海外で出産しました【イギリス・ロンドン】

ロンドンと日本との出産で、違いはありましたか?

無痛分娩が当たり前であること、痛みを緩和する方法が多様にあることです。たとえば、TENSと呼ばれる電気刺激による痛みの軽減や水中出産、日本ではあまり使われないモルヒネなどの強い注射を出産時に打つなどの方法があります。

出産直後の沐浴はありませんでした。イギリスは毎日お風呂に入る文化ではないからかもしれません。
入院期間が短く、日帰りや1泊2日の入院が当たり前です。プライベート病院でも2泊3日でした。帝王切開の場合は4泊5日となるようです。

また、日本では生後1カ月までは外出を控えるように指導されますが、こちらでは体内でビタミンDを生成させる目的から、積極的に外に出るよう指導を受けました。

出産前後にご主人以外からのサポートを受けましたか?

お手伝いさんなどはお願いせず、夫と2人で乗り切りました。夫が出産日を含めて1週間の休みを取得してくれたので、私は産後の体力回復に努めました。日本から実母や義理の母に来てもらうことも考えましたが、わが家は他人を泊めるスペースがないことや、双方ともに海外生活に慣れていないこと、金銭面で大きな出費がかさむこと(飛行機代やホテル代)を理由に、夫と乗り切ることに決めました。

海外での出産費用は日本より高いと聞きますが、実際はいかがでしたか?

プライベート病院を利用する場合は、妊娠検査から出産までトータルで200~300万円ほどかかります。幸い、夫の会社が全額をカバーしてくれたため、自己負担なしでプライベート病院を利用できました。出産にかかる費用は会社によって「全額補助」「自己負担○割」「全額自己負担」などの条件が異なるようなので、事前に確認することをお勧めします。
NHSを利用する場合は、健診から出産費用までお金はかかりません。医療の質に差はないと言われていますが、プライベート病院に比べるとサービスが雑になるようです。

必要なものはどのように揃えましたか? 日本で調達した方がいいものは?

ベッドやベビーカーなどの大きなもの、オムツや粉ミルクなどの消耗品は現地で調達し、一部の用品は、質が良く使いやすい観点から日本で調達しました。妊娠中に必要なものは郵送してもらい、ベビー用品は両親が出産直前に旅行に来た際に持ってきてもらいました。

<日本で調達したもの>
・マタニティ服や下着→日本人に合うサイズがなかなか手に入らないため。
・前開きの肌着→イギリスでは上から被せるタイプが一般的です。
・ガーゼ→日本製は質が良く、沐浴や吐き戻しなどに使えます。
・赤ちゃん用爪切り→日本製の方が小さくて切りやすいです。
・赤ちゃん用綿棒→日本製の方が細くて使いやすいです。
・哺乳瓶、哺乳瓶消毒剤→日本人の口のサイズに合っているため。

困ったことはありましたか? また、そのようなときに相談できるところはありますか?

産後に乳腺炎になりましたが、すぐに日系病院を受診して、授乳の仕方や薬を処方してもらい、2、3日で改善しました。
私は英語が得意でないため日系病院にお世話になりましが、ミッドワイフやヘルシービジターと呼ばれる助産師さんに相談することもできます。産後、赤ちゃんやお母さんの様子をチェックしに定期的に自宅に来てくれるため、その際に相談することができます。
その他にも、チルドレンセンター(日本の子育て支援センターのような場所)やGP(ジェネラル・プラクティショナーの略。かかりつけ医のこと)など、相談できる環境はたくさんあります。

これからロンドンで出産を迎える方にメッセージをお願いします!

プライベート病院かNHSを利用するかでサービスのレベルは異なりますが、双方ともに医療設備はしっかりしています。相談できる環境も整っているので、イギリスは安心して出産に臨むことができる国だと思います。
また、地下鉄やバスなどの公共機関においては、妊婦や赤ちゃん連れのお母さんに席を譲ってくれる、ベビーカーを運ぶのを手伝ってくれるなど親切な人が多く、子育てがしやすい印象です。

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