オーストリアでコロナ禍の生活中、0歳と2歳のお子さんを抱えながら、「今だからこそ」と前向きにドイツ語学習に取り組まれているC.Kさんへのインタビューです。
自己紹介をお願いします
C.Kです。現在子どもが2人います(2歳、0歳)。日本では英会話講師を5年務め、結婚後、第1子妊娠のため退職しました。夫がオーストリアで仕事をすることになったため、2019年6月から家族でウィーンに在住しています。私は専業主婦をしながら今はドイツ語を勉強中です。
幼いお子さんを抱え、コロナ禍でドイツ語学習を始めようとしたきっかけは何ですか?
オーストリアでの生活が1年経った頃、私は第2子をオーストリア・ウィーン市内の病院で出産しました。そこでドイツ語を喋れないことで、助産師さんとのコミュニケーションをうまくとることができませんでした。入院中は子どもの話をすることが多かったため、意思疎通ができないのは悔しかったし、もどかしかったです。それでドイツ語を勉強しようと思いました。
実は渡航前にもドイツ語は勉強していました。オーストリアでドイツ語でのコミュニケーションが必要になると思っていたため、話す・聞くに重点を置いた勉強をしていました。ただ、実際の生活では英語が通じることも多く、スーパーでの買い物は会話をせずに済ますこともできるため、あまり必要性を感じていませんでした。しかし、この出産時の経験をきっかけに、これからは子どもの保育園や病院でドイツ語が必要になる機会が増えるかもしれないと思い、今回は強い想いで勉強することを決めました。
苦労されている点、工夫されている点はどんなことですか?
子どもがまだ小さいので、家庭教師の先生を探していました。すると、コロナの影響でオンラインレッスンを開講する教室を見つけたので、パソコンを使って自宅で学ぶことにしました。
レッスンをはじめた頃は、その時間だけベビーシッターを雇って受講していましたが、外出禁止令が出たため、ついにシッターさんも来られなくなってしまいました。私は「子どもを見ながらレッスンを続けることは難しい、諦めよう」と思いましたが、ドイツ語のレッスンは私の楽しみの一つになっていたため、どうにか続けられる方法を考えるようにしました。先生に私の状況を説明し、レッスン中に急に参加できなくなる時もあると伝え、今は引き続きレッスンを受講することができています。
まだまだ勉強の途中ですが、とにかく隙間時間に教科書を眺めるようにしています。私は読み書きよりも会話ができるようになりたいので、教科書を声に出して読むことを心がけています。
この取組みに対してご家族の反応はどうでしたか?何か協力を求めることはされましたか?
夫にはレッスン日だけは仕事から早く帰ってきてもらうようにお願いしています。夫は仕事の内容によって在宅ワークができる状況ですが、幼い子がいる中で仕事に集中することが難しいため、出社しています。もちろん、夫が早く帰宅できない時もあるので、先生に状況を伝えて、時間を変えてレッスンしてもらう時もあります。
ベビーシッターを雇うことについても、現実問題としてお金がかかるため、控えたいです。しかし、シッターさんを呼ぶことで、下の子も家族以外の人と触れ合うことができます。コロナの影響で、産まれてから家族以外の人に会ったことがない下の子にとっては、少しの時間だけでもシッターさんからいろいろな刺激を受けられるのは、いいことなのではないかと感じています。
実際に取り組んでみての感想や今の心境は?また、この体験から得たものはありますか?
ゆっくりではありますが、今は簡単な買い物で使うぐらいのドイツ語は話せるようになりました。また、スーパーの品物に表記されている文字が理解できたときはうれしかったです。日常生活でわからなかったところは、レッスンで先生に聞いたりしています。今はコロナ禍で人と話す機会があまりないので、そういうことがドイツ語を勉強するモチベーションに繋がっていると思います。もうすぐドイツに引っ越す予定なので、そこでの日常生活を少しでもスムーズに送れることができたらと思っています。
今の目標は、電話での会話をドイツ語のみでできるようになることです。子どもがまだ小さいため、病院に電話で予約をしなければいけないことが多々あります。いつも、私の最初の一言は「英語を話せますか?」です。すると、話せるという人も、話せないという人もいますし、「頑張って話してみる」と言ってくれる人もいたりします。先日、なんとか単語を並べて、初めてドイツ語オンリーで息子の耳鼻科の予約を取ることに成功しました!ドイツに行くともっとそういった場面がたくさん出てくると思うので、なんとか日常会話ができる程度には話せるようになりたいと思っています。また、上の息子の保育園はドイツ語での教育なので、息子に負けずに頑張っています。
ぜひ、駐在妻の皆さんに向けたアドバイスを!
どの国の駐在妻さんたちも今は大変な時期だと思います。しかし私はピンチをチャンスと捉え、家にいる時間が多い今は、外に自由に出られるになった時のための準備期間と考え、ドイツ語の勉強を続けています。この記事を読んで、自分は一人ではないと思ってくださる駐在妻さんが少しでも増えることを願っています。