ご主人のイギリス駐在を機に、20年以上続けてきた仕事を辞めて同行し、一時はアイデンティティロスに陥ったY.Mさん。しかし駐在同行中に自分と向き合うことで、大切にしたい価値観を再発見し、フリーランスのWebマーケターとしてキャリアチェンジを実現されました。家族との時間を大切にしながら、自分らしい働き方を見つけ実現されたY.Mさんに、駐在妻からフリーランスになるまでの経緯についてお話をうかがいました。
Y.Mさんがロンドンでお仕事をはじめる際に手続きされた会計事務所の情報などが掲載されているイギリス・ロンドンの生活情報についてもぜひあわせてお読みください。
自己紹介をお願いします。
Y.Mです。夫の海外赴任を機に、2021年7月からロンドンに住んでいます。前職はシステムインテグレーター(クライアントのシステム導入を請け負う企業)で20年以上技術職として勤務し、ネットワークエンジニアやセールスエンジニア、管理職を経験しました。2023年1月からフリーランスのWebマーケターとして活動を開始し、日本およびイギリスのクライアントやマーケティング会社からの業務委託を受けて、新たなキャリアを築いています。
10歳と13歳の息子たちとともに、異文化の中で新たな可能性を探求しながら、充実した生活を送っています。
フリーランスのWebマーケターをやってみたいと思った理由やきっかけを教えてください。
前職では充実感はあったものの、日々の忙しさから子どもと過ごす時間が取れずにいました。夫の海外赴任をきっかけに、家族との時間を大切にしようと決心。一緒にイギリスへ行きましたが、仕事を離れることでアイデンティティを失ったような感覚に苦しみました。どうにかして自分を取り戻したいと自分自身と向き合い、2022年から駐在ファミリーカフェの運営ボランティアに参加したんです。
そこでシステムチームの一員としてWebシステムの運用に携わり、時間や場所に縛られない働き方の魅力を実感しました。
この経験を経て、帰国後のキャリアも見据え、長年の経験から得たデータ分析とマーケティングのスキルを活かせるWebマーケティングの道を選びました。
駐在妻からフリーランスになるまでの道のりについて詳しく教えてください。
渡英直後、心に大きな穴が空いたような寂しさを感じていました。子どもたちは新しい環境に徐々に慣れ、夫も仕事で忙しくしている中、私だけ取り残された感覚を覚えたんです。この時期に、前職の社内研修で知ったマズローの欲求階層説を思い出し、コミュニティに属する重要性を深く実感しました。まずはローカルのボランティア活動への参加を検討し始めましたが、子どもの送り迎えなど家族のスケジュールとの兼ね合いで条件に合う活動が見つからず、社会貢献の方法を模索する日々が続きました。
当時40代後半での駐在同行生活だったため、帰国後の再就職への不安もありました。そこで、フリーランスとしてのキャリアを検討しはじめたんです。
自分の強みを見極める過程に最も時間を要しましたが、長年の経験から得たデータ分析とマーケティングのスキルを活かせるWebマーケティングの道を選びました。
自分の強みを見極めるために具体的にどのようなことをしましたか?
強み探しの講座を受講したり、コンサルティングを頼りましたが、その場ではピンとくるものが見つかりませんでした。自分の過去を振り返って、当時苦にならずにできたことや、同僚から認められたスキル、夢中になれたことなどを洗い出して自分の強みを探していきました。