忘れもしないあの日……。
夫「実は大切な話があって……。」
妻「え?急にどうしたの?改まって!昇給とか^^?」
夫「XX国への海外転勤が決まったんだ!任期は3年。2カ月後に出国する。」
妻「え?は?はぁ?!!」
夫「お願いだ、ついてきてほしい!」
妻「ちょ、ちょっと考えさせて(呆然)」

今仕事はとても順調で、昇進の打診もあるのに。
語学力も全然ないし、当然海外での子育ても経験なし。どうすればいいのかわからない!
はじめに
皆さん、こんにちは!この記事を読んでくださっている方々のなかで、このようなシチュエーションを経験された方は多いのではないでしょうか?
駐在ファミリーカフェを運営している私たちも例に漏れず、海外転勤への同行にあたってたくさんのモヤモヤを抱えて過ごした経験があります。
今回の記事(前編・中編・後編の3シリーズ)では、現在海外に在住している運営メンバーに「同行にあたって感じたモヤモヤ」「自分のキャリアについての不安」「生活面での不安」「ストレスの解消方法」など、ありのままの本音を語ってもらいました!
メンバープロフィール



■Mさん(退職済、同行先でフリーランス)2021年12月~アメリカ在住
駐在同行に伴い、6年以内であればほぼ復職可能な再雇用制度の申請をしつつ、勤めていた会社を退職。現在6歳の子どもと一緒にアメリカ駐在同行2年目に突入。夫の任期は未定。子どもが小さいうちならと同行を決めたものの、新型コロナウイルスの流行により合流が遅れ、子どもが小学校入学前後での海外生活となった。



■Oさん(退職済)2023年3月~アメリカ在住
夫の海外転勤辞令とともに、結婚が決まる。休職制度がなかったため、退職もしくは2年間の別居婚という二択となる。退職することへの不安はあったものの、人生の転機になるのではという思いもあり、半年遅れで同行。



■Cさん(休職制度を利用後、退職済)2021年6月~南アフリカ在住
駐在同行に伴い、勤めていた会社の休職制度(2年間)を利用。
夫より半年遅れて渡航し、現在駐在同行3年目。夫の任期が未定だったため、復職する可能性を考え休職制度を利用したが、現時点でまだ帰国の予定はないため、南アフリカに残留することを決意。休職期間満了に伴い退職済み。



■Sさん(休職中)2022年9月~アメリカ在住
駐在同行に伴う休職制度を利用し、幼児2人を連れて家族全員で海外生活を送る。夫の任期は2024年2月まで、自身も復職予定のため、アメリカから日本の「保活」中。夫の転勤を聞いた時は断固拒否!しかし、子どもたちの将来を考え、周りの後押しもあり同行を決意。
海外転勤の話を聞いた時、正直どんな気持ちだった?
Mさん:海外転勤は以前から覚悟していました。内示があったときは、応援したいと思いつつ、自分のキャリアや海外での育児はどうなるんだろうという不安もありました。
Oさん:「今きたか!」と感じました。当時はまだ結婚も決まっておらず、仕事も充実していた時だったので、とにかく動揺しました。頭の中で思い描いていた人生計画が一気に崩れていくことに不安を感じつつも、アメリカでの生活にワクワクする気持ちもありました。
Cさん:将来的に海外転勤は覚悟していました。でも、まさか結婚式を挙げる3カ月前に内示が出るとは思わず、驚きました。しかも駐在先は南アフリカ。治安も心配だし、コロナ禍だったこともあり、現地の生活が想像できずとても不安でした……。また、気持ちの整理がつかないまま結婚式と渡航の準備で慌ただしく過ごしていたので、心が追いつかない状況がすごく辛かったです。
Sさん:なんで?!という気持ちでした。新築を建てたばかりだったので衝撃が(泣)。子ども達も日本の保育園で楽しんでいたので、頭が真っ白に!
同行を伝えたときの職場やまわりの反応は?
Mさん:同僚や上司は都度状況を確認してくれて、再雇用制度も使えるなど、情報をいろいろ教えてくれました。ママ友からは「子どもがバイリンガルになるね!」と言われましたが、そう簡単ではないだろうなと思っていたため反応に困ることもありました。
Oさん:家族も友人も、驚きつつも私の選択を尊重してくれました。時には「海外生活いいな」という声に、少しモヤモヤしたこともありましたが…。会社の上司は、本帰国時に再雇用制度を使うことを検討してほしいという話と共に、新しい環境でも頑張ってと背中を押してくれました。
Cさん:職場には自己研鑽のための2年間の休職制度があったので、この制度を同行に利用できないか職場に相談しました。2年後復職できる確証はありませんでしたが、職場が快く受け入れてくれたのはとてもありがたかったです。
家族は私の葛藤を受け入れてくれて家族からの「いつでも日本に戻ってきていいんだよ。」という言葉でついていく覚悟ができました。
Sさん:周りは口を揃えて同行したほうがいい!と…以前取得した育児休職を含めブランクが増えるため葛藤しましたが、子供たちの経験値を増やすためにも行った方がいい、家族の人生にもプラスになるはず、と前向きになれました。



世間の駐在同行へのポジティブなイメージと、当事者が感じる子育てやキャリアへの不安には大きなギャップがありますが、これはその立場になってみないとなかなか気づけないことですよね。