突然ですが、海外在住の皆さんに質問です!魚はお好きですか?
近年、日本人の魚離れが進んでいると言われていますが、日本のスーパーに行けばたくさんの新鮮な魚が並び、外食に行けばレストランで魚を使ったメニューをよく目にします。
一方、海外では日本と比べて売られている魚の種類が限られていたり、鮮度が微妙だったり、そもそも手に入りづらかったり……。
なかなか食べられないとなると、食べたくなるのが人情。
そんな状況にある海外在住の方々は、どのくらいの頻度で、そしてどのように食卓に魚を取り入れているのでしょうか?
この記事では、駐在ファミリーカフェ運営メンバーが調べた
・海外在住の皆さんの魚に関する食事情(アンケート結果)
・海外で魚を買えるお店
・海外でもできる魚料理(和食)のレシピ
をご紹介します。
海外在住の皆さんの魚に関する食事情:アンケート結果
2021年4月に駐在ファミリーカフェでは「海外在住の皆さん、魚食べてますか?」というテーマでInstagramLiveを開催!それに伴い、事前アンケートを実施しました。
その結果は下記の通りです。
Q1.魚を食べる頻度を教えてください。
「魚介類・魚料理に関するアンケート調査(第3回)(参照:MyVoice」)」を見ると日本在住者が魚介類の料理を食べる頻度として「週1回以上」と答えたのは約84%。
今回のアンケートでは、59%の方が週1回以上魚を食べているという結果になりました。
日本在住者と比べると頻度は低いものの、半数以上の方が魚を食卓に取り入れていることがわかりました♪
Q2.どんな魚が手に入りますか?(複数回答可)
<アンケート結果>
1位:鮭
2位:鯖(サバ)
3位:マグロ
4位:イワシ、タラ、謎の魚
5位:エビ、白身魚、タコ、イカ、サンマ
その他:ホタテ、鯛、赤魚、カレイ、お寿司etc
→鮭、鯖を合わせると全体の36%という結果に。
特にほとんどの方が鮭を挙げており、鮭は比較的どの国でも手に入れやすいとわかりました♪
国によって特徴は分かれるものの、色々な種類の魚が手に入る地域もあるようですね。
ただ回答の中には「手に入るけど冷凍のものが多い」、「新鮮ではない」、「脂が乗っていない」などの声も。品質については日本とは異なると感じている人も多いようです。
Q3.滞在国と魚の購入場所は?
●エリア別魚の購入場所
<ヨーロッパ>スーパー、IKEA、北海水産、マルシェ
<アジア>日系スーパー、市場や魚屋、デリバリー、地元のスーパー
<アメリカ>コストコ
→今回のアンケートでは、スーパーの冷凍コーナーを挙げる人が多かったです。
しかし、「スーパーだと種類が限られている」といった声も寄せられました。新鮮な魚が欲しい場合には、魚屋さんや市場を利用している方が多いようです。
※Instagramのアンケートでは、「滞在国と、どこでどんな魚を手に入れるか教えてください」と質問させていただきました。文字数の関係で、滞在国のみ、もしくは手に入る魚のみをお答えいただいた方もいたので、掲載の都合上、2つに分けて結果を発表させていただきます。
魚を買えるお店
海外在住者がよく魚を購入しているお店を紹介します。
●IKEA
スウェーデン発祥、世界最大の家具量販の複合企業。
ヨーロッパ・アジア・オセアニア・アメリカなど世界各地に出店。レストランやカフェが併設されている店舗や、主にスウェーデン直輸入のものを中心とした食材を扱う「スウェーディッシュ・フード・マーケット」という食材販売コーナーがあることも。
ここで手に入る魚介類は基本的に冷凍品で、鮭の切り身、スモークサーモン、小エビなど。冷蔵コーナーにある”KALLES KAVIAR”というたらこのチューブは、マヨネーズと少量のしょうゆと混ぜて、たらこパスタにする方も多いようです。
●COSTCO
アメリカ生まれの倉庫型店。
食品や日用品、家具などが売られています。アメリカ以外にも、カナダ、メキシコ、オーストラリア、韓国、台湾、イギリス、フランスなどに店舗があります。
冷凍の鮭やホタテ、冷蔵のエビやカニ、イワシの缶詰など、さまざまな魚介類が取り扱われています。ただし、さまざまな場所で店舗を展開しているため、冷蔵品の鮮度には地域差があるようです。
●北海水産
オランダにある水産加工品専門店。
新鮮で高品質の冷凍鮮魚・水産加工品を、ヨーロッパ全域に配送しています。販売価格はオランダ国内で75ユーロ、その他の国の場合は100ユーロ(※2022年3月現在の価格。配送料は重さ、国によって違うため、各自公式サイトよりご確認ください)。
鮭や鯖はもちろん、マグロ、スズキ、アジ、赤魚、ブリ、銀ダラ、季節によってはサンマも取り扱っています。加工方法は魚の開き、粕漬け、西京漬など、日本風で種類も豊富。さらにちくわやおでんセット、沖縄のもずく酢や辛子明太子まで!Webサイトに日本語があるのもうれしいポイントです♪
◇北海水産公式HP
●日系/アジア系スーパー
各国・地域ごとに品揃えに差があるものの、冷凍の白身魚や鯖、マグロ、タコ、イカなどが手に入ることが多いようです。冷凍の刺身(マグロ、鯛、エビ、タコ)などを扱う店舗もあります。
●ロシア系スーパー
以前、ネット上で話題になった明太子の缶詰や、いくらの瓶詰めを扱っていることが多いです。
この他に、滞在国の魚屋さんを利用している人も多いようでした。
顔なじみになると魚屋さんから「今日はマグロが入っているよ!」「これは刺身にできるよ!」なんて、おすすめされることもあるそうです♪
日々の調理のヒントー海外でもできる魚料理(和食)のレシピ
海外での魚料理(調理)の話題になると、
「日本で買う魚とは売られ方が違うため、どう調理していいかわからない」
「日本だと干物や切り身を焼くだけだったから、あまり魚料理のレパートリーが思いつかない」
という声をよく聞きます。
ここでは魚の処理のポイントや、実際に運営メンバーが海外で実践している魚を使った和食のレシピをご紹介します。
●魚のくさみの処理
以前、駐妻のオンラインカフェ「世界中どこにいても今日から使える!料理が楽しくなる調理テクニック&献立作りのコツ」を開催しました。
その時、参加者の方から「魚のくさみを取るにはどうすればいいですか?」という質問が寄せられ、ゲスト講師の方から魚の下処理のポイントを教えていただきました!
ゲスト講師を努めてくださった元・ドイツ駐在妻で、現在は料理人としてお仕事をしているアンナさんです。
ポイントは以下の3点です。
●魚のくさみの処理のポイント●
- 生姜やネギと一緒に調理する
:香味野菜を使用する代表的な方法。煮たり焼いたりする時に使えます。 - 梅干しと和える(練り梅でもOK)、甘酢で味付け
:酸味は臭みを消すのに効果的。イワシの梅煮や鮭の南蛮漬けなど。 - 味噌煮にする
:味噌のコロイド粒子により、くさみを感じにくくなります。鯖の味噌煮など。
この他、運営メンバーが行っている方法としては
- 水で血をよく洗い流す
- 塩や酒を振ってしばらく置き、水気を切る
などが挙げられました。
●海外で作る魚料理レシピ
実際に和食が恋しくなった海外在住者が作る魚料理を、ご紹介します。
1)塩鮭
鮭の切り身は売っているけど、塩鮭という商品はなかなか売っていませんよね。
しかし、塩鮭は意外と簡単に作れて、食卓に出すと一気に和食らしくなるのでおすすめです!
《塩鮭の作り方》
- 鮭の切り身を用意し、流水でしっかりと表面のぬめりを洗い流す(※生臭さが少ない新鮮な鮭の場合には、この行程は飛ばしてもOK)。
- 全体に軽く塩をまぶし、30分程度置く。その後、出てきた水分と表面の塩を拭き取る。
- 重量の5〜8%程度の塩を測り、全体に塗り込み、ラップなどでしっかりと包む(※鮭の切り身4切れの場合、大さじ1程度の塩を使用)。最低でも一晩、できれば24時間以上置く。
- 焼く前には鮭の表面の水分を拭き取り、グリルまたはフライパンで焼く。
※冷蔵庫に一晩入れた後、冷凍することも可能。冷蔵保存する場合には、4〜5日以内に食べきる。冷蔵庫に長く置く場合、水が出てくるので適宜拭き取る。
2)西京焼き
日本にいた時には、すでに魚に味がついた状態で売られ、家で焼くだけだった西京焼き。日本だと銀ダラやサワラを使うことが多いですが、海外で手に入れやすい鯖や鮭とも、とても相性がいいんです♪
《西京焼きの作り方》
- 魚の切り身に塩をまんべんなく振り、30分以上置く。
出てきた水分と表面の塩をしっかり拭き取る。 - 味噌 50〜100g、酒大さじ1・醤油大さじ1・みりん大さじ2・砂糖小さじ1をタッパーかポリ袋に入れてしっかり混ぜる。
- 2に1を入れる。魚が重なり合わないように気をつけ、全体に味噌を広げる。
- 冷蔵庫に入れ、一晩以上寝かせ、味を染み込ませる。
- 焼く時は表面の味噌をしっかりとって、中火で焼く。焦げやすいので注意が必要。
※冷蔵庫に一晩入れた後、冷凍することも可能。冷蔵保存する場合は、4〜5日以内に食べきる。
3)いくらのしょうゆ漬け
ロシアスーパーなどでは、瓶詰めのいくらが売られています。
しかし、それらは基本的に塩漬けのいくらなので、そのまましょうゆ漬けにすると味が濃くなりすぎてしまいます。しょうゆ漬けにするためには、塩抜きをして味付けをし直す必要があります。
《いくらのしょうゆ漬けの作り方》
- 塩分を抜くために軽く水洗いをし、その後30分程度水に漬ける。
- いくらをざるにあげ、5分程度水切りをする。
- いくら200gに対して、しょうゆ大さじ1.5・みりん大さじ2・酒大さじ2を合わせた調味液を作り、そこにいくらを入れる。
- 半日以上漬けたら完成。
※冷蔵庫で4〜5日程度保存可能。冷凍する場合、2ヶ月以内に食べきる。
4)さつま揚げ
アンケートにあった”謎の魚”は、おそらくメルルーサというタラ科の魚かと思われます。謎の魚以外にも、スーパーの冷凍コーナーで白身魚の切り身が売られていることも多いです。ただ、海外の白身魚は独特の匂いがあり、日本人は食べにくいと感じることもあるとか。
そんな時におすすめなのが、このさつま揚げのレシピです。
《さつま揚げのレシピ》
●作りやすい分量
・白身魚:300g
・しょうが:小さじ1(すりおろして使用)
・醤油:小さじ1
・塩:2つまみ
・卵白:1個分
・みりん:小さじ2
・片栗粉:小さじ2
※好みでごぼうやにんじん、枝豆などを加えてもOK。
●作り方
- 白身魚をミンチにする(フードプロセッサーなどを使うと便利)。
- 魚以外の材料をしっかりと合わせ、魚とも混ぜ合わせる。
- 中火で油を熱し、平たく成形したタネを片面3〜4分程度揚げる。このとき、膨らみやすいので注意する。
※粗熱をとったらラップに包んで冷凍庫で1ヶ月程度の保存が可能。冷蔵庫で保存する場合は、2、3日以内に食べきる。
今回、ここで紹介したレシピはすべて冷凍保存が可能です。
毎日作るのは大変ですが、時間があるときに作っておくと、忙しいときや体調が悪いときに役立つかもしれません♪
まとめ
海外で生活をしていると、日本にいるときよりも魚料理を食べる機会は減ってしまうようです。
食べられない状況にいると余計に食べたくなるのか、筆者自身も時々むしょうに魚が食べたくなります(日本ではそんなことなかったのに……)!
アンケート結果を振り返ってみると、そんな思いを抱えている人が他にもいるように感じました。
今回の記事で、それぞれの国で魚を買える場所を一部だけ紹介しましたが、地域によって差があるのだろうと感じます。
それでも、手に入れやすい鮭や鯖などを利用することで、少しでも皆さんの食卓が豊かになることを願っています♪
今回の記事で紹介した情報がお役に立てればうれしいです。
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