海外で現地校に通っています【イギリス・ロンドン】

イギリス・ロンドンでお子さんが現地校に通っている、Y.M.さんへのインタビューです。学校(小学校、中学校)の選び方、入学までの流れや学校生活などについてお聞きしました。 

自己紹介をお願いします。

Y.M.です。2021年7月からイギリスのロンドン(北部エリア)に住んでいます。
長男10歳、次男8歳の夏に渡英しました。

お子さまはどのような学校に通っていますか?

長男:
 2021年9月に現地の公立Junior School※に転入(Year6)
 2022年9月に現地の公立Secondary School※に入学(Year7)

次男:
 2021年9月に現地の公立Junior Schoolに転入(Year4)

※Junior Schoolは、Year3~6(日本の学年で小学2~5年生)を対象とする学校で、通常Year1~2(日本の学年で年長~小学1年生)を対象とするInfant Schoolが隣接しています。
※Secondary Schoolは、Year7~Year13(日本の学年で小学6年生~高校3年生)を対象とする学校です。

その選択をされた理由をお聞かせください。また、いつ頃から考え始めましたか?

確実に英語を習得できる環境であること、そして学費負担が少ないこと(会社の学費補助がないため)を重視して現地公立校を選択しました。
また、イギリスは移民が多く、様々な人種の友だちとの交流を通じてグローバル社会を体感してほしいと考えました。
日本語の学習について気になりましたが、日本語補習校に通うことで何とか継続して習得できると考えました。

学校に関する情報収集は、赴任の内示が出た2021年3月頃から開始しました。北ロンドンは比較的日本人が多く住んでいるので日本人の通学実績を持つ学校が多いこと、そしてイギリスは住所によってキャッチメントエリア※と呼ばれる学区が決められていて、自宅の立地によって選択できる学校が変わってくることがわかりました。最初は希望校に近い物件を探しましたが、コロナ禍により物件が少なかったため物件優先で学校を選ぶことになりました。

入学申請は実際に通学する子どもがイギリスに居住していないと行えないため、渡航後の7月末に区役所に申請しました。しかし、学校が夏休み中だったため最新の空き状況が確認できず、ひとまずウェイティングリストに載せてもらいました。正式な入学許可の回答を受けたのは8月下旬で、その後学校で3者面談を実施し、通学許可を受け9月初旬より転入となりました。

※キャッチメントエリアは各学校が決めており、学校によってその広さが異なります。入学・転入の申請の際には、自宅の住所がどの学校のキャッチメントエリアに含まれるかを確認した上で希望校を選びます。

どんな情報を参考にされましたか?実際に見学する機会はありましたか?

JOBA(海外・帰国子女教育専門機関)ロンドン校に問い合わせて、日本人が通った実績のある学校の紹介を受けました。また、以下のサイトを有料で利用して、学校の政府機関評価や過去の試験成績、Non-Native(英語を母語としない生徒)の比率などを参考にしました。
The Best School Finder & School Catchment Area Checker | Locrating

コロナ禍だったので、見学はできませんでした。

Secondary Schoolは上記有料サイトの情報に加えて、Junior Schoolの友人の情報を参考にしました。
2022年度入学希望者向けに、2021年9月から各校でOpen Eveningという見学会が開催されたので、5校を見学し、2021年10月末の入学申し込みの際に第1希望校から第6希望校まで申請しました。2022年3月頭に結果通知を受領するも第4希望校となったため、第1~第3希望校のウェイティングリストに登録し、最終的に第2希望校に入学できることになりました。

ズバリ、何が決め手となって、その学校を選びましたか?

Junior Schoolに関しては、イギリスの教育水準監査機関による学校評価「Ofsted評価」と学校名です。
前述の通りイギリスにはキャッチメントエリアと呼ばれる学区があります。まず自宅がどの学校のキャッチメントエリア内にあるかを確認し、その中から希望校を選んで入学申請します。第1希望として申請した学校はOfstedの評価が悪くなく(5段階中上から2つ目)、同じフラットに住む邦人のご家族のお子さんが通っていたことが決め手となりました。

Secondary Schoolは試験実績と口コミ、評判で選びました。

実際に通わせてみて、よかったことは何ですか?

現在子どもたちが通っているJunior Schoolには、各学年に日本人が2~3名ほど在籍しています。日本人がまったくいなかったら、転入してから学校生活に慣れるまで苦労したと思います。一方で、日本人が多いと学校生活で日本語を話す機会が多くなり英語の習得が遅くなりそうだと思いましたが、程よい人数でよかったです。
今では学校生活に慣れ、日本人以外の友だちもたくさんでき、コミュニケーションの問題も特に感じることなく過ごしています。

期待や予想と違っていたことはありましたか?

現地校では、ESL(English as a Second Language)という英語を母国語としない生徒のための英語クラスで英語習得をサポートしてもらえると思っていましたが、実際に開講されたのは長男のクラスだけでした。長男のクラスには他にもウクライナやポーランドからの転入生がいましたが、次男のクラスには他にサポートが必要な子がいなかったため、ESLは設けられませんでした。
次男の英語習得サポートを自宅で行えるように、JOBAロンドン校の『現地校サポート』コースのオンライン授業を週1回(70分間)受講しました。またESLを受講していた長男もSecondary Schoolへの進学を考慮して、同様のコースを受講しました。

日本との違いで戸惑ったことがあれば、教えてください。

Junior Schoolでは大人の送り迎えが必要で、保護者の中には業務時間を調整したり、有料の送迎サービスを依頼している方もいらっしゃいます。私の場合は特にサポートを依頼していないので、送り迎えの時間帯に合わせた生活を送る必要があり、昼間に出かける際には時間的な制限があります。
私自身、現地就労を検討していたのですが、上記の理由で難しいと考えて現在は子どもとの時間を優先しています。

カリキュラムは学校のホームページに公開されていて、その内容に沿って学校側が準備したプリントを使って学習します(教科書はありません)。
ノートは学校から提供され、文房具は学校が準備したものをクラスで共有します。
また、学年問わず毎日6時間授業を行います。
学校の宿題が少ないこと(週にプリント2枚程度)は当初少し不安でしたが、オンラインの学習ツールを使って楽しみながら学習したり、クラスメイトと進捗を競い合う課題もあったり、学びを深める工夫が感じられます。今はイギリスの教育制度の良さを理解できたので不安はありません。

学校選びについて、お子さまとはどのような相談をされましたか?また、通われたお子さまの感想はいかがですか?

前述の通り、学費負担を抑えつつ語学習得してほしいという親の希望もあり、日本人学校ではなく現地校に通う話をしていたのですが、二人とも特に異論なく受け入れてくれました。ただ、厳しい学校は避けてほしいと言われ、お子さんを通わせている方にお話を伺って確認した覚えがあります。

息子たちは、実際に通ってみて、よい先生に恵まれ、友だちもたくさんできて楽しいと言っています。

入学・転入前に、お子さまは必要となる言語の学習はされましたか?

長男は日本で英語の学童に通っていた時期があり、次男も公文で英語を習っていましたが、二人とも実生活で英語を話せるレベルには程遠い状態で渡航しました。

お子さまは、日本語の学習、日本語での教科の学習を継続していますか?どのようにして学習しているか教えてください。

現在、毎週土曜日の午前中に日本語補習校に通って、毎週宿題をこなしています(毎日宿題できるといいのですが、なかなか……)。しかし、長男、次男ともに、これまで習ってきた漢字を忘れがちになっていること、そして漢字の書き順も怪しくなってきていることから、JOBA(海外・帰国子女教育専門機関)での学習に切り替える時期を早めることを検討しています。

お子さまの今後の学校、教育について、どのようにお考えですか?

長男、次男ともに今後も現地校に通い、英語習得およびイギリスでの基礎学習を進めてほしいと考えています。
日本語学習は、日本語補習校に通って日本の教科書に沿った学習を進めています。本帰国が近づいてきたら帰国子女受験を見据えてJOBA(海外・帰国子女教育専門機関)での国語・算数(数学)・英語の学習に切り替える予定です。

これから海外で幼稚園・学校選びをされる方へメッセージをお願いします。

たくさん不安もあると思いますが、子どもの高い順応性を信じて縁のある学校に飛び込んでみてください!もし最初は涙を流す日が続いても、きっと毎日笑顔で登下校できる日がきます!

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