韓国・巨済島(コジェ島)での駐在妻生活から本帰国が決定し、現地からすぐに再就職に向けて保活や就職活動を開始されたNanaさん。後編では、本帰国直前の妊娠判明後、諦めずに続けたNanaさんの就職戦線についてお伝えします。
(前編は▶帰国後インタビュー vol.5 前編よりご覧ください)
本帰国直前に妊娠判明!それでも働き始めることを選んだ訳
-本帰国前の就活中に妊娠が判明!それでも就職活動を進めようと思われたのはなぜでしょう?
妊娠が分かった時は嬉しい反面、「どうしよう、再就職は難しいかも」という思いもよぎりました。最初は夫も、「出産して1年くらいはゆっくりしたらいいんじゃない?」と言っていました。一方で、すでに保育園事情をいろいろと調べていたので、保活の厳しい実態もわかっていました。もし専業主婦のまま出産した場合、第2子を保育園に入園させるまで出産後3年くらいは働けないのではないかと。保育園の0歳児枠は本当に少ないですし、1歳児枠に入れるのもとても大変です。また、第1子の時に育児の面で保育園の先生にとても助けられたこともあり、早くから保育園に入れるのは良いことだと思っていました。妊娠中でも就職を決めた方の話を聞いたことがありましたし、「出産してからよりも出産前の方が動けるのではないか、どこまで需要があるかわからないけれど、とりあえずやってみよう、正社員からフリーランスまで、雇用形態にはこだわらずに探してみよう」と思いました。
そしてオファーをいただいていた企業に対し、「私も興味があります。ただ、妊娠しています。予定日はいつ頃で、その前後はお休みをいただくことになります。」という点を正直に伝えました。そしてやはり「即戦力を探していて難しい」という反応を示す企業ももちろんありました。一方、「それでもいいですよ」と言ってくださる企業も複数社あったのです。自分でも衝撃的でした。「時代は変わってきている、妊娠出産も含め、働く女性への理解が進んできている」と感じました。
ストッパーをかけているのは自分自身
―妊娠中で、入社後数か月で産休・育休に入ることが前提でも複数社からオファーがあったというのは素晴らしいですね!
状況として、人材不足で私たち求職者が有利な売り手市場というのもあると思います。妥協せずに、はっきりと自分の希望を伝えてみるべきだと思いました。「ブランクがあるから」「妊娠しているから」とストッパーをかけているのは自分自身で、「大丈夫だよ」と言ってくれる人は意外といるのだとわかりました。
オファーをいただいた中で自分が興味をもった企業が7社ありましたが、最終的にはそのうち4社とオンライン面談に進みました。オンライン面談では、会社の説明を受けたうえで、企業側は自分のどこに魅かれているのか、また自分はその会社のどこに興味があるのか、といったことを話しました。そこまでは、すべて本帰国前に韓国で済ませました。
企業規模にこだわらず、働き方を優先
-オファーをくれた企業の業態や規模はどのような感じでしたか?
自分の経歴を見てオファーをくださるので、業種としてはマーケティングが多かったのですが、それ以外に営業事務などの職種もありました。
企業規模は大小まちまちでしたが、在宅などの勤務条件を優先していたので、比較的スタートアップ企業が多かったです。働き方を優先していたので、企業規模は自分の中では気にしていませんでした。創業10年程度で、これから第2の成長ステージを迎えるような会社が、今の自分にフィットしていたようです。
―育休は一定期間勤続していないと取得できない企業が多いようですが、柔軟な対応をしてくださる企業もあるのですね。
そうですね。若手の社長さんで、身近で奥様が苦労していた実例から子育てに理解があり、子育て世帯向けに独自の福利厚生を設けている会社もありました。
本帰国から内定獲得まで、勝負の3週間
-保育園のリストアップ、数社とのオンライン面談を済ませたうえで、いよいよ本帰国されました。帰国後はどのように動かれたのでしょうか?
まずは保育園の見学と、オンライン面談をして感触が良かった会社との面接スケジュールの調整をしました。帰国後、運よく夫が3週間のリフレッシュ休暇が取れたので、そのうち最初の1~2週間を自分の勝負期間と決めて集中的に動きました。お互いの実家が遠方で親の手も借りられないため、その期間に夫に子どもを見てもらうことができたのは助かりました。
保育園は夫も一緒に見学に行き、条件面、通園の手段などを調べて最終的に2カ所に絞りました。入社する会社によって出退勤の時間が異なってくるので、保育園の最終的な決定は会社が決まってからと考えていました。
候補としていたすべての会社で最終面接を受け、そのうち複数社から正社員としての内定をいただきました。最終的にはやはり自分のこれまでのキャリアに近い、マーケティングの仕事ができる会社を選びました。
-面接の時に特に聞かれた質問や、気になった部分はありましたか?
事前のオンライン面談ですでに希望の働き方などは細かく聞かれていたので、面接では自己PR、志望動機、職務経歴や希望年収など、いわゆる一般的な質問がほとんどでした。あとは雑談として滞在中に取り組んでいたことなども聞かれました。
また最終面接では保育園のお迎えの時間との兼ね合いから、勤務時間なども交渉しました。そして最終的に会社が決まった段階で、保育園も決定しました。