アメリカでの駐在妻生活中に子育てしながらMBAを取得。その秘訣とは?

本帰国後の再就職を見据え、渡米前からの入念な準備と渡米後の強い意志をもって、3年かけてオンラインでのMBA学位を取得されたMさんへのインタビューです。

自己紹介をお願いします

アメリカ在住のMです。2016年3月末に渡米して3年が経ち、生後10ヶ月で渡航した子どもは4歳になりました。新卒で製薬会社に就職し、新薬の臨床開発に約10年間携わった後、夫の海外赴任に同行するため退職しました。渡米と同時期にオンラインで学べる日本の大学院に入学し、リモートで3年間学習を続け、2019年3月に修了、MBAの学位を取得しました。

どうして「大学院に入学する(または進学する)」という選択をしたのですか?

2015年、出産を経て育児休暇を取得中に、夫の海外赴任が決定しました。仕事は続けたかったのですが、子どもが当時0歳であったことや夫の赴任期間(3~5年)等を考慮し、やむを得ず退職して家族でアメリカに渡ることを決めました。

「帰国後には再び製薬業界で仕事をしたい」という思いが強く、「アメリカでの滞在期間を単なるキャリアのブランクにしたくない」と思い、自分に何ができるかを考えました。出産・育児休暇を取得する前、自分の専門分野の観点から業務を遂行するばかりで、その先の経営目線が不十分だと考えていたこともあり、以前より興味があったMBAの取得を目指すことにしました。

その後は、オンラインで学べる日本の大学院と現地の大学院を複数校検討し、最終的に、自宅で好きな時間に受講できること、費用、カリキュラム等を重視して、出願する大学院を決めました。

実現するためにどんな取組みをされましたか?

アメリカへの同行を決めた後、約3ヶ月間という短い期間で、候補となる大学院を調べ、検討、出願の準備をしました。子どもを寝かしつけした後にしか時間が取れなかったため、当時は寝不足の日々が続きましたが、大学院には無事合格でき、アメリカ生活開始とほぼ同時に学習も始めました。

同行後は、育児をしながらの学習だったため、とにかく時間の確保が課題でした。夫が先に渡航して生活環境を整えてくれていたので、新生活に様々な戸惑いはあったものの比較的早く慣れることができ、スムーズに学習をスタートすることができました。大学院の学習も、オンラインなので自宅で好きな時間に、また日本語で学習できましたし、大学院の設けている「長期履修制度※」を利用したこともあり、育児とのやりくりを工夫ししながら無理のないペースで進めることができました。

また、同行直前に行われた大学院の入学式で出会った他の学生たちと、LINEを通じて情報共有をしたり、励ましあったりすることができたのも心強かったです。

最後の1年間では、修士論文として、事業計画を作成しました。「駐在妻にリモートワーク求人を紹介するサービス」の起業を想定し、駐在妻を対象にアンケートを実施しました。駐在ファミリーカフェ運営責任者の飯沼ミチエさんがブログやメールマガジンでご紹介してくださったおかげで、87名の駐在妻が回答してくださり、大変感謝しています。

※長期履修制度…職業や育児、介護などの事情によって修業年限で終了することが困難である場合、標準修業年限を超えた一定の期間(長期履修期間)にわたって計画的な教育課程の履修を可能とする制度。

勉強時間の確保が最大の課題だったようですが、育児や友人との交流とはどのようにやりくりされたのでしょうか?

入学直後の半年間は主に子どもの昼寝時間を使い、課題等の進捗によっては子どもの就寝後にも学習していました。しかし、子どもが成長するにつれて昼寝をあまりしなくなり、日中の学習時間の確保が難しくなったため、夫に状況を相談して保育園に1日4時間を週2回通わせて時間を確保しました。最後の1年間は毎日保育園に通っていたため学習時間を多く取ることができました。

友人とのお付き合いは、同年代の子どもがいる方が多かったため、午前中や夕方に会うようにして、昼寝の時間帯はできるだけ自宅で過ごして集中して学習するように工夫しました。友人とのおしゃべりは息抜きや情報交換の時間にもなるので大事にしました。

実際に取り組んでみての感想や今の心境は? この体験から得たものはありますか?

大学院での学習は私にとってとても充実した時間で、多くのことを学びました。第一に、ビジネスに関する様々な理論や分析手法等を知り、理解が深まりました。それまで勤務先で経験値として学んできたことを、講義を通して体系的に学び直すことができ、「腑に落ちる」感覚を何度も覚えました。

また、世の中の企業の戦略に対する興味が強くなりました。第二に、色々な講義の課題や、他の学生とのグループワークやディスカッションを通して、また講義の先生方から様々なコメントやフィードバックをいただき、たくさんの学びや気付きを得ただけでなく、それまで自覚していなかった自分の強みや、やるべきことを把握することができました。第三に、様々な講義の受講を通して視野が広がり、何でも挑戦、経験してみようと思うようになりました。

そして、帰国後の再就職に対するモチベーションをキープできていることにも繋がっているので良かったです。帰国したら製薬業界に再就職し、大学院で得た学びを活かしたいと考えています。

家族の反応はどうでしたか?どんな協力を、どのように求めましたか?

「アメリカでの滞在期間に何か自分が成長できることをしたい」と最初に話したときから、大学院を修了するまで、夫はとても協力的でした。例えば、学習時間を確保するために子どもを保育園に預けることを賛成してくれたり、課題やグループワークの打ち合わせ、WEBでの対面授業などで夜の時間帯にパソコンに向き合わなければならないときには、代わりに子どもの寝かしつけをしてくれました。そのおかげでしっかりと学習時間を確保することができたので、とても感謝しています。

やっておいて良かったこと、やっておけば良かったことはありますか?

米国滞在中にMBAを取得するという目標を達成でき、嬉しく思っています。

学位を得たことは決してゴールではなく、これをどう活かしていくかが重要なので、そろそろ帰国して再就職したい、早く学んだことを活かしたいという気持ちもあります。

ですが、帰国する時は家族揃ってと考えているため、もうしばらく続くアメリカでの生活を満喫しよう、家族や友人との時間を大切にしながら自分の目指す姿に向かって有意義に過ごそう、と考えています。

ぜひ、駐在妻の皆さんに向けたアドバイスを!

大学などで勉強することに興味はあるけれど、時間や言語、費用などの点で現地の大学はハードルが高いと感じる方には、ぜひオンラインで学べる日本の大学や大学院を探してみることをお勧めします。

興味や価値観は人それぞれです。貴重な海外生活を後悔しないように、やりたいことをやりましょう!

▼駐在ファミリーカフェでは、各都市の生活情報と、フィリピンでMBA取得に挑戦した駐在妻の体験談も掲載しています。ぜひご覧ください!