約15年続けてきた仕事を辞めて駐在に同行し、一時はキャリアロスに陥ったTさん。しかし、海外滞在中に自分と向き合うことで大切にしたい価値観を再発見。その価値観と趣味で行っていたことを結びつけてワークショップを開催し、今では地域の交流の場ともなっているそうです。今回は、そこに至るまでの経緯と地域への想いについてお話をうかがいました。
▶用語集
駐妻カフェでよく使う言葉を分かりやすくまとめています。
自己紹介をお願いします
Tと申します。
夫の転勤に伴い、2019年3月からアメリカのシリコンバレーに住んでいます。
日本では、食品メーカーの生産管理部門で業務改善をメインの仕事として働いていました。その後、2人目の育児休業中に夫の海外赴任が決まったことにより、退職しました。
現在は、平日の日中にワークショップを自宅で開催しています。週末はキャンプをしたり、年に3、4回はロードトリップをしてアクティブに過ごしています。
ワークショップについて、具体的に教えてください
ワークショップの内容は、フラワーアレンジメントやアクセサリー作り、ポーセラーツ、お菓子作り、各国の料理作りなどそのときによって違い、コンセプトはみんなで作ること。
私が講師として教えるときもあれば、得意な方をお呼びして講師をしてもらうこともあります。
各国の料理作りの講師としてその国出身のお友達を呼ぶこともあり、そのときは身振り手振りで料理を教わってます。
参加者は日本人の方が多めです。ワークショップの後には、手作りのスープをみなさんと食べるのがこだわりです。
開催場所は基本的に自宅ですが、オンラインで開催することもあります。
各回の人数は、自宅のテーブルで作業しやすいように講師の方と私の他に5人くらいの少人数で行っていて、2022年は60回ほど開催しました。リピートしてくださる方もいます。
ワークショップを開いた理由やきっかけはありますか?
生け花を日本で習っていたこともあり、お花で遊ぶことが元々好きだったんです。
大きなきっかけは、2020年に新型コロナウイルスが流行ってロックダウンになったこと。
家から出られなかったので、ひたすらお花のアレンジをしていたらどんどん溜まってしまって。もったいないからドライフラワーにして、さらにそれをアレンジし始めました。
最初は一人で楽しんでいたんですが、その年のクリスマスにお友達と一緒にクリスマスリースを作ったんです。そのときにワークショップ形式で行ったことがはじまりですね。
そこからどのような経緯で定期的にワークショップを開くようになったのでしょうか。
最初はまだ就労ビザもなかったので、仲の良い方と月に1回くらいのペースで集まって、趣味半分でワークショップを開くくらいでした。そのときには楽しい気持ちを感じた反面、仕事にしたいとか仕事になるとかまでは考えてもいなかったんです。
でも楽しくて続けているうちに、Instagramで他の人たちから刺激を受けたり、SUNNY PARKに入会したり、オンラインキャリア開発プログラムを受講したりと自分の中でいろいろな変化がありました。
そのプログラムの中で、自分の価値観や将来何を大切に生きていきたいのかを徹底的に深掘りする時間があって。
そこで自分が大切にしたいもの(仲間、喜び、家族、設計、未来)が明確になってきて、今やっていることをもう1歩先に進めたいと思い始めたんです。
同時期に、アメリカで駐在員配偶者の就労ビザについての法改正があり、手続きを経れば簡単に就労許可がおりるようになりました。
就労ビザを取得する前はあくまで趣味のひとつでしたが、ワークショップをしっかりとした形で開催し、参加者の方に安心して参加してもらうという意味でも良いタイミングでした。
こうして複数のことが重なったことで、自分の知り合い以外にも告知して有償でのワークショップ開催に取り組むようになり、今に至ります。