【帰国後インタビュー vol.4 後編】海外在住者に伝えたい 辛くても「今・ここ」から変われるということ

まり子ラベンダージョーンズさん ヨガレッスン

シンガポール帯同中にプチうつ、原因不明の全身湿疹、そして乳がんといくつもの困難に直面しながらも、がんをきっかけにヨガを本格的に学びはじめ、辛い経験を糧にされてきたまり子さん。後編では現在の英国での活動への思いをお伺いしました。

(シンガポール時代の困難についてお伺いした前編は▶帰国後インタビュー vol.4 前編よりご確認ください)

まり子ラベンダージョーンズさん

まり子ラベンダージョーンズさん

駐在妻ならではの悩みをオンラインでもサポート

-渡英が決まった時はどんなお気持ちでしたか?

「とうとうか!」と(笑)。シンガポール帯同が決まるより前、夫と婚約した当初は、「あと数年で英国に戻る」と言われていました。いつかは英国に行くと分かっていましたし、移動も2回目だったので勝手が分かっていたというのもあります。なにより心の準備期間が20年近くあったので、ダメージはありませんでした。

子どもたちも、毎年夏休みに日本と英国両方に帰省していたこともあって、英国をとっても良いところだと思ってくれており、意外と問題はありませんでした。

まり子ラベンダージョーンズさん ご家族

ご家族と

-渡英後はどのような活動をされているのでしょうか?

現在は「ココロとカラダの健康応援団長」として、ヨガとアーユルヴェーダの教えにもとづくヘルスコーチングをしています。

渡英して、生活が落ち着くまでの1年間は積極的には活動していませんでした。スタジオでの対面レッスンを再開したのは、2年目に入ってからです。

現在は対面でのレッスンも継続しつつ、1年半ほど前にオンラインで習慣改善講座というものをはじめました。また、シンガポール駐在時代の仲間とはじめたオンライン座談会では、毎月テーマを変えておしゃべりしながら参加者の皆さんの質問にもお答えしています。

-オンラインでの活動をはじめられたきっかけは何だったのでしょう。

対面でのレッスンをしていく中で、ヨガで体の動きが良くなっても、食事や睡眠、ストレスケアなどライフスタイル全体を変えないと結局は元に戻ってしまうということに気がつきました。そう考えはじめた時に、「そういえば、シンガポールでアーユルヴェーダも勉強していた」と思い出して。ちょうどその時に自分もオンラインで新しい先生について勉強しはじめたこともあって、ヨガとアーユルヴェーダの両方を実践するオンライン講座を開きました。

オンライン講座では、受講者の皆さんが海外在住ならではの心身の不調や問題を解決して、元気にワクワクやりたいことができるようなサポートをさせていただいてます。

まり子ラベンダージョーンズさん

オンライン講座で心身の健康をサポート

-海外在住ならではの不調や問題とは、どういったことでしょうか。

私は、駐在妻の方が帯同先で楽しく生活できるようになるまでに、3カ月目、6カ月目、1年目とそれぞれの時期において、乗り越えなければならない3つの山があると考えています。

まず最初の3カ月は日常生活面での山です。慣れない土地での毎日の食事の準備にはじまり、子どもの幼稚園や学校のこと、自分自身の友人関係のことなど、日々の生活を整えるまでに頑張りが必要です。

生活が落ち着くと、6ヶ月目頃に今度は身体面での山があります。帯同先の気候に慣れて免疫をつけたり、地元の食生活になじませていく期間です。 さらにそれを乗り越えて1年ほど経つと、精神面での山が待っています。例えば、周囲に気の合う仲間を見つけられず、自分の居場所がないと感じてしまうこともあります。そのような状況で苦しくならないためには、自己肯定感を保つことが大切です。私は、心身の健康を取り戻すために生活習慣を見直すことで、自己肯定感が上がり、少しずつ行動範囲やネットワークが広がっていくと考えています。

せっかくの駐在期間です。駐在妻の方には、帯同中にしかできないことや自分にとって何が大切なのかを考えながら、自分が納得できる目的や存在意義を見つけて、海外生活を楽しんでもらいたいと思います。

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