【体験談】アイデンティティロスを乗り越えて……イギリス駐在妻がフリーランスへ挑戦

Webマーケティングのスキルを身に着けるために具体的にしたことを教えてください。

日本のWebマーケティングスクールで4カ月間のオンライン講座を受講しました。受講者は、転職や副業を考えて通学する社会人が多く、日本時間の夜間に講義が開催されていたので、時差を活用してイギリスの朝に参加していました。

最初の3カ月間は、週に1回2時間のオンライン講座を受講して、毎週出される課題に取り組んでいました。
最後の1カ月間は卒業課題を2つ提出するだけでしたが、かなりボリュームがあったので、合格判定が締切日ギリギリになり、ヒヤヒヤした思い出があります。

フリーランスとして仕事をはじめて特に苦労した点はどんなことですか?

一人で対応できる業務に限界を感じたことです。スクール卒業後は、知人の紹介などから複数のクライアントの依頼を受けることができましたが、まだ駆け出しのフリーランスだったので、クライアントは主に個人事業主や小さな会社でした。

それゆえ、クライアントから依頼される業務範囲が大手クライアントと比べると広範囲におよぶ傾向がありました。たとえば、大手クライアントは広告運用やコンテンツ制作など、業務ごとに発注されますが、個人事業主だとサイト運用だけでなく集客のためにSNS運用サポートなども依頼される方が多くいらっしゃいました。

経験を積むことはできましたが、得意なことばかりではなかったので、作業にかなり時間がかかり、対応できるクライアント数にも限界を感じました。

また、大手クライアントを獲得するには個人では信用が足りず、目標としていた前職の収入には程遠い状況でした。

苦労された経験を経て、案件を獲得するために工夫したことなどがあれば教えてください。

とにかく人脈を広げることに注力しました。案件獲得を目的とせず、世の中にはどんな人がいて、個人事業主やフリーランスはどのような働き方をしているのか知りたい、という目線で、さまざまなセミナーや交流会に積極的に参加しました。その結果、ついにマーケティング会社から業務委託を受けることができるようになりました。

フリーランスとして働く良さはどんなところだと思いますか?

仕事内容を選べることだと思います。複数の会社から業務委託を受けたり、起業して事業拡大したり、パートナーを見つけて協業してプロジェクトにトライしたり。働くスタイルも選べるので、やる気次第で可能性は無限大!と思っています。

フリーランスとしてのキャリアチェンジを実現され、この経験からどんなことを得ましたか?

 駐在同行によって、会社や肩書を失ったことによるアイデンティティロスはありましたが、結果的に自分自身と向き合う貴重な時間となりました。この期間は、私にとって何が本当に大切なのかを見つめ直し、価値観を根本から見直すきっかけになったんです。会社員時代は仕事一筋で、仕事の成果を追及することに全力を尽くしていましたが、さまざまな出会いを経て、40代後半でのキャリアチェンジを実現することができました。この変化は、新しい自分に対する大きな自信へと繋がりました。

ロンドンの街並みの写真②
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