どんな駐妻になりたい?自問自答の日々〜実録!駐在妻のホンネ〜

海外生活中(キャリア体験談)

~実録!駐在妻のホンネ~ 現在進行形の駐妻生活をのぞき見するコラム 第4回

現在進行形の駐妻生活をのぞき見するコラムの第4回目です。

夫の転勤によりアメリカ、カリフォルニア州に人生ではじめて海外移住したリーです。

駐妻生活が半年を過ぎました。

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、駐妻生活の半分以上が自粛生活となっています。

<前回までのコラム>

第1回 孤独からの解放

第2回 遺書を書いた日

第3回 アメリカ駐在から見えた貧困、難民問題

迷走する駐妻生活を振り返って

この駐妻生活を振り返ると、あっという間の半年でした。人生で初めての経験がたくさんありました。その中で最も私の心を乱されたできごとを書かせてください。

BBQ設備のある公園

カリフォルニアの朝は、鳥の声で目覚めます。または早朝から公園で行われる芝刈り機の音です。公園の整備がとても行き届いている証拠です。目覚めた朝、窓の外に目をやれば、野生のリスたちが公園の木々の間を追いかけっこしています。

この半年間、日本に比べて湿気も少なくとても過ごしやすい気候に心身ともに癒されていました。気がつけば半年が過ぎていました。そんな生活の中で、これぞアメリカというお誘いがついに我が家にも来たのです。アメリカといえばバーベキューです。自粛生活に入るほんの数週間前のことでした。

メンバーはアメリカ駐在6、7年になる日本人駐在家族4組です。私の中で、その家族たちはすでにどっぷりアメリカライフに浸かっていると勝手に想像していました。近くの公園にはバーベキューができる設備がどこにでもあります。私たち家族が着くと、4組そろって迎えてくれました。ちょうど大きな肉の塊が焼けたところでした。

骨付き肉を取り分けてもらい、まさにアメリカらしさを感じました。夕方にさしかかったころ、場所を家の中へ移すことになりました。そのころには、私の中で何か違和感がありました。4組とも小さい子どもがいましたが、子どもを常に見ているのは母親で、まだミルクを飲んでる子どもを抱っこ紐で終始抱っこしているお母さんもいました。

家に移動してからも飲み物を配ったり、配膳をしているのは女性たちです。男性たちはお酒を飲んで談笑していました。女性はそのかたわら、子どもの面倒も見ています。その光景はまさに日本のようでした。私は愕然としてしまいました。

子供用水筒とアメリカ好きおしゃぶり

アメリカで生活をしていてよく目にするのは、レディーファーストや人への気遣いです。買い物をして両手に荷物を持って店を出ようとしていると、お店に入ろうとしている人がタイミングを見計らい笑顔でドアを開けてくれます。近くにいる人がわざわざ小走りして近づき、ドアを開けてくれることもあります。子連れの場合はなおさらで、空港の入国審査で行列があっても、子どもを抱っこしていると別レーンへ案内してくれました。

日本にいたころ、ママ友同士でファミリーレストランへ行ったことがあります。私たちがベビーカーを押しながら店内へ入ろうとすると、店員さんがとても面倒そうな顔をしたのを覚えています。アメリカで自粛生活前にベビーカーを押しながらよくお店に行きましたが、店員さんが嫌そうな顔をしたという経験がありません。むしろ子どもを見て、あやそうとしてくれたり笑顔で対応してくれたことしかありません。アメリカにはチップ文化があるのでそれが影響しているのかもしれませんが、一般の人がお互いに気遣いをすることも多く、とても気持ちがいいものです。

そんなアメリカのよいところを見てしまっただけに、バーベキューでの男性たちの行動に驚いてしまいました。6、7年もアメリカにいてそんなよい文化を取り入れていないなんてありえないと思いました。駐在員としてアメリカに住んでいて、アメリカのよい文化を取り入れない駐在員は、果たして成果を出すことができるのでしょうか。家に帰ってからも私の怒りは収まらず、「気遣いひとつもできない彼らにアメリカで売り上げを伸ばすことができるのか。伸ばせるはずがない!」と、私は夫に向かって叫んでいました。

それほどとても残念なできごとでした。アメリカに数年いれば、誰でもアメリカ人のような自然なふるまいができるようになるものだと錯覚していました。早く私も自然な気遣いができるようになりたいと思っていたのです。しかしそれは、長くアメリカにいるからできるというわけではありません。そして彼らは決して何も悪くありません。一緒に過ごした時間はほんの数時間です。もちろん気遣いができればよりよいことだとは思いますが、彼らを全否定する権利は私にはありません。

アメリカでよく見るリス

私はアメリカに来て、ずっと何かを得たいと躍起になっていました。具体的には英語力や友だちやアメリカの運転免許など、何かアメリカに来たからこそ手に入れたもので、履歴書に書けるものであれば尚よしです。それをなかなか手に入れることができないので焦っていたように思います。駐在が長い彼らに、自分の理想の数年後を重ねてしまったのです。そこで私の理想との差異を見つけてしまい、受け入れることができなかったのです。それは失望に近かったのです。

私は半年たってもまだ手に入れたものはありません。しかし、他人への気遣いや子どもへの配慮など、アメリカ人のよい文化を肌で感じています。それだけでも日本では経験できなかったことです。そのような気付きをもっともっと増やしていけたら、例え履歴書には書けなくても誰か別の人へしてあげることはできると思いました。

かく言う私も毎日のように日本食を食べ、日本語を話し、日本のニュースをYouTubeで見ています。窓からの景色以外は日本で暮らしているのと違いはないのかもしれません。この生活を続けるならば、アメリカで数年暮らしても日本で暮らしても変わりはさほどないのかもしれません。

自粛生活が続き、アメリカで暮らす意味を今まで以上に考えるようになりました。このままで数年後に後悔しないだろうか。いや後悔すると思います。行動を変えるのは今しかないと思うのです。アメリカの食べ物にもう少しチャレンジすること、オンラインなどで英語を勉強すること、アメリカのニュースを英語で読むことを目標にします。

気遣いってなんだろう。

どうして焦ってしまうのだろう。

窓の外はこんなにも色鮮やかで爽やかなのに。

今日は目覚めたら、ベランダにハトがいました。ベランダでモゾモゾしています。刺激しないように静かに見ていると、ベランダにフンをして飛び立っていきました。ああ、掃除用具はどこだったかな。いつもと変わらない一日のはじまりになりそうです。

2020.7.2記

▼駐妻caféではアメリカ各州の情報も掲載しています。ぜひご覧ください!

長久保 リー

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2005年〜2009年地方銀行にて融資係を経験 2010年〜2018年契約社員や派遣社員として大中小企業、官公庁など約10か所にて貿易事務、学校事務、金融事...

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