在同行から日本へ帰国後、再就職を果たした駐在ファミリーカフェ運営メンバーに、駐在同行中に抱えていた悩みや、どのように再就職活動を行ったかを伺いました。その内容の一部を抜粋し、記事にまとめましたので、同じようなお悩みをお持ちの方、ぜひご覧ください。
前職のキャリアと駐在同行中の過ごし方
── 自己紹介をお願いします。
Nと申します。アメリカのカリフォルニア州のサンディエゴに約2年半ほど住んでおり、2024年9月に日本に本帰国しました。
── 駐在妻になるまでのキャリア変遷について教えてください。
現在は、人事系SaaS1を提供する企業でカスタマーサクセス2の仕事をしています。駐在同行するまでは新卒からIT系の電機メーカー(SIer3)で法人営業職の仕事に6年間従事していました。業務内容としては、お客さまの要望に合わせてハードウェアやソフトウェア、システムインテグレーション作業を組み合わせて、システムを提案・提供するという内容です。駐在同行を理由に休職できる制度がなかったため、退職したあとも規定年数以内であれば元の職場に戻れる再就職制度の申請をしたうえで退職し、駐在に同行しました。
── 駐在同行中は、どのように過ごしていましたか。
駐在ファミリーカフェの活動と現地の大学の日本語学科で日本語を教えるボランティアをしていました。同行してからしばらくは楽しんでいましたが、その後暗黒期がやってきて帰国後の仕事について考え始めました。そこで、前の会社ではないところに再就職する選択肢もあるかもしれないと思うようになりました。
本帰国後の再就職活動の進め方
自己分析と条件の整理
── 本帰国後の再就職に向けて、どのようなアクションをとっていましたか?具体的に教えてください。
たまたまインターネット検索でキャリアカウンセリングサービスを見つけました。駐在同行し始めた半年後くらいから、本帰国して転職が決まるまでの約2年半ほどサービスを利用していました。キャリアカウンセリングでは、できることやできないこと、できるけど好きではないこと、得意なことの整理や、自分の特性などを一緒に棚卸ししてもらいました。
自己分析を徹底して行ったあとも、求人を選ぶ基準や職務経歴書についてキャリアコンサルタントの方に相談したりアドバイスしてもらったりしました。最初は一人でやろうと思ったもののうまくいかず、プロの力を借りたことでおのずと就職活動の軸ができた気がします。
キャリアカウンセリングサービスの中で、転職する上で自分の中で譲れない『MUST』の条件と、できれば叶えたい『WANT』の条件に分けました。さらに『MUST』の条件と『WANT』の条件の中でも優先順位をつけて自分の希望を整理しました。これをやっておくと、求人を探すときに判断基準ができるので、選ぶのがとても楽だと思います。
またこれまでの仕事内容を振り返ると、売上を上げることよりも、システム導入後のサポート段階でお客様から「楽になったよ」と言っていただくことにやりがいを感じていたと気づきました。そのため、転職も視野に入れ始め、自分がやりがいを感じられる営業職以外の仕事に挑戦するのも良いのではないかと思うようになり、いろいろな会社の求人情報を見ていました。
求人探しと応募のタイミング
── 求人探しや応募のタイミングで、気をつけたことはありますか。
求人募集は就業開始時期の3~4カ月前に出る事が多いので、すぐに働き始めたい人は本帰国の3~4カ月前に求人情報を見始めて目星をつけておくのがおすすめです。この段階では「この会社が自分に良さそう」とか、「この仕事したいかも」くらいの感じで見ておいて、本格的に詳細を見るのは本帰国が具体的になってからが良いと感じました。
今回初めて知ったのですが、転職エージェントによっては海外在住者へのサービスを行っていないため4、すぐにはエージェントから求人紹介を受けられず、私の場合も日本に帰国してから面談を行う流れとなりました。
そのため、応募がいつでもできる状態にしておいて、本帰国後すぐにエージェント経由で求人に応募しました。
応募から内定までのプロセス
── 応募〜内定取得までのプロセスについて、具体的に教えてください。
現在勤めている会社は、応募した中で自分でも気になったうえに、相談していたキャリアコンサルタントの方にもおすすめされた会社の一つでした。
応募をしてから2回面接を受けたあとにリファレンスチェック5を経て内定が出ました。選考期間としては約1カ月半ほどで、だいぶスピード感があると感じました。
会社によっては1回目の面接後にSPIを受ける必要があり、面接後にリファレンスチェックをする会社もありました。
面接で聞かれたこと・ブランク期間の伝え方
── 面接時によく聞かれた質問や、印象に残った点などがあれば教えてください。
今働いている会社の面接では、駐在同行中の話はあまり聞かれませんでした。駐在同行中よりも、それまでに働いていた会社で何をしていたか、またその理由などを深掘りした質問を聞かれました。私は、志望動機の一つである「その会社に惹かれた理由」を話す際に、自然と駐在同行中の話を組み込むようにしました。
また、オンラインや現地で行っていたボランティア活動については、履歴書の経歴の中には書きませんでしたが、ブランク期間の説明をするために職歴備考欄の『同行中の活動』や、職務経歴書の自己PR欄に記載していました。駐在同行中のボランティアでのエピソードも含めて、自己PRの内容を複数考えておき、応募する会社によって内容を少し変えるということもしました。結果的には過去の仕事に関することを書くことが多かったですが、履歴書などには書いていなくても面接で話すこともあったので、駐在同行中のことも話せる準備だけはしておくのが良いと思います。
パートナーとの向き合い方
── 再就職にあたって、ご家族の反応はいかがでしたか?
夫には駐在同行中からキャリアカウンセリングを受けていることも伝えていましたが、自己分析中はそこまで詳しく話しませんでした。本帰国が決まり、本格的に帰国後の仕事の準備を始めた頃から、積極的に話題に出すようにしました。また、再就職について考え始めた頃は、フリーランスの道も視野に入れており、「フリーランスになることについてどう思うか?」などの意見も聞きました。ただ、もともと駐在前からお互いに好きな仕事をすればいいという考え方で一致していたので、少し意見は言ってくれるものの、最終的には毎回、「好きなようにすればいいよ」と応援してくれました。おかげで再就職活動をしているときも、すべて自己判断で進めることができ、私としてはとてもやりやすかったです。
自分主体で進めつつも再就職活動は孤独なので、面接の進捗や久しぶりの就職活動で驚いたことを話せる相手がいるのはありがたく感じました。転職エージェントからは、転職するにあたり、夫はどう思っているかを確認されました。駐在同行をきっかけにパートナーとキャリアの話を気軽にできる関係になっておくことが大事だと思います。
今後のキャリアと再び海外赴任になった場合の考え方
── 今後の中長期的なキャリアプランがあれば教えてください。
もともと中長期的なプランを考えるのが苦手なので、あまり考えてはいません。ただ、新しい環境や状況に適応するのは得意ということが自己分析でわかっていたので、転職活動時は自分のプライベートでなにかがあったときにも臨機応変に対応させてくれそうな会社かどうか、という視点で会社選びは行っていました。キャリアを考える上でも、丁寧に自己分析をすることは役に立つと思います。
── もしもまたパートナーが海外赴任や地方転勤になったらどうしたいですか?
夫の仕事については、今後も海外赴任や地方転勤の可能性もありますが、直近でその予定はなさそうですし、どちらかというと、「希望すれば」という状況のようです。一方、私は今の仕事を気に入っていますし、ほぼリモートワークなので、仮に夫が地方転勤になっても続けていきたいと思っています。幸い、私の会社は今のところ家族の転勤には柔軟に対応してくれる姿勢で、実績もあります。我が家はお互いにやりたい仕事をやろうという考え方なので、夫が地方転勤を希望したときに、「一緒に行けるよ」と言える環境はありがたいです。
もし夫が海外赴任となった場合は、その時の家族の状況を考えて、同行するのかを含めて、一から考えると思います。その時になってみないと考えられないタイプなので、その時の自分や夫の判断に任せようと思っています。
再就職活動の振り返りとアドバイス
── 本帰国から再就職活動を振り返って、大変だったこと、良かったこと、反省点などがあれば教えてください。
周りには駐在同行をしてから再就職活動をした人がいなかったので、全て手探りだったのが大変でした。それもあり、私は準備に時間をかけすぎたかもしれません。振り返ってみると本帰国の半年前あたりから準備するくらいで良いと感じましたが、それでも職務経歴書だけは早めに書いておくのがおすすめです。職務経歴書にはそれまで自分が働いた場所でどんな仕事をどれくらいの規模でしていたかなど、数字で表せるようにしておく必要があるので、仕事をしていたときの記憶が鮮明なうちに準備しておくと良いと思います。
── 本帰国後の再就職に不安を感じている駐在妻・駐在夫へのアドバイスをお願いします。
転職活動は面接対策などの準備が大事だと感じたので、駐在同行を経て再就職活動をする方は、仕事をしながら転職活動をする人よりも時間があるため有利です。
再就職にあたってはブランク期間を気にしがちですが、産休育休で休んでいる方と変わらない期間だったりもするので、あまり気にする必要はないかもしれないと考えて私はポジティブに取り組みました。実際に面接では駐在同行中のことよりも、過去に働いていたときの話をよく聞かれたので、自信を持って臨むことが大切だと思います。




