駐在家族のモヤモヤ解決ポイント⑥会社のルールを確認し、自分と家族にとって最適なタイミングを考えてみよう

このシリーズでは、駐在家族のキャリアに関する「モヤモヤ」を解決するヒントをお届けしています。
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今回は、
- どのタイミングで帯同したらいい?
というお悩みに対する解決ポイントを紹介します。
運営メンバー、台湾在住のいせやんです。
夫の海外転勤が決まり、帯同することを決意した人が次に悩むことは、家族帯同のタイミングではないでしょうか。
ここでは、自分と家族にとっての最適な時期を洗い出す方法をお伝えします。
今回、運営メンバーの体験もご紹介していきます。参考にして、ご自身のことについて整理してみてくださいね。
整理を始めるにあたって、最初にお伝えしておきたいことがあります。
最適な時期を考えるには、物理的な準備期間だけでなく、心理的に「納得する」時間を持つことも大事です。
文化の全く異なる国に転居することは、人生において大きな転機の1つです。
「自分自身が帯同することを決意したんだから、この転機を受け入れたんだ」と納得した気持ちを持っていますか?
それとも、「自分で決めたことだけれど、モヤモヤが晴れない」という気持ちがどこかにありますか?
私には、後者の気持ちがありました。
帯同を決めたけれど、それで「はい、では今までの生活にさっぱり区切りをつけて新生活に向かいます」とはなりませんでした。
でもそれは当然かもしれません。転居によって、日常生活、人間関係が変化します。
これは目に見える変化ですが、それだけでなく、自分自身がもっている役割(たとえば、働くこと/親を近くで見守っていること/地域活動 など)がなくなる、もしくは変化するということも起きるでしょう。
このようなたくさんの変化が起こる転機を受け入れ、乗り越えるためには、今起こっている状況をしっかりと認識することが大切です。
「どのような変化が起こりうるのか、それを自分自身がどのように感じているのか、どうしたいと思っているのか」そのようなことを、帯同時期を検討する際に一緒に考えてみてほしいと思います。
それでは、3つのステップに沿って帯同時期の洗い出し方法をご紹介していきます。
【STEP1】MUSTとなるタイミングを確認しよう
必ず日本にいなければいけない期間、新生活を始めておきたい時期を確認しましょう。
①日本にいなければいけない期間
a)会社規定の確認
会社によっては、家族の帯同時期を規定している場合があります。まず初めに確認しましょう。
駐在ファミリーカフェ運営メンバー アンケート結果
Q. 家族帯同時期に関する会社規定はありましたか?
| 規定あり | 10名 |
|---|---|
| 規定なし | 7名 |
Q.【規定ありと答えた方】その規定内容は?(駐在員着任後、何ヶ月以降から帯同可能?)
| 同時 | 1名 |
|---|---|
| 1ヶ月後 | 3名 |
| 3ヶ月後 | 5名 |
| 6ヶ月後 | 1名 |
会社規定がある理由の多くは、「駐在員(夫)が着任して現地での生活を整えてから」との意味合いが強いようです。その期間の長さが、各会社や渡航先国によって異なってくるということでしょう。また、帯同ビザの申請が可能な時期も関係してくる場合があります。
会社へ規定を確認する際には、その理由を確認しておくと自身の都合と相違があった場合に話し合いがしやすくなるかもしれませんね。
b)引越しまでに必要な手続きを確認
日本での生活を整理して海外に転居するには、国内への転居以上に必要な手続きや、しておいたほうがよいことが発生します。
主だった手続きは会社で進めてくれることが多いと思いますが、インターネットで「海外赴任 準備」などと検索するとリストアップしてくれてあるサイトがいくつもあります。参考になる情報もあるかもしれません。
その中でも、渡航時期を見積もる際に影響を受けやすい(時間を要しやすい)手続きを下記に書き出しました。
- ビザの手続き
- 引越し荷物(船便/航空便)の輸送期間、受取り可能条件
- 持ち家や車の処分/管理委託
- 予防接種
こちらの記事もぜひ参考にしてください!

c)その他
自身の仕事のことや家族のことなど、日本での滞在が必ず必要になる期間がある場合は書き出しましょう。
②新生活を始めたい時期
子どもの学期スタートなど、現地での新生活を始めたい時期がある場合は、書き出しましょう。国・学校によって、学期の始まる時期や学期途中での入学の可否などが異なりますので、現地情報を確認してみましょう。
【STEP2】自分と家族の希望を書き出して整理しよう
次は、自分も家族も納得のいくタイミングをみつけるために、日本でしておきたいことを整理しましょう。
①日本での生活を納得して一区切りするための整理
帯同を決意すると、新生活をスタートさせることに頭が向きがちですが、日本で積み上げてきた生活を丁寧に、納得した形で終わらせるということが、のちの新生活の立ち上げに影響を与えます。
今ある生活にどう区切りをつけるのか、もしくは今あることを継続するために何か変更する必要があるのか、1つずつ希望を整理しておきましょう。
【自身の仕事のこと】
Eさん仕事を一区切りつけたいとの思いから、勤続10年を過ぎてからの退職と決めました。



自身が関わっている大きなプロジェクトが終了するタイミングで退職を決めました。
【妊活/妊娠/出産/育児のこと】



夫の内示が出たのは第一子の出産直後でした。0歳児を連れて、1人で住まいや車の処理、引っ越しの段取りなどは到底無理だろうと判断し、夫と同時に赴任することにしました。



子供が喘息持ちなので、寒くなる前に赴任地の空気に慣れた方がいい、という医師からのアドバイスを考慮しました。
【趣味のこと】



自身の合唱コンサートを終えてから出発できたことはとてもよかったです。
【すでに決まっている国内での用事(冠婚葬祭など)のこと】



兄弟・親戚に相談し、親の法事を少し早いタイミングで執り行ってもらうことで、無事に出席してから出発することができました。
【子どもの学校・幼稚園・保育園のこと】



退職後も保育園に預けられる期間に渡航日を決めました。その期間に引越し手続きなどをスムーズに進められました。



子供が年少になるタイミングで海外生活がスタートし、幼稚園では、集団生活自体に慣れていない+英語のダブルで大変でした。まず日本の幼稚園に入れて集団生活に慣れさせて日本語の語彙も増やして、年中から帯同にしても良かったかなと思いました。特に日本語の語彙がなかなか増えなくて心配しすぎたので……



子どもの学校や保育園には、海外転居のことを余裕をもって伝えられたので、友達と遊んだり、お別れ会を開いてもらったり、思い出作りができよかったです。
【その他】
例)実家に帰省したい/会っておきたい人がいる



渡航前に自分の時間を作っておいて良かったです。親しい友人や家族との時間を作れました。
特にぜひ忘れずに書き出してほしいのは、自分自身のこと。自身の趣味や習い事など、家族の枠ではなく「自分の時間」として使ってきた時間のことはついつい後回しにしてしまいがちではないでしょうか?
まずは希望することをしっかりと書き出してみましょう。
②新生活のスタートに向けて準備したいことを整理
新生活でどのような過ごし方をしたいか、想像したり考えたりしていますか?
いつか終わりがくる帯同生活だからこそ、その時間をどのように過ごすかは皆さん意識をしているのではないでしょうか。
昨今はSNSを通してたくさんの駐在妻の方々が現地の様子を発信してくれています。
また、駐在ファミリーカフェのような駐在妻のための情報交流サイトも少しずつ増えています。
先輩駐在妻からは「限られた帯同生活の中で、少しでも早く自分自身の過ごし方について考える時間をもてばよかった」という声もよく聞きます。
この渡航前のタイミングで、自分自身に問いかけたり、先輩駐在妻の体験談を読みながら、新生活の過ごし方について考える時間を作ってみてはいかがでしょうか。
その中で、「現地就労したい」「すぐにでも趣味を再開したい」「語学を少しでも勉強してから行きたい」「現地でしてみたい活動がある」など、何か浮かんできたならば、ぜひ日本にいる間に情報収集や行動をスタートさせてみてください。
渡航先によってはインターネット環境が十分でない場合もありますし、電話などの問合せは日本にいる間のほうが格段に行いやすいと思います。
このような新生活の過ごし方を整理した時点で、日本で準備する必要がでてきたならば、その準備期間も書き出しましょう。



私の場合、帯同前に想像していたよりも、仕事を辞めたことなどが精神面に与えるマイナスの影響(無力感や自信喪失、漠然とした将来に対する不安など)がとても大きかったため、何がなんでもすぐに帯同するのではなく、自分自身のキャリアについて、次のステップへの道筋をもっとしっかり立ててから帯同してもよかったかもしれないと思うことも時々あります。
自分の経験からの反省点として、
・会社を辞めること、キャリアを中断することによる様々な影響を軽く見てはいけない。
・いつ帯同するかの決断は早くできるほどよい。(準備時間が多くとれるため)
・いつ帯同するかが決まったら、荷物や諸手続きなどの準備だけに追われず、自分の今後のキャリアについてしっかり考えて準備する時間を確保することも重要。
と感じています。
駐在ファミリーカフェのライフキャリア体験談も参考にしてみてくださいね。
【STEP3】家族と話し合い、最適なタイミングを決めよう
ここまででタイミングを決めるための材料をすべて書き出しました。次は、ここから何を優先するのかを決め、最適なタイミングを決めましょう。
すべてを叶えられたら理想的ですが、なかなかすべてのタイミングが叶うということは難しいですよね。
最適なタイミングとは、「あなたと家族が納得したタイミング」です。
ここでは、まず、あなた自身がどうしたいかを考えてみてほしいと思います。ここまで書き込んできたことを改めて見渡して、自身が思う最適なタイミングを整理してみてください。そして、パートナー・子どもと話し合ってみてください。
この話し合う時間の中で、新しい生活に対する不安や楽しみ、今までの生活で大切にしてきたことなど、いろいろなことをお互いに解り合うことができると思います。家族同士新たな発見があるかもしれませんね。
この時期に話し合い、得られたお互いへの共感や共有した気持ちは、新生活を一緒に楽しみ、困難や不安を乗り越えていくときの大きな支えになると思います。
そのようなことも楽しみながら、最適な渡航のタイミングを見つけてくださいね。
ここまで、最適な帯同時期を洗い出すための方法をお伝えしてきました。
最後に、運営メンバーアンケート「帯同時期について満足しているか?」の質問に対する回答をお伝えしたいと思います。
結果は、88%が「満足している」でした。
先輩駐在妻に、今振り返っての想いを聞いてみました。



自分の納得のいくところまで仕事ができ、プロジェクトも途中で放り出すことなくしっかり終了を見届けられたので、未練なく円満退社することができました。そのおかげでその後の専業主婦生活への心の切り替えがうまくできたと思います。



自分の仕事のキリの良いタイミングに辞めることができたこと、余裕を持った準備期間が持てたことに満足しています。



自分の仕事にも一区切り付けられたことと、その後1カ月だけど自由時間を得られたので、心の準備、身の回りの整理をしてから渡航できて心残りがなかったことが良かったです。



とにかく勢いだけで家族3人、同時に赴任しました。現地語も話せず、タクシーに乗る勇気もなかったので、現地で買った布団を担いで地下鉄に乗ったのは苦い想い出です。
赴任前のバタバタで0歳の息子には相当な負担をかけていたようで、赴任前日に救急車を呼ぶトラブルもありました。
この先どうなるんだろう…と不安な毎日を送っていましたが、今は何とかなっています笑。
主人と子どもが一時も離れず過ごせたことはとてもプラスだと思います。



夫は現地で日本人一人で孤独だったので、最短で私が現地に行けたことはよかったと思います。私が行くまでの3ヶ月間は田舎のホテルに缶詰だったことや、40度を超える熱を出したこともあり、気が狂いそうになったと言っていました。



やりたいことをやってから渡航したという点、夫とキャリアの視点で話し合い協力し合える関係を再確認できる時間がもてたという点では満足です。
しかし、夫と1年半の生活差ができてしまったことにより、共同生活を改めてスタートさせたときに色々と違和感がありました。単身生活から子供中心の生活へ再度切り替えてもらうのにけっこう話し合いました。
また、語学習得という点でも、限りある帯同生活の中で、もっと早めに渡航して現地生活の時間を増やす選択肢もあったかなとも思っています。
帯同時期も決めた想いもそれぞれですが、多くの先輩から「どんな決断をしても、なるようになる」との力強いメッセージがありました。
誰もが経験できるわけではない貴重な海外駐在生活、家族全員が前向きな気持ちで過ごせるといいですね。
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