第三言語を習得しても、帰国後の自分のキャリアにはならない…!?イタリア語を勉強して、現地交流を楽しんでいるイタリア在住でこしゃんさんへのインタビューです。
自己紹介をお願いします
でこしゃんです。イタリアの小さな田舎町に住んで3年4か月になります。
結婚前は国際協力の仕事に従事し、1年半ほど東南アジア2か国に住んでいました。結婚後は夫の転勤に伴って、教育現場に2年、NPOで子育て支援施設の立ち上げ、運営などに携わっていました。
現在、5歳の子どもは現地の幼稚園に通って4年目。イタリア人の子どもたちに揉まれながら楽しく頑張っています。
私自身は滞在2か月目から通い始めたイタリア語学校で勉強を続けながら、絵本の翻訳コンクールにチャレンジしたり、イタリア語の検定試験を受けたり、料理専門学校でアマチュアコースを受講したりしています。
また、アパートの住人全員で食事会をしたり、個別に食事を共にしたり、一緒に出掛けたりするなど、同じアパートの友人にも恵まれ交流を深めています。
夫婦共通の趣味が旅行なので、国内は北イタリアからシチリアまで旅行で各地を回りました。また、イタリア人だけでなく、移住してきたフィンランド人などとの交流も楽しんでいます。
イタリアで現地の人と交流するまでの経緯を教えてください
もともと国際協力の仕事をしていて、イギリス・ラオス・カンボジアなど外国に住んだ経験があったので、せっかくイタリアに住むのならイタリア人のことを知りたいし仲良くなりたいという思いがありました。
また、娘は現地校に通っているので、幼稚園の先生や保護者とのコミュニケーションの上でも、イタリア語は不可欠です。
更に、娘は町で唯一の日本人の子どもなので、友だちと遊ぶ機会を大切にしようすると、必然的にイタリア人とのお付き合いは欠かせないという面もありました。
現地の人と交流するためにどんな努力・取り組みをされましたか?
とにかく一年目はイタリア語の勉強に真面目に取り組みました。イタリア語の学校で、1回1時間、週に2回のプライベートのレッスンを受けました。宿題がとても多く大変でしたが、語学が好きなこともあり寸暇を惜しんで勉強していました。
また、誘われた場にはよほどの理由がない限り、参加するようしました。直接話すことで「もっと話せるようになりたい」という動機も保つことができたし、一緒に食べたり飲んだりする場を持つことでぐんと仲良くなれます。そして、食事に招待してもらったら、次は私が招待して日本食を食べてもらい、お互いの家を行き来することで距離が縮んだように思います。また「楽しかった」「嬉しかった」「ありがとう」という気持ちは日本語で話している時より大げさに伝えるようにしました。
その努力や取り組みをする上で、迷いや不安はありませんでしたか?
以前、「英語ならともかく、〇〇語なんて、帰国後役に立つのかなぁって、つい考えちゃうんです。」と胸の内を話して下さった駐在妻さんがいらっしゃいました。たしかにマイナー言語では「あるある!」な悩みですよね。
でも、3年経った今、「あの時の努力は無駄じゃなかったなぁ。」と心から思います。帰国後、役に立つかどうかは正直なところ分かりません。でも、あの時の頑張りが「今の自分と家族の幸せ」を支えてくれていることは間違いないと思っています。