女性ホルモンの基礎知識 -現役女性医師監修!海外在住日本人のための健康講座シリーズvol1:女性ホルモン(前編)

自分の状態・女性ホルモンのサイクルを知るために

女性ホルモンオンラインカフェ資料4
(図4.サチコ先生作成・オンラインカフェ資料)

“自分の状態・月経サイクルを把握することが大切だ”とお伝えしてきましたが、そのために何をすればいいのか、具体的にご説明します。ポイントは

  • 月経周期
  • 基礎体温
  • 経血量
  • 月経の前・中・後の症状

この4つです。

●月経周期

まずは前回月経から次の月経まで、何日間空いているのかを把握しましょう。
一般的な月経サイクルは28日から35日くらい(25日〜38日までが正常)とされています。
月経サイクルとは以下の4つの時期のことを示しています。

●月経
妊娠が成立しなかった場合、厚くなった子宮内膜が剥がれ落ちる。その剥がれ落ちた子宮内膜が体の外へと排出される時期。

●卵胞期
エストロゲンの分泌量が増え始め、卵胞(卵子とその周りを取り囲む細胞のこと)が卵巣内で成熟する時期。
子宮内膜の形成が始まる。

●排卵期
エストロゲンの分泌量が最大になり、十分に卵胞が育つと脳からの指令によって、卵胞から卵子が放出される。排卵日から次回の月経が始まるまでは約14日間。

●黄体期
身体が妊娠の成立に向け準備する時期。卵子を排出した後の卵胞が黄体に変化。この黄体からプロゲステロンが分泌されるため、プロゲステロンの分泌量が増え、子宮内膜がより厚くなったり基礎体温が上がったりする。

サチコ先生
この4つの時期を知り、自分が今どの時期にいるか、即答できるのが理想です。
ちなみに女性が最も体調がよいと感じるのは卵胞期。この時期は女性ホルモンの分泌量が少なく、月経からも解放されます。ただしこれは短い方だと1週間以下、長い方でも10日はない程度。私たちは一ヶ月のサイクルの中で絶好調の時期がすごく短いのです。

●基礎体温

基礎体温計を使って基礎体温をつけてみましょう。
基礎体温を付け、低温期と高温期がわかれば、ホルモンがいつ出たかや、排卵した日が分かります。つまり排卵してるかしてないかの判断ができます。

排卵の時に、オリモノの量・質の変化があったり、人によっては下腹部痛や少し出血があったりする方もいます。けれどそういった症状がない場合、基礎体温の測定は排卵の有無や時期を知るために家庭でできる唯一の方法です。

●経血量

経血量について把握している人はほとんどいないと思います。しかし、ぜひ実際に経血量を測ってみてください。経血量は疾患の有無を判断する基準のひとつになります。経血量の目安は、日本産婦人科学会の基準で20-150ml程度。20ccは生理が始まったばかりの10代前半や閉経間近の方が多いので、通常は大体100cc前後です。

【経血量の測り方のポイント】

  • タンポン・ナプキンの場合
    利用している生理用品のパッケージに記載されている吸収量を確認し、目分量で計算する。(通常サイズのナプキンの場合7-8ml、夜用は15ml程度、タンポンレギュラーは5ml/スーパーは10ml程度など)
  • 布ナプキンの場合
    商品によって重さが違うため、普段使っているものを用いて一度だけ重さを測定してみる。(それ以降は目分量で計算)
  • 月経カップの場合
    引き抜いた時に何ml入っているかを確認する。
サチコ先生
面倒かもしれませんが、一度でいいのでぜひ測定してみてください。
経血量140ml以上の場合は月経過多と定義されています。
もし月経過多だった場合、それが貧血やつらい月経痛の原因かもしれないという予測ができます。
また子宮内膜症や子宮筋腫がある場合、経血量が増えますが、徐々に増えるので自分では増えいると気付かないこともあります。計測によってしっかり把握することで気付かなかった病気を発見するきっかけにもなるかもしれません。

●月経の前・中・後の症状

月経前や月経中の症状は、先ほど<女性の70%が悩んでいるPMS,PMDD,月経困難症>でお伝えしたようにホルモンの影響で現れます。
ただ一人ひとり症状の現れ方は違うので、ご自分にはどのような症状が出るのか、一度メモを取るなどして確認してみてください。

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