【帰国後インタビュー vol.5 後編】就活中に妊娠判明…本帰国から内定獲得まで勝負の3週間 ~駐在妻の保活・就活リアルレポート~

韓国・巨済島(コジェ島)での駐在妻生活から本帰国が決定し、現地からすぐに再就職に向けて保活や就職活動を開始されたNanaさん。後編では、本帰国直前の妊娠判明後、諦めずに続けたNanaさんの就職戦線についてお伝えします。

(前編は▶帰国後インタビュー vol.5 前編よりご覧ください)

本帰国直前に妊娠判明!それでも働き始めることを選んだ訳

── 本帰国前の就活中に妊娠が判明!それでも就職活動を進めようと思われたのはなぜでしょう?

妊娠が分かった時は嬉しい反面、「どうしよう、再就職は難しいかも」という思いもよぎりました。最初は夫も、「出産して1年くらいはゆっくりしたらいいんじゃない?」と言っていました。一方で、すでに保育園事情をいろいろと調べていたので、保活の厳しい実態もわかっていました。もし専業主婦のまま出産した場合、第2子を保育園に入園させるまで出産後3年くらいは働けないのではないかと。保育園の0歳児枠は本当に少ないですし、1歳児枠に入れるのもとても大変です。また、第1子の時に育児の面で保育園の先生にとても助けられたこともあり、早くから保育園に入れるのは良いことだと思っていました。妊娠中でも就職を決めた方の話を聞いたことがありましたし、「出産してからよりも出産前の方が動けるのではないか、どこまで需要があるかわからないけれど、とりあえずやってみよう、正社員からフリーランスまで、雇用形態にはこだわらずに探してみよう」と思いました。

そしてオファーをいただいていた企業に対し、「私も興味があります。ただ、妊娠しています。予定日はいつ頃で、その前後はお休みをいただくことになります。」という点を正直に伝えました。そしてやはり「即戦力を探していて難しい」という反応を示す企業ももちろんありました。一方、「それでもいいですよ」と言ってくださる企業も複数社あったのです。自分でも衝撃的でした。「時代は変わってきている、妊娠出産も含め、働く女性への理解が進んできている」と感じました。

ストッパーをかけているのは自分自身

── 妊娠中で、入社後数か月で産休・育休に入ることが前提でも複数社からオファーがあったというのは素晴らしいですね!

状況として、人材不足で私たち求職者が有利な売り手市場というのもあると思います。妥協せずに、はっきりと自分の希望を伝えてみるべきだと思いました。「ブランクがあるから」「妊娠しているから」とストッパーをかけているのは自分自身で、「大丈夫だよ」と言ってくれる人は意外といるのだとわかりました。

オファーをいただいた中で自分が興味をもった企業が7社ありましたが、最終的にはそのうち4社とオンライン面談に進みました。オンライン面談では、会社の説明を受けたうえで、企業側は自分のどこに魅かれているのか、また自分はその会社のどこに興味があるのか、といったことを話しました。そこまでは、すべて本帰国前に韓国で済ませました。

企業規模にこだわらず、働き方を優先 

── オファーをくれた企業の業態や規模はどのような感じでしたか?

自分の経歴を見てオファーをくださるので、業種としてはマーケティングが多かったのですが、それ以外に営業事務などの職種もありました。

企業規模は大小まちまちでしたが、在宅などの勤務条件を優先していたので、比較的スタートアップ企業が多かったです。働き方を優先していたので、企業規模は自分の中では気にしていませんでした。創業10年程度で、これから第2の成長ステージを迎えるような会社が、今の自分にフィットしていたようです。

── 育休は一定期間勤続していないと取得できない企業が多いようですが、柔軟な対応をしてくださる企業もあるのですね。

そうですね。若手の社長さんで、身近で奥様が苦労していた実例から子育てに理解があり、子育て世帯向けに独自の福利厚生を設けている会社もありました。

本帰国から内定獲得まで、勝負の3週間

── 保育園のリストアップ、数社とのオンライン面談を済ませたうえで、いよいよ本帰国されました。帰国後はどのように動かれたのでしょうか?

まずは保育園の見学と、オンライン面談をして感触が良かった会社との面接スケジュールの調整をしました。帰国後、運よく夫が3週間のリフレッシュ休暇が取れたので、そのうち最初の1~2週間を自分の勝負期間と決めて集中的に動きました。お互いの実家が遠方で親の手も借りられないため、その期間に夫に子どもを見てもらうことができたのは助かりました。

保育園は夫も一緒に見学に行き、条件面、通園の手段などを調べて最終的に2カ所に絞りました。入社する会社によって出退勤の時間が異なってくるので、保育園の最終的な決定は会社が決まってからと考えていました。

候補としていたすべての会社で最終面接を受け、そのうち複数社から正社員としての内定をいただきました。最終的にはやはり自分のこれまでのキャリアに近い、マーケティングの仕事ができる会社を選びました。

── 面接の時に特に聞かれた質問や、気になった部分はありましたか?

事前のオンライン面談ですでに希望の働き方などは細かく聞かれていたので、面接では自己PR、志望動機、職務経歴や希望年収など、いわゆる一般的な質問がほとんどでした。あとは雑談として滞在中に取り組んでいたことなども聞かれました。

また最終面接では保育園のお迎えの時間との兼ね合いから、勤務時間なども交渉しました。そして最終的に会社が決まった段階で、保育園も決定しました。

── 今後の働き方はどのようになる予定ですか?

会社の規定勤務時間は10~19時なのですが、保育園の送迎時間との兼ね合いで10~17時までの時短勤務を開始する予定です。産休までは基本的にオフィス勤務で、育休明けからは労働裁量性での働き方に移行できればと思っています。そうすれば場所や時間を問わず働くことができるので、産後は基本的に在宅勤務を考えています。

これまで産休や時短勤務の前例はないそうですが、「今後の制度作りのためにもとりあえずやってみよう、お互い試行錯誤していこう」という試みでもあります。社長にも同じ年頃のお子さんがいらっしゃって子育てへの理解があり、残業は減らそうという意欲があるようです。

また私の上司になる方が、「最終的にはチームをプロフェッショナル集団として、オールリモートでプロジェクトを進めていきたい」という思いを持っていらっしゃって。個人の裁量が大きい中で、自分で時間をマネージメントできる、自分はそのような方たちと一緒に仕事をしていきたいと思いました。

── もしまたご主人が転勤になった場合、お仕事はどうされますか?

夫が転勤になる可能性を含めて、在宅で時間や場所を問わず働き続けたいということは会社に伝えています。社内ではすでに在宅で働いている方や、退職者がフリーランスとして在宅で働いている実績などもあるようです。海外の場合はビザなどの問題もあるかと思いますが、それらをクリアしたうえで仕事を続けていこうと考えています。

── 転勤族の妻にとっては、在宅でも正社員としての待遇で仕事ができるというのはとても大きな希望になりますね。

駐在妻生活そのものがスキルに繋がっている 自信を持ってPRすべき

── 今回の就活・保活を振り返って、キャリアに悩む駐在妻の皆さんへのアドバイスをお願いします。

今回の活動を振り返ってみて良かったと思う点は、企業に応募する前の段階で自己分析をしっかり行ったことです。実は自分と向き合う時間ってなかなか持てていなかったりしますよね。ふとした時に自分の気持ちを吐き出したり、思いついたことをメモしたりしておくと、いざ履歴書や職務経歴をまとめなくてはいけない時のネタ帳として、非常に足しになります。まずは自分が何を譲れないかを明確にし、職務経歴書をベストな状態にしておく。そしてそれをちゃんと人に話せるようにしておくと自分に自信が持てますし、相手も自分のことを理解してくれると思います。

今の時代は、マルチスキルでフレキシブルという点が求められていると思います。駐在妻の皆さんは海外生活でのさまざまな経験を通して、多様性を認められる柔軟性や、困難を乗り越えられる力が培われていると思います。仕事以外でも、海外で生活していること自体がマルチスキルに繋がっているので、自分には誇れるスキルがないと思わずに、駐在妻生活でどういうことをしてきたか、どういう人と関わってきたか、再就職活動で自信を持ってPRできると思います。

年齢やブランクは自分が思っているほど関係なく、結局は自分の中で作り上げているハードルなのだと思います。今のタイミングで自分がどれだけ会社に貢献できるかが見られています。若い会社は従業員の年齢層も若めだったりするので、逆に落ち着いた、社会経験のある上の年齢層の人材が欲しいと考えている企業も多いです。間口を広げてみれば、今の自分にマッチする企業にきっと出会えるはずです。

私の場合は帰国と妊娠、再就職が重なり、本帰国後すぐにスタートダッシュをかける形になりましたが、人それぞれのタイミングや自分に合うやり方があると思います。それぞれ自分のペースで進めていければ良いのではないでしょうか。


<インタビュー後記>

Nanaさんのしなやかな強さ、潔さは、「自分がどう生きたいのか」と自分にしっかりと向き合って軸を明確にしているからこそ得られるものだと感じました。配偶者の転勤、年齢、ブランク、子育て…と、私たちがキャリアを築いていくにはたくさんのハードルがあるように感じてしまいますが、時代は変わってきているようです。何事も「ストッパーをかけているのは自分自身」。まずは自分に向き合うことから始めてみたいと思いました。