帰国子女枠で大学入学試験を受けました【ベルギー インターナショナルスクール→日本私立大学】

ベルギーから本帰国し、お子さまが帰国子女大学受験をしたつるまみさんのインタビューです。学校の選び方、親としての子どもの受験への向き合い方、お子さまの将来の進路についてお聞きしました。

自己紹介をお願いします。

夫、娘(20歳)、私の3人家族です。これまでの滞在国は、オランダ2年半、ベルギー通算4年半です。現在は夫と私はモーリシャスに、娘は日本に住んでいます。

帰国時のお子さまの年齢を教えてください。

娘が高校2年生(17歳)の夏休みにベルギーから家族で帰国しました。

お子さまは海外でどのような学校に通いましたか?また帰国後は帰国子女受験をされて、どのような学校に通いましたか?

  • ベルギーの現地幼稚園(2歳半~年少)
  • 日本の幼稚園(年中~年長)→小学校受験
  • 日本の私立校(小1~中学3年の夏)
  • ベルギーの国際バカロレア認定インターナショナルスクール(中学3年の夏~高校2年の夏)
  • 日本の私立高校に復学(中学3年の夏まで在籍していた私立校に籍を残していたため)
  • 帰国子女枠で受験し、日本の私立大学法学部に入学(現在も在籍中)

その選択をされた理由をお聞かせください。

せっかくの期間限定の海外赴任なので、グローバルな環境、そして英語だけでなく他の言語にも触れる機会を与えたいと考えました。本人も「インターナショナルスクールで学びたい」という意思があったので駐在に同行しました。

ベルギーのインターナショナルスクールに転入した当初の娘は、親から見てもとても大変そうでした。幼稚園時代にすでに海外経験があったので、環境に対しては時間の問題と乗り越えるしかないと娘自身が分かっていたようです。さまざまな国のバックグラウンドを持った友人ができたことで一気に克服しました。また、インターナショナルスクールのカウンセラーに相談して、英語の家庭教師を紹介してもらいました。英語以外の言語の教科は、フランス語、スペイン語、中国語などから選択することができ、娘はフランス語を学びました。

日本の大学に帰国子女枠で受験をした理由は、英語力を活かせることと、AO受験、一般受験に加えてチャンスが増えるから。最終的に入学した大学の決め手になったのは、本人が学びたい教授がいたこと、そして留学生や帰国子女が多いことでした。

帰国子女受験で入学・編入した学校に実際に通わせてみて、よかったことは何ですか?また、実際に通われたお子さまはどんな様子でしたか?

娘は「今の大学に入学して本当によかった」と言っており、勉強に部活動に充実した大学生活を送っています。周りの学生は日本のインターナショナルスクール出身、娘と同じような帰国子女、高校時代に留学をしていた方が多いと聞いています。娘が進学した法学部国際関係法学科では、授業は日本語でおこなわれます。語学に関しては英語、フランス語、中国語を履修しています。

ベルギーから本帰国後に復学した高校は大学の付属校だったのですが、その大学に進学しなかったのは、自分が学びたい学科がなかったこと、小学校から同じ仲間の環境を離れて新しい環境を見てみたかったという理由から。親としても、娘が受験を選び、自らの道を選んだことはよかったと思っています。

滞在先では受験のための準備はしていましたか?

準備はしていませんでした。
夫の海外駐在にあたり、日本で通っていた私立校を休学しており、当時はどのような道に進むのかまだはっきり決めていませんでした。

ベルギーで通っていたインターナショナルスクールには日本人のカウンセラーがおり、大学受験の話を聞く機会や、受験対策の小論文などのカリキュラムもあると聞きましたが、娘は英語やフランス語などのインターナショナルスクールの授業に専念していたため利用しませんでした。

学校の情報はどのように得ましたか?

ベルギーのインターナショナルスクールの日本人の先生から話を聞く機会があったり、オープンカレッジに参加したり、日本で通っていた高校の知人や先輩などに話を聞いたりして情報収集をしました。

受験勉強で大変だったことは何ですか?

親の私自身が大学受験を経験しておらず、塾については分からなかったので、周囲の帰国子女をもつご家庭から塾などの情報を得ました。娘自身も友人から塾の情報を教えてもらい、親子で情報収集をしました。受験対策の塾選びは、本人の性格や塾の雰囲気にもよると思いますが、帰国子女が多い塾もありますし、見学やトライアルで自分に合うか大体分かるようです。娘はそれで自分に合った塾を選びました。
また、英語力をキープできるように英語専門の塾に通いました。
その後は、自分の進む道を自分で選んだので本人に任せていました。

母親として当たり前なことをするまでですが、塾選び、大学選びの相談、塾の面談に加え、コロナ禍でもあったので娘の話を聞いたりして安心できる環境作りを心がけました。

娘自身が、帰国子女だから大変ということはなかったと思います。付属の大学に進学せず大学受験をする道を選んだことで、受験の準備、勉強などすべてが大変だったのではないかと思います。

何校受験されましたか? また受験校の科目について教えてください。

3校受験しました。
書類と面接のみの学校、小論文、英語での面接、英語の小論文など、学校によってさまざまでした。

帰国後の進路についてお子さまとどのような相談をされましたか?

まず、高校2年生の夏にベルギーから本帰国した際に、元々通っていた私立校に復学するか、国際バカロレアを取得をするために日本のインターナショナルスクールに編入するか検討しましたが、復学を選択することに。そして、復学した学校からそのまま附属の大学に進学するか、別の大学を受験するか話し合いました。娘は、「インターナショナルな環境で勉強を続けられてグローバルな雰囲気がある大学に進みたい」という理由で帰国子女枠での大学受験を選びました。

大学受験に関しては娘本人に強い意志があり、自主的に進路を決めたので、我が家では娘の意思を尊重することを一番に考えました。その上で、大学の選択は将来の目標、仕事に結びつくので、娘から相談を受けた際には、「将来どのような仕事をしたいのか、どんな目標を持っているのか」を親子で話し合いました。

お子さまの今後の進路について、どのようにお考えですか?

現在大学2年生の娘は、自分自身で将来の進路について考え行動しています。「グローバルな環境や新しい環境を見てみたい」、「フランス語をもっと学びたい」という気持ちがあるため、大学在学中に海外への留学を希望しています。それに向けて、学校探しや語学の資格試験を受けるなど準備を進めています。
また、ベルギー滞在中に、移民や難民を受け入れている農場で、一緒に馬小屋の掃除や家畜の世話をしたり、日本食を作って移民に配布するボランティアを経験したりしたことがきっかけで、国際機関、国連やNGOなどに興味を持ち、将来は「海外に関わる仕事がしたい」と言っています。

これから帰国子女受験・編入試験を経験される方へメッセージをお願いします。

海外生活が長い帰国子女にとっては、日本の塾のシステム、受験戦争は、もしかしたら大変かもしれません。私たちは大学受験のみですが、情報収集が大事だと思いました。今は帰国子女受験ができる学校や国際教養学部などの海外での経験を活かすことができる学校がたくさんあるので、オープンカレッジなどに足を運ぶのもよいと思います。

親ができることは、周囲の詳しい方から帰国後の塾などの情報を得ること、それを元に子どもに合うところを選ぶなどの環境を整えることくらい。あとは子どものやる気と意思なので、最後は子どもを信じて見守るしかないと思います。

最後に、現地の学校生活も大事だと考えます。日本のカリキュラムにはないボランティアワークなどいろいろと経験することが進路を考えるきっかけになるので、グローバルな環境下で視野を広げていってほしいです。

運営メンバーH

小学生時代からの仲間がいる付属校を離れ、帰国子女受験の道を選んだお子さまの貴重な体験談をありがとうございました!

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