ワークショップを開くためにどんな取り組みをされましたか?

最初は自分と友達で講師をやっていましたが、途中でバリエーションを増やしたいと思って、Instagramで気になった方をスカウトしました。
お菓子作りなどの投稿を見て「すごい!」と感じた方にご連絡をして、講師として来ていただいて。
いろいろな方に講師をしていただくことで自分も学べるし、参加者の方が興味があることはさまざまなので、積極的にお声がけしています。
特に難しかった点、苦労した点はどんなことですか?
本腰を入れてワークショップを開催する前は、本当に仲が良い友達だけで行っていたので、Instagramを利用して集客するときは試行錯誤しましたが、それも楽しかったです。
自宅でワークショップを行っているので、毎日のように人を家に呼ぶのは大変なときもありますが(笑)。でも、人が来ることで掃除をするので、結果的に家は綺麗に保たれていて助かります。
また、私はワークショップをして解散というスタイルではなくて、終わったあとはスープを食べていってもらう時間にしているんです。
「大変じゃないの」と言われることもあるんですが、元々各国のスパイスを使える人になりたいという思いがあったので、ランチでいろいろな国のスープを出すと決めました。
スープスキルも上がるし、夕飯の一品がもうできている状態になるので一石二鳥になっています。
一見大変なことでも、モチベーションを高めるために自分の好きなものをどうやって組み合わせるかということは結構考えましたね。
ワークショップを開いてみての感想や今の心境を教えてください。

単純に、「地域のコミュニティに貢献できている」ことが本当に嬉しいですね。
ワークショップには赤ちゃん連れでもご参加いただけるので、参加された方が息抜きになったと言ってくれたり、渡米して間もない方がお友達を作って帰ってくれたりしています。
私は、単に人に何かを教えるだけではなくて、来てくれた人たちが新しい発見や情報交換できる、コミュニティに属すことができて楽しいと感じられる場にしたかったんです。
というのも、自分が渡米したばかりのころに病気のときや旅行のあとにスープを持ってきてくれるお友達がいたり、赤ちゃん連れでいると知らない人でも声をかけてくれたりしたことが心に残っていて。
アメリカのコミュニティに本当にお世話になっていたことがベースにあるので、自分の大好きなコミュニティに、人が楽しめる場を提供するという恩返しができて嬉しいです。
この体験から得たものはありますか?
元々、自分がいるコミュニティに来る人たちには生活を楽しんでほしいという想いを持っていました。
ワークショップの活動を通して、自分が大切にしたいことがよりはっきりと見えてきたというか。とにかくやってみようと続けているうちに、このコミュニティに貢献したいという気持ちが芽生えてきたことが大きな実感としてあります。
ワークショップで子ども向けのお祭りのイベントをやることもあったんですが、それが子どもの学校のPTAに伝わりスカウトされて、学校の秋祭りを一緒に開催したこともあります。
ワークショップをやっていたことで違うところにつながりができ、自分を後押ししてくれているなとも感じています。
家族など、周囲の方からの反応はどのようなものでしたか?
夫は「やりたいことがあるのはいいね」と言っていたんですが、最近は働きすぎてしまっていたので心配していました(笑)。今後はもっとバランスを取りながら活動していきたいと思っています。
子どもたちは、最近「ママは人にお花を教えてるんだ」とか言うようになって。それを聞いて、子どももちょっと嬉しいのかなと結構励まされました。
これからさらにしてみたいことはありますか?
コミュニティに貢献することが私にとってすごく楽しいと分かったので、何かしらの形で自分のコミュニティを良くしていく活動はしていきたいですね。その形は仕事じゃないかもしれないし、日本に帰ってからの展望はまだありませんが、今後も続けていくと思います。
あとは、いろいろな国の料理を食べたり、趣味がてらの探求はずっと続けていきたいと思っています。例えば、使ってないスパイスはないっていうくらいにしてから日本に帰りたい(笑)。
駐在妻・夫のみなさんに向けたアドバイスをお願いします。
「海外滞在中に何かをやらなきゃいけない」ということは絶対にありません。
「日本から出てきたから何かやらなきゃ!」ということはなくて、もし時間ができたら、好きだと思うことに没頭してみる。すると、自分の大切なことが見えてくることもあると思います。
私は「新しいは楽しい」と常々言っているんですが、この言葉をぜひみなさんに贈りたいです。
自分のキャリアにつなげるなどと難しく考えずに、違う世界を広げて、うまくいけば老後の楽しみにつながればいいなという気持ちで、新しいことにどんどん挑戦していってほしいと思います。
駐在同行中は自分に向き合うのにすごく適した期間だと思うので、ぜひこの貴重な時間を楽しんでください!
