ベトナム・ホーチミンでお子さんが日系幼稚園・日本人学校に通った、S.Y.さんへのインタビューです。学校の選び方、通わせてみてよかったことなどについてお聞きしました。
自己紹介をお願いします。
S.Y.です。ベトナムのホーチミンに2018年から2020年まで約2年滞在しました。
お子さまはどのような幼稚園・小学校に通っていましたか?
長女:2018年にホーチミン日本人学校の3年生に編入し、約2年通いました。
次女:2018年に日系幼稚園に入園し、約2年通いました。ホーチミン日本人学校に入学しましたが、2020年4月に新型コロナウイルス流行の影響で緊急一時帰国し、そのまま本帰国となったため一度も通うことなく退学しました。
その選択をされた理由をお聞かせください。また、いつ頃から考え始めましたか?
長女:夫が小学校から中学校までアメリカで過ごし、「子どもの時に英語のシャワーを浴びることが大事」と考えていたため、駐在が決まった時からインターナショナルスクール(以下インター校)を考えていました。
インター校は2つ見学しました。自由な雰囲気の学校と、教育カリキュラムに魅力を感じた学校を見学し、そのうち校風が娘に合いそうな1校を受験。日本で英会話を習うなど準備はしていましたが、不合格となったため日本人学校に編入しました。長女はお友だちがたくさんできてとても充実した時間を送れたので、結果的には日本人学校に通えてよかったと思っています。家族がいろいろとすすめても、最後は本人がどうしたいか、子どもの意思が大切だと感じました。
次女:私はインターナショナルスクールの幼児クラスを検討していましたが、夫が「より幼い時は日本語の習得が大事」という考えのため、日系幼稚園に決めました。小学校へ入る時にインター校も考えましたが、姉妹で一緒にバスに乗って通学することを楽しみにしていたため日本人学校を選びました。
どんな情報を参考にされましたか?実際に見学する機会はありましたか?また、何が決め手となって、その幼稚園・学校を選びましたか?
長女:インター校に加え、日本人学校にも見学に行きました。夫が9カ月先にベトナムに来ていたので、情報を集めてくれました。同じ会社でインター校にお子さんを通わせていた方から色々と聞いていたようです。
次女:こちらも、夫が情報を集めました。住むエリアから通える日系幼稚園が一つしかなかったので、入園前提で見学し、そのまま申し込み、制服なども購入しました。
実際に通わせてみて、よかったことは何ですか?
日本人学校:日本のカリキュラムに沿っているので、いつ本帰国になっても日本の学校になじみやすい安心感がありました。多様性を大事にしていて、さまざまな文化に触れる機会がありました(例:現地の学校との交流会、ベトナム人スタッフへの感謝イベントなど)。英語の授業があるのもよかったです。
日系幼稚園:先生方が時にやさしく、時にしっかりと指導してくださったことです。日本の幼稚園と同様に、工作などが遊びに取り入れられていました。
日本との違いで戸惑ったことがあれば、教えてください。
日本の学校と比べて、運動量が少ないのが残念でした。小学校は高学年からクラブ、中学校は部活動がありました。
交通事情によるバスの遅延はありませんでしたが、雨が降った後は道路が冠水し、バス停まで歩いていくのが大変な時がありました。バスが停まるレジデンス(居住エリア)を選ぶことをおすすめします。
幼稚園・学校に通われたお子さまの感想はいかがでしたか?
長女:日本人学校は、同じように親の引っ越しの都合で転入してくるお子さんが多かったので、転入初日からみんなやさしく接してくれて、すぐに緊張がほぐれたようでした。毎日休まずに通っていました。
次女:本帰国して離ればなれになったお友達のことを、「〇〇ちゃん元気かな?遊びたいな」と話しています。
小学生になった今でも幼稚園でのできごとを思い出す時があって、楽しそうに教えてくれます。
これから海外で幼稚園・学校選びをされる方へメッセージをお願いします。
事前の情報収集が大切だと思います。海外子女教育振興財団がおすすめです。もし可能であれば、現地で下見ができるとよいと思います。
国が変わっても親子ともに性格の本質は変わらないので、その子の持つ本来の特性を大事にしようと考えていました。インター校を希望する場合は、日本にいるうちから英語の習得をしておくことが必要だと、長女の学校選びの経験で学びました。この体験から、子どもに英語への興味を持ってもらうためには、親である自分自身が勉強する姿勢を見せることも1つの方法だと思います。