昭和時代に日本を離れた駐在妻の思い~先輩駐在妻インタビュー~

駐在生活への思い

‐駐在生活で大切にしていたことやこだわりはありましたか。

私たち家族が住んだのは日本人の駐在家族が住んでいないマンションでした。これは私が住居探しで出した条件の1つです。語学力に自信はなかったのですが、たとえ言葉の壁にぶつかっても、プエルトリコで日本人社会から離れた生活を送りたいというこだわりでした。海外駐在生活は、たいてい数年間の短いものです。そのような限られた時間の中で、どのように過ごすかに正しい答えはありません。だからこそ、自分の思いを生活に反映させることは大事だと思います。

‐駐在生活で苦労はありましたか。

時が経っているからかもしれませんが、思い返しても苦労だと感じることはありませんでした。しいて言えば、日本語補習校で日本人同士のつき合いに、少し悩んだかなというくらいです。クリスマス会で人形劇をするために、日本から材料を取り寄せて皆で制作をした時のことでした。でも、私は海外に来てまで、日本人との接し方に気を遣って疲れてしまうのはもったいないと思い、あまり考え過ぎないようにしました。

‐ご苦労がなかったとは驚きです。苦労を思い出せないほど駐在生活が充実していたのかと思います。ご自身のやりたかったことはできましたか。

プエルトリコでの3年間を思い返すと、家のソファーより車の運転席に座っていた時間のほうがはるかに多かった気がしています。子どもたちが通っていたアメリカンスクールと日本語補習校への送り迎え、お友達の家に遊びに行くにも習いごとに行くにも、何をするにも車で移動していました。私は子どもたちのために、家族のためにと思って毎日を過ごしていましたが、それが私のやりたいことだったと、今、お話をしていて改めて気づきました。ずっと日本にいたら出会えなかっただろう人たちに、夫や子どもを通じて出会えましたしね。慣れない英語で話したこともいい思い出です。

建物の2階にあった日本語補習校

駐在妻の皆さんへ、アドバイスをお願いします

海外にいる皆さんには、限られた時間を大切にしてほしいと思います。この歳になって人生を振り返り、海外での生活は私の人生に彩りを与えてくれたと感じています。後にも先にも1度きりでしたが、だからこそ駐在生活中はその環境を受け入れ、専念しました。

とは言え、海外生活だからといって無理に気負う必要はありません。海外での出会いを楽しみ、「日本にいたら悩んでいたかもしれないことを、ここでは悩まなくていい~」というくらいの気持ちでいればよいと思います。

そんな中で自分が何をすれば気持ちが満たされるのかを考え、自分にとって大切なことが見えてくるのではないでしょうか。私の場合は、夫や子どもを通してできた友人関係、地域や学校でできた人とのつながりが楽しさへとつながりました。

皆さんの駐在生活がそれぞれの色で彩られることを願っています。

<編集後記>

今回お話を伺った駐在妻の先輩は、ご主人の駐在により海外生活という貴重な機会を得て、家族のことを思い家族のために過ごしていらっしゃいました。しかし、そこに受け身な印象はまったくありません。出張者をもてなすことも、子どもたちの送り迎えをすることも、ご自分が海外生活を楽しむ要素でした。考えるのは他者のことであっても、主語は自分自身。

考えてみれば、私も休日は子どもの習いごとをはしごして1日が終わります。私自身が子どもにピアノを弾けるようになってほしい、泳げるようになってほしいという思いを持って目標を立て、それに向かうことを楽しんでいるのでしょう。

伺ったお話を自分に近づけ整理すると、昭和、平成、令和と時代が移っても、人生の主語は自分自身であることに気づきました。それは、私たちがよく見聞きする「駐在生活は『帯同』(連れて行くこと)なのか『同行』(ついてくこと)なのか」にもつながっているように感じます。そして、先輩は「人生の彩り」という言葉を使われましたが、私たちはそれを「駐在生活はキャリア」と認識しているのだと思いました。

これからも駐在妻の思いやあり方において、変わりゆくもの、変わらないものを考えていきたいと思います。昭和時代の駐在妻についての情報をお待ちしています。

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