シンガポールで自身の経験からコミュニティを立ち上げ、現地と日本に発信

シンガポール

駐在妻でありながら、住み込みヘルパーさんの雇用主向けコミュニティを立ち上げて活動している吉田麻里さん。活動への想いやその経緯についてお伺いしました。

自己紹介をお願いします

シンガポール在住の吉田麻里です。渡星して約4年半になります。こちらで2人の子どもを出産しました。

大学卒業後は、大手企業3社にて正社員として勤務していました。2014年に主人のシンガポール赴任のため休職して同行するも、赴任期間の延長や出産などもあって退職し、一度はキャリアを中断しました。
しかし、出産後しばらく経ってから「働きたい」という気持ちが湧き上がり、住み込みのヘルパーさん(メイドさん)を雇用して子どもを預け、パートタイムで就労しました。

そして2018年11月に、住み込みヘルパーさんの雇用主、あるいは雇用に興味があるシンガポール在住日本人向けのコミュニティ「&H [アンドエイチ]」を立ち上げました。

パートタイムの就労先はどのように決められたのですか?

主人の会社では駐在員の家族の就労が認められています。そこで、知り合いを介して就職先を決め、パートタイム勤務を始めました。
仕事の内容は、前職の経験を活かしたコンサルティング業務です。

「&H」の現在の活動内容を教えてください。

主にWEBサイトおよび承認制のFacebookグループを運営しています。また最近では、ヘルパーさん向けに日本の家庭料理を習得してもらうための料理教室の運営もスタートしました。

WEBサイトでは、シンガポールで住み込みの外国人ヘルパーさんと雇用主の双方が心地よく生活するための情報提供を、Facebookグループはシンガポールに住む駐在妻を中心としたメンバーのコミュニティとして運営しています。

ボランティアとして始めた「&H」ですが、現在は法人化し、私を含めた3名で運営しています。
Facebookグループの参加者(コミュニティメンバー)は、現在400名を超えています。

写真提供:&H

住み込みのヘルパーさんとはどのようなものなのでしょうか?ご自身も雇用されているのですか?

シンガポールでは、住み込みの外国人ヘルパーさんを雇用することができます。通いのヘルパーさんよりも安価で、朝や夜など子どもたちが自宅にいる一番忙しい時間帯に手伝ってもらえるというメリットがあります。一方で、雇用主の責任は軽くなく、日常生活でのトラブルもよく耳にします。

私自身は、2度の雇用を経験しています。

最初は、産後の母子のケアを専門とするヘルパーさん(産褥アマさん)を住み込みで雇ったのが始まりでした。他人、ましてや外国人と暮らすということに抵抗や不安はありましたが、いざ生活が始まってみると、産褥アマさんのおかげで不慣れな新生児のお世話を学ぶことができ、また産後の身体をしっかりと休めることができました。
産褥アマさんの雇用は期間限定でしたが、その後しばらくして自分のキャリアのための時間が欲しいと思い、再び住み込みヘルパーさんを雇用することに決めました。

シンガポールでは、乳児の預け先としてはチャイルドケア(保育園)という選択肢もあるのですが、園の数はさほど多くありません。1歳半になると預かってくれる幼稚園が増えるため、それまではヘルパーさんに子どもを見てもらうことにしました。
子どもが幼稚園に通い出してからも、二人目を妊娠し出産したこともあって、今も雇用を継続しています。

「&H」を立ち上げたきっかけや理由を教えてください。

コミュニティを立ち上げたきっかけは、子供が同じ学校に通っている友人たちとの話題からでした。その友人たちは全員がヘルパーさんを雇用しており、しばしばヘルパーさんに関して相談などをし合っていました。
そして私たちに限らず、ヘルパーさんを雇用している多くの方が「ヘルパーさんに関する情報があったらいいのに」「日本語での情報があったらいいのに」というニーズをもっていることをキャッチしました。
そこで、友人たちとコミュニティを運営してみることにしたんです。

コミュニティを立ち上げた理由は大きく2点あります。

まず1つ目は、ヘルパーさんに関する情報を正しく得られたり、交換できたりする場をつくることで、ヘルパーさんと雇用主が良好な関係を築く手助けになればと考えたからです。
前述した通り、シンガポール政府から課せられている雇用主の責務は軽くなく、トラブルも多数発生しています。そういったことから怖い噂が飛び交い、雇うことを躊躇される方もいます。
良い情報も悪い情報も深く正しく伝えることで、雇用主の心を軽くし、雇用のハードルを下げることができるのではないかと考えています。

2つ目は、私自身がヘルパーさんの存在に感銘を受けたからです。私の主人に限らず、シンガポールの駐在員は日本や近隣諸国などへの出張で自宅を留守にすることがよくあります。そのような家庭環境の中で、一緒に家事や子育てを行ってくれる人がそばにいてくれることはとても心強いと思いました。

写真提供:&H
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いせやん

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三重県生まれ。食品加工メーカーでの商品開発を経て、大学機関で人事・教育部門向けのコンサルティング営業として勤務。 2018年夫の海外赴任に伴い退職し、台湾に...

プロフィール

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