「チャンスは自らつかみにいく!」アメリカでのコミュニティカレッジ進学・ボランティアへの挑戦から得られたものとは(前編)

3年半という短い期間で、コミュニティカレッジへの進学、英語・日本語講座やNPOでのボランティア活動をされてきたシカゴ在住さん。今回は、未経験の分野であっても興味を持ったことに積極的に取り組むシカゴ在住さんの挑戦を前編・後編に分けてお伝えします。前編では、コミュニティカレッジで学んだ内容についてお話いただきました。

▶駐在妻のライフキャリアとは

▶用語集
駐在ファミリーカフェでよく使う言葉を分かりやすくまとめています。

自己紹介をお願いします

はじめまして、シカゴ在住と申します!2018年冬より夫の転勤に伴い、アメリカのイリノイ州シカゴ郊外に住んでいます。

日本では医療機器メーカーで営業や外資系コンサルティング会社で秘書などを経験し、同行直前は以前から興味のあった通訳学校に通っていました。

渡米後は、ESLへ通学したり、コミュニティカレッジ(※1)にて複数の資格を取得しました。

現在は、2つのボランティア団体に所属しています。1つ目の団体では日本語meetup(※2)の企画・司会進行、もう1つの団体では人事関連業務をしています。ボランティア内容は多岐に渡るため日々勉強ですが、家にいながらパソコン1つでできる活動なので、カレッジの勉強と両立しながら実務経験を積めるところが気に入っています。

(※1)コミュニティカレッジ:アメリカの大学の1つで公立の二年制大学。地域住民が「望めばだれでも学べる」というポリシーのもと大学教育や職業訓練を提供する。

<コミュニティカレッジのコース>

コミュニティカレッジによって内容はさまざまだが、以下が代表的。

①4年制大学への編入を目指すコース

②2年間勉強し、準学士号(Associate Degree)が取れるコース(以下、カレッジコース)

③数ヶ月から1年くらいの短期間で修了証明(Certificate)が取れるコース(以下、資格コース)

④ESL(留学生などがコミュニティカレッジへの進学に向けて受講することが可能)

(※2)日本語meetup :インターネット上で日本語に興味のある人向けに告知を行い、参加者が集まる交流会や講義の場。

ESLの受講~図書館からコミュニティカレッジへのステップアップ~

―コミュニティカレッジのESLを受講した経緯はどういったものでしたか?

渡米後は何も情報がなく、とりあえず近くの図書館で開催されていたESLへ参加しましたが、内容は日常会話中心で、講師もプロではありませんでした。一方でコミュニティカレッジのESLでは、専門教育を受けた教授がエッセイや論文の書き方を教えてくれるため、英語を学問としてしっかり学ぶにはより適当だと感じました。また、図書館でのESL受講時テストで高い点数を取得したので、講師からコミュニティカレッジをおすすめされました。

上記の理由から、渡米して半年後にはコミュニティカレッジのESLへ通いはじめました。そして、ESL卒業後はコミュニティカレッジの資格コースの受講を目指すことにしました。

コミュニティカレッジで受講したコース①~TESOLとHumanResourceManagemanetの資格~

コミュニティカレッジでは、最初に資格コースのTESOLとHumanResourceManagemanet(人材マネジメント。以下、HRM)のコースを受講しました。

TESOLはどんなコースですか?

この資格は1年間で取得できるもので、英語を母語としない人に英語を教えるメソッド(英語教授法)を学べるコースです。授業の組み立て方、英語教材の使い方など、英語を教えるために必要な知識・技術を具体的に学ぶことができます。

TESOLを選んだ理由は何ですか?

TESOLの担当講師が、私が受けていたESLの先生でもあり安心できたこと、私自身の英語力の向上にもつながり、帰国後に英語を教える仕事につける可能性がひろがると思ったからです。

どういった受講スタイルでしたか?

新型コロナウイルスの影響により、コースの途中からはオンラインクラスに切り替わりました。そのため、地域外から受講している方もいましたし、最近はオンラインのみでも修了できます。

日本人でESLの次の段階を模索している方に、この資格はとてもおすすめです。限られたコミュニティカレッジでしか提供していないコースのようなので、興味がある方は事前に調べることをおすすめします。

HRMはどんなコースですか?

TESOL習得後は、以前から興味のあったHRMの資格コースに進みました。

HRM資格コースは1年で修了するコースで、取得後は履歴書に資格として記載でき、人事関連業務のアシスタントなどの仕事に就くことができるようになります。

あえて資格コースにしたのはなぜですか?

HRM分野では私の受講した資格コースの他に、準学士号が取れるカレッジコースもありましたが、取得には2年かかります。

いつ本帰国になるか分からないため、できる限り早く目的のクラスを修了し、今後の仕事に役立つ知識を習得したいと思い、資格コースの受講をすることにしました。

コミュニティカレッジで受講したコース②~HumanResourceManagemanetの準学士号~

どうして準学士号の取れるコースに進まれたのですか?

当初、HRM資格コース修了後は、準学士号が取れるカレッジコースに進む予定はありませんでした。

既に日本の大学を卒業していて学士が必要なかったことと、残り約1年で本帰国の予定があり、カレッジコースの修了は費用的にも時間的にも非現実的であったためです。

しかし、コミュニティカレッジから奨学金をいただくことができ、これも運命かと思い、HRMの準学士号の取得を目指すことにしました。

奨学金の受給はハードルが高そうですが、支給条件はどういったものでしたか?

奨学金の支給条件として、カレッジコースを4クラス以上受講し、FullTimeStudent(※3)と認定される必要があります。

カレッジコースは、約半分以上のクラスがHRM資格コースで既に履修済だったため、私は残りの未履修のクラスを取得すれば卒業できました。春学期はマーケティングなどの4つのクラスを受講し、無事取得しました。ボランティア活動や家事との両立は大変でしたが、すべてオンラインで履修できたので、修了することができました。

カレッジコースで得られたものはありますか?

カレッジコースはプロジェクト(例:架空の企業のSNSサイト作成)やリサーチペーパー、スピーチ作成と発表(動画投稿)など、英語がネイティブの生徒と一緒にいろいろな課題に取り組みます。大変ですがとてもやりがいがあり、これらのクラスを通して英語力やアメリカで生活する自信が飛躍的に向上したと思っています。

(※3)FulltimeStudent:アメリカで用いられる学生の区分で「学生を本業としている」正規の学生。留学生の場合、FulltimeStudentとして学生ビザの発給を受けることができる。

―後編では、コミュニティカレッジの受講と並行して取り組まれたボランティア活動についてお話いただきます。

<前編終わり>

後編はこちら

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