海外から帰国し公立小学校に通っています【上海日本人学校/インター幼稚園→日本公立小学校】

学校イメージ

上海の日本人学校とインターナショナル幼稚園に通った2人のお子さんと帰国し、公立小学校へ転入・入学させた体験をYOPPYさんに聞きました。

自己紹介をお願いします。

YOPPYです。中国の上海に2017年4月から2021年3月まで滞在していました。

帰国時のお子さまの年齢を教えてください。

息子が小学校4年生(10歳)、娘が幼稚園年長(6歳)でした。

お子さまは海外でどのような学校に通い、帰国時にどんな選択をされましたか?

息子:小1~小4の4年間、上海日本人学校虹橋校に通学しました。帰国後、公立小学校に転入しました。

娘:幼稚園に入園する前に託児所に9カ月通い、その後シンガポール系インターナショナル幼稚園に年少〜年長の3年間通いました。帰国後、息子と同じ小学校に入学しました。

帰国後にその選択をされた理由をお聞かせください。

インターナショナルスクールも調べてみましたが、通えるエリアに通いたい学校がありませんでした。また、小学生の間は母国語である日本語を公立校で学ぶのがよいと考え、公立小学校に決めました。

どんな情報を参考にされましたか? 実際に見学する機会はありましたか?

上海滞在中に小学校のウェブサイトを参考にしました。帰国後に学校に電話をして、教頭先生と面会して必要な手続きをしました。

新型コロナウイルス感染予防の政策で帰国後2週間の隔離が必要でした。新学期に間に合わせるにはゆっくりと見学や情報収集をする時間がなかったため、事前見学はしませんでした。

ずばり何が決め手となって、その学校を選びましたか?

住む家を先に決め、その学区内にある公立小学校に通うことにしました。
住居を探す際に、転校生が多く、かつ中学受験をする児童が比較的多いエリアを選択し、塾に近い場所という点を重視して決めました。しかしまったく馴染みのない土地への転勤だったので、情報収集をネットに頼るしかなく、リアルな声を聞くことは難しかったです。

実際に通わせてみて、よかったことは何ですか? 

転校生が多いので、子どもたちが息子や娘に対してフレンドリーだったことです。
また、子ども会の活動が活発で、月に2回、太鼓の練習があるなど地域にも馴染みやすかったこともよかったと思います。

海外の学校や生活との違いで戸惑ったことがあれば教えてください。親として、お子さまをフォローしたり、気をつけていたことがあれば教えてください。  

土地勘がない街に引っ越したので、集団下校がないことが心配でした。上海ではマンションの門までバスが来て学校まで送迎をしてくれ、子どもがマンションの敷地外を1人で歩くことがなかったためです。

学校まで徒歩10分の距離だったので、小5の息子は初日から1人で下校できましたが、小1の娘に関しては入学後1週間は学校まで迎えにいきました。

しかし親の心配をよそに娘もイキイキと1人で下校してくるようになり、とても気が楽になりました。

帰国後の学校選びについて、お子さまとどのような相談をされましたか? また、通われたお子さまはどんな感想をお持ちですか?

息子:2020年1月〜9月に新型コロナウイルスの影響で日本に一時帰国をしていました。その際に弾力的編入※で茨城県と埼玉県の小学校2校(夫婦それぞれの母校)を体験することができました。その経験から、帰国後の学校生活に不安はない状態で帰国できました。

公立の小学校でも学校ごとに雰囲気が違うことを経験していたので、「新しい街の学校はどんな感じだろうね」と中国の学校との違いをポジティブにとらえるように声かけをしていました。

娘:息子と同じように、弾力的編入で2つの県の公立幼稚園に通いました。

※弾力的編入・・・新型コロナウイルスの流行による特別措置。海外在住の子どもに対して、海外の学校に籍を置いたまま日本へ一時帰国をした際に、日本の学校に一時的に編入できるようにする柔軟な措置。文部科学省から文書で各教育委員会に通達が出たことで、一時帰国をした児童の受け入れが柔軟になった。

一時帰国中の弾力的編入時のエピソードをお聞かせください。

息子:2月は年度の終盤でクラスの雰囲気が出来上がっていたので、とても緊張したと言っていました。

また新型コロナウイルス発生源の中国からの一時帰国ということで、先生たちもどのように児童に紹介するか親身に考えてくださいました。

当時は必死でしたが、振り返ると貴重な経験だったと親子共々感じています。

自己紹介の際に上海で野球を習っていたと話したところ、野球をやっている子から声をかけられて仲良くなれたことがとてもうれしかったようです。お別れの際は野球ボールにメッセージを書いたものをもらい、「これからも帰省した時は遊ぼうね」と約束していました。帰省先には同学年の友だちがいなかったので、そのような友だちができ感謝しています。

娘:編入先の幼稚園で運動会の練習を一生懸命やっていたのですが、運動会直前に上海に戻ったので、参加できなくなったことが寂しく悲しかったようです。仲良しのお友だちと別れがたく、最終日に手をつないで私の方に歩いてきた姿が忘れられません。思わず娘より先に私の方が涙を流してしまいました。

上海にいたら経験できなかったお泊まり保育を経験できたことが1番楽しかったようです。

日本の学校に転入するにあたり、準備されたことはありますか? 

息子:日本人学校へ通っていたので特に準備はしませんでした。

娘:インターナショナル幼稚園での言語は英語と中国語だったので、日本で購入した公文のドリルなどでひらがな、カタカナ、数字などの家庭学習をしていました。入学後、言葉の問題もなくスムーズに学習についていけています。

お子さまの語学学習はどうされていますか? 

息子:日本人学校での中国語クラスは中級でした。帰国後も中国語に親しんでもらうため、NHK Eテレの「テレビで中国語」を毎週観ています。出演されているタレントさんと比較して、自分の方が中国語が少しできるということが自信になっているようです。

娘:中国語に関しては息子と一緒にテレビで観る程度です。上海にいたときから中国語より英語が好きだと言っていました。帰国後は週2回英語のオンラインレッスンを受講しています。教材の音読は、ほぼ毎日行なっています。

海外生活中にお子さまとしておいてよかったと感じることはありますか?  

ハロウィンでは中国の民族衣装を着たり、休暇の際には中国国内を旅行したり、現地で体験・体感することを大事にしていました。中国語は四声の発音がとても難しいですが、恥ずかしがらずに中国の方々とどんどんコミュニケーションをとるように心がけていました。

一時帰国中に通った小学校で、息子は道徳の時間に自らの発案でスライドショーを準備して、上海や中国について、また上海の学校や生活について発表しました。この経験は息子にとってよいアウトプットの機会になりました。  

お子さまの今後の学校、教育について、どのようにお考えですか?

息子:中学受験を視野に入れて、小3の終わりから上海にある日系の進学塾に通っていました。今後も国内転勤や海外駐在など引っ越しを伴う生活環境の変化は想定されるので、いつどうなったとしても選択肢を広げられる力をつけていけるよう、サポートしていきたいと考えています。

娘:英語力を維持したいと考えていたところ、駐在ファミリーカフェのオンラインカフェでキッズ向けのオンライン英会話スクールを知り、習いはじめました。今は英検5級レベルの内容で、週2回のレッスンを受けています。

これから本帰国し、学校選びをされる方へメッセージをお願いします。 

体験や経験に勝るものはないと思います。環境の変化や文化の違いをポジティブに捉えてご家族で楽しんでくださいね。

本帰国は我が家にとって初めての経験でした。また本帰国先が日本国内といえど新しい街への転居だったので、学校探しなどインターネットの情報だけではわからないことが多かったです。そのため家・学校・塾など最初からベストな選択というのはないと我が家は考えていました。

「できる限りの情報収集をして、その中でベターな選択ができたらいいな」と考えて学校選びをすることをおすすめします。

運営メンバーD
コロナ禍だからこその体験も含めて貴重なお話を伺えました。他にも興味深い記事があるのでぜひご覧ください!
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