ヨーロッパの冬は辛い?
「ヨーロッパの冬って本当につらい!」とお悩みではありませんか?
ヨーロッパをはじめとする高緯度の地域では、冬期の日照時間がとても短くなります。地域によっては朝9時にやっと明るくなって、夕方4時頃にはもう真っ暗なんてことも。そして昼間でもどんよりとした曇り空。「毎日これでは気が滅入る」という方も多いのではないでしょうか。
日本にいるとなかなか想像できませんが、日照時間の減少により「冬季うつ病」の症状が出ることがあります。
冬季うつ病の原因とヨーロッパで実際に行われている対応策
一般的に冬季うつ病のきっかけは日照不足によるもので、誰でもかかる可能性があると言われています。そのため、
・日光浴(晴れた日にはなるべく外に出る)
・生活習慣の見直し(栄養を考えた食事をとる、運動習慣を取り入れる)
・気分転換(趣味を見つけて、積極的にその時間を確保する)
・照明の変更(日本人に馴染みのある白っぽいライトを使用する)
などの対策をする人が多いようです。
また、上記だけでは解決できない場合や、実際に気分の落ち込みが激しくなった場合には
・サプリメントを飲む
・光療法(太陽光と同じぐらいの強さの光を浴びて、体内時計を調節し生体のリズムを整えるという方法。)
といった対処法もあります。
私たちの身体は、必要となるビタミンDを食事で摂取するとともに、日光に当たることで体内で作り出しています。しかし日照時間の減少により、その産生量も減少。その結果、ビタミンD不足となり、うつ症状が出てしまうという仕組みです。
そこで、不足したビタミンDを補う目的で上記2つの方法が推奨されています。
特に乳幼児の成長にはビタミンDが必須で不足することで、くる病/骨軟化症(骨の石灰化が起こらず、その結果骨の強度が不足する病気)という病気になる可能性もあります。そのため、地域によっては小児科や学校からビタミンDを飲むことを勧められることも。滞在先のドクターに確認してみましょう。ビタミンDのサプリは薬局で処方箋なしで購入できるところが多いようですよ。
もし気分の変化を感じたり、モヤモヤが続く場合には、「我慢すればいい」と思わずに、必要に応じて医療機関を受診するなど、手助けを求めることも有効です。
メンバー体験談
フランス
思い返せば、在仏中の冬は空や街全体のトーンもグレー色に染まってくる感じで、朝はなかなか起きれないし、けっこう気分が鬱々としていました。「ヨーロッパの冬は日照不足=ビタミン不足」という認識はありましたが、帰国してから「冬季うつ病」について知り、「なんだ、自分はそれだったのかも」と、もやが晴れた気がしました。在仏中に冬季うつ病のことを知っていたら、少しは対処ができたかも…と思っています。
ブルガリア
ブルガリアはヨーロッパの中でも比較的南側にあるため、冬でも多少の晴れ間があります。ブルガリア人の友人にサプリメントを飲む方がいいかと聞いたら「それは北欧の話で、ここでは必要ないよ!」と言われました。それでも日本に比べるとどんよりした日が多く、渡航した最初の年には気持ちの落ち込みが激しかったので、サプリメントを購入しました。飲んだ後は気分が落ち着き、その効果にびっくりしました!
仮にそのような状態になったとしても、「そいういう時期なのかも」と受け止められると気持ちが楽になるかもしれません。
ベルギー在住の臨床心理士・川瀬さんが情報サイト“青い鳥”に、冬季うつ病の一般的な予防策や光療法についての情報を寄稿されています。ぜひ参考にしてみてくださいね。
・ベルギーの冬季うつ NO.1
・ベルギーの冬季うつ NO.2(うつ病の一般的な予防策)
・ベルギーの冬季うつ NO.3(光療法)
参考サイト:
○MSDマニュアルプロフェッショナル版 ビタミンD欠乏症および依存症(くる病;軟骨化症)
○臨床心理士・川瀬さん ベルギーの冬季うつNo.3(光療法)
※この記事は2018年に公開した内容を一部編集したものです