女性ホルモンの基礎知識 -現役女性医師監修!海外在住日本人のための健康講座シリーズvol1:女性ホルモン(前編)

皆さんは女性ホルモンについて、またご自身の女性ホルモンのサイクルについて知っていますか?
月経、妊娠、出産など女性の日々の生活やライフステージに深い関わりをもつ女性ホルモン。女性器を持っている以上、避けては通れない女性ホルモンの影響ですが、それによる悩みを抱える女性もたくさんいます。

例えば月経前症候群(PMS)、月経前気分不快症候群(PMDD)、月経困難症。
国籍、住んでいる地域、年齢を問わず、女性の70-80%がこの3つのいずれかによって、何らかの不快な症状に悩まされているというデータがあります。

駐在妻の間でもこうした女性特有の悩みを抱える人は多くいるものの、日々の忙しさの中でその悩みへの対応を後回しにしがちです。

駐在ファミリーカフェでは
”病院受診のハードルが高い海外在住者こそ、自分の健康と向き合う必要があるのでは?”
と考え、サチコ先生こと北出佐知子医師をゲストに迎え、女性ホルモンに関するオンラインカフェを開催しました。

この記事は、そのときにサチコ先生が話された内容をまとめ、監修していただいたものです。
前後編に分け、前編では女性ホルモンの基礎知識を、後編ではオンラインカフェにご参加の皆さんから頂いた質問に対するQ&Aを掲載します。

前編には、知っているようで意外と知らない女性ホルモンに関する情報が詰まっています。
あなたが気になっていた症状への医学的な説明が見つかるかもしれません。

●サチコ先生のプロフィール●

北出佐知子医師

本名:北出佐知子。1974年生まれ。東京都出身。英領バミューダ諸島在住。都内の医学部を卒業後、大学病院循環器内科に勤務ののち、シンガポールでGP (総合医)として日系クリニックに勤務。2013年より、オンライン・ホームドクターとして在外邦人のサポートを行なっている。Peace of Mind Medical Services 代表
◇Instagram

サチコ先生

私は2011年から夫の仕事の都合でシンガポールに住むことになり、現地の日系クリニックで総合医として働き出しました。その頃から健康問題で困っている方の相談を受け始め、かれこれ8年ほどオンラインで世界中に住んでいる方からの医療相談・健康相談を受けています。
今回のオンラインカフェやこの記事を通して、皆さんにご自分の体のことをよりよく知っていただければ嬉しいです。

最初に伝えたいのは”自分を知る”ということ

今回のオンラインカフェを通して、サチコ先生が繰り返し話されていたのは、”自分を知る”ということの大切さ。

体の状態を判断する上で、普段のホルモンサイクルを知っておくことはとても重要です。下記のチェックリストの項目を、ぜひ一度確認してみてください。
これらを把握することで、その時自分の体の中で何が起こっているかを知ることができます。

女性ホルモンサイクルを知るためのチェックリスト

  • 生理周期
  • 基礎体温
  • 経血量
  • 月経前&月経中の症状
サチコ先生

忙しい女性の場合、毎月の月経サイクルの中で、気分の悪さなどを抱えつつも、”のどもとすぎれば”という感じでやりすごしていることも多いかと思います。しかし、ぜひ立ち止まって考えてみてください。
月経周期・基礎体温・経血量・月経中&前後の症状。
これは人それぞれ違います。
これから一般的な女性ホルモンの知識やホルモンサイクルについてのご説明も行います。ですが、私の中で今回のお話の真のテーマは、皆さんにこの4点について考えていただくきっかけを作り、ご自身の状況を把握していただくことです。

そもそも女性ホルモン・女性ホルモンサイクルとは?

女性ホルモンオンラインカフェ資料1
(図1.サチコ先生作成・オンラインカフェ資料)

女性ホルモンにはエストロゲンとプロゲステロンの2つがあります。

エストロゲン(別名:卵胞ホルモン)

卵巣内の卵胞(卵子を包み込む細胞)を成熟させ、排卵させる働きをもつ

プロゲステロン(別名:黄体ホルモン)

子宮の中の内膜(受精卵が着床するベッドのようなもの)を肥厚させる働きをもつ

エストロゲンは月経後から徐々に分泌量が増え、ピークを迎えると排卵に至ります。排卵すると同時に、今度はプロゲステロンが分泌されます。そして排卵から14日間が過ぎ、妊娠していない場合には両方のホルモンの分泌量がぐんと減って、内膜が剥がれ、月経が起こるという仕組みです。

エストロゲンやプロゲステロンの分泌量に関しては、脳下垂体からそれぞれのホルモンを出すように働きかけるホルモンも連動して、複雑に、そして繊細に絡み合ってコントロールされています。

女性ホルモンオンラインカフェ資料2
(図2.サチコ先生作成・オンラインカフェ資料)

排卵日前後で女性の体内の温度は変化します。これが低温期と高温期です。

体の温度と二つの女性ホルモンの分泌量は密接に関係していて、図2のサイクルで毎月同じことが繰り返されています。一般的に低温期は月経の後から排卵日までの約10〜20日間、高温期は排卵後から月経が始まるまでの約14日間
低温期・高温期と言っても、発熱するほどではなく、0.3度から多い人で0.5度という微妙な違いしかありません。ただし、人によっては高温期に体が熱くなって、だるくなったり、熱っぽく感じたりする人もいます。
一般的な体温計では測定できないため、正確に測るには基礎体温計が必要になります。

サチコ先生

このホルモンのサイクルや排卵を私たちが自分の意識で完全にコントロールすることは不可能です。
どんなに規則正しく生活していても、この通りにいかない方もたくさんいます。
“脳下垂体に負担のかかるようなストレスを少しでも減らすことでホルモンサイクルを整える”という対処法もあります。けれど、ストレスのない生活というものは現代ではとても難しく、医療の現場でもこのサイクルをきちんと作っていく方法はまだ確立されていません。

女性の70%が悩んでいるPMS,PMDD,月経困難症

女性ホルモンオンラインカフェ資料3
(図3.サチコ先生作成・オンラインカフェ資料)

今回オンラインカフェにご参加くださった皆さんには事前アンケートにご協力いただきました。その結果、やはりPMS(月経前症候群)、PMDD(月経前気分不快障害)、月経困難症についての悩みを挙げられる方が非常に多かったです。

冒頭でも触れた通り、女性の70-80%がPMS、PMDD、月経困難症のいずれかを原因とする不快症状に悩んでいるというデータがあります。

それぞれの現れる時期・症状は下記の通りです。

PMS(月経前症候群)

<時期>排卵してから月経を迎えるまでの約10〜20日間
<症状>浮腫み、胸のはり、腹痛、便秘/下痢、眠気/不眠、食欲増進/食欲不審、イライラする・憂鬱になる、肌荒れ

PMDD(月経前不快気分障害)

<時期>排卵してから月経を迎えるまでの約10〜20日間
<症状>PMSの気分的な症状が重度になった状態のこと

月経困難症

<時期>月経期間中(2,3日〜7日間程度)
<症状>下腹部痛、頭痛、ふらつき、便秘/下痢

PMSの主な原因はプロゲステロン

多くの女性を悩ませているPMS。
その症状には、プロゲステロンが大きく関わっています。

排卵後は、体が「妊娠しているかも」と期待し準備するため、妊娠を継続させるためにプロゲステロンの値が高くなり、さまざまな体の反応が起こります。

プロゲステロンの作用・影響症状との関連
インスリンの効きが悪くなる血糖値があまり下げられなくなる
→体が”血糖値がまだ高い、もっとインスリンを出さないと”と判断して分泌を促す
→血糖値が一気に下がって飢餓状態と認識される
急にお腹が空いてやたら食べたくなる
アドレナリンが分泌される興奮状態になる
攻撃的になる
イライラする
眠れなくなる
水分を溜め込む全身に水がたまり、溜まる場所によって症状が出る
→腸:便秘や下痢の原因
→脳:髄液の量が増えて脳内の圧力が高まり、頭痛の原因に
→皮膚の下:手や足のむくみ
→全身:体重増加
体温があがるだるさ、つらさ、ぼーっとする感じ
(表:プロゲステロンの作用・影響)

この他にもプロゲステロンは妊娠を継続するためになるべくおとなしくするように体に指令を出します。

まだ解明されていないことが多いPMDD

PMSと比べてあまり知られていないPMDD。正式名称は月経前不快気分障害といい、黄体期(排卵後から月経前までの期間)に精神的な症状を特に強く起こす場合を示します。

PMDDの発現にはさまざまな要因があるため、詳しい仕組みはまだ全て分かっていません。
ただ、女性ホルモンの分泌量の変化に伴って、神経伝達物質のセロトニンとGABA(ガンマアミノ酪酸)がうまく働かなくなることが原因のひとつではないかと言われています。(※神経伝達物質のセロトニンとGABAには気分を落ち着かせたり、不安感を取り除いたりする作用があります。)

女性ホルモンの分泌量の変化を見てみると、エストロゲンは排卵時に一過性に大量に分泌され、その後に減り、プロゲステロンは黄体期の終わりにかけて徐々に減っていきます。つまりホルモンサイクルを考えた時に、月経前は両方の女性ホルモンが少なくなっていく時期にあたるため、気分の変化が起こりやすいと考えられているのです。

実際にPMDDの方は、月経前の10日間の血中セロトニンの濃度が低下するというデータがあります。また、トリプトファン(セロトニンの原料となる必須アミノ酸)が少なくなることでPMDDの症状が悪化することも分かっています。

また、先ほどの表(プロゲステロンの作用・影響)にあるように、プロゲステロンによりアドレナリンの分泌が誘発されるため、余計にイライラや不眠が起こりやすくなります。

一方で、脳内のホルモンや神経伝達物質はストレスなどの影響を強く受けるため、PMSやPMDDは女性ホルモンの上下だけが原因ではなく、多くの要因が複雑に絡み合って起こることも理解しておく必要があります。

サチコ先生

タンパク質を十分に摂っていない方、腸内環境が悪化している方など、そもそもトリプトファンの量が少ない方は要注意。不規則な食事や偏った食事、砂糖や食品添加物といったジャンクフードなどで腸内環境が悪化すると、PMDDを発症しやすくなり、症状も悪化する可能性が高くなってしまうのです。

サチコ先生

ウェブサイトなどで調べると”PMSはホルモンバランスが崩れているからひどくなる”なんて書かれているので、”PMSの症状がある=ホルモンバランス悪い”と思っている方が多いです。けれど、PMSがあるのはホルモンがちゃんと出ているから。
エストロゲンが分泌されて、排卵した。ちゃんと排卵すると、プロゲステロンが出てくる。プロゲステロンがちゃんと分泌されると、先ほど説明した症状が出てきます。
バランスが崩れるという言い方も、色んな意味を持って書かれていると思うので間違いではないかもしれません。ただ、実はPMSやPMDDは正しくホルモンが出たから起こっているということをしっかり覚えていただきたいです。

●月経困難症の主な原因

月経中の一番の悩みは月経痛。それから眠気、PMSから続く頭痛などが挙げられます。
月経痛の主な原因は、プロスタグランジン、子宮口の狭さ、冷えの3つです。

プロスタグランジンは子宮内膜から分泌される物質です。
女性の体は妊娠していないということがわかった瞬間、プロゲステロンとエストロゲンの分泌を止め、妊娠に備えて作っていた内膜を排出しようとします。これが月経です。その時に内膜そのものからプロスタグラジンという物質が出て、子宮全体の筋肉をしぼりあげ、内膜を完全に落とそうとします。それが生理痛の原因です。
生理痛の重い人と軽い人の違いは、プロスタグランジンの分泌量(内膜の量の違い)と言われています。内膜量の違いは、生まれつきや年齢的な影響、そして子宮に病気がある場合などが挙げられます。

次に子宮口が狭い場合。狭い穴に向かって内膜を落とすために圧力がかかるため、痛みが強くなってしまいます。ちなみに出産経験のある方だと、出産前と比べてほんの少しだけ子宮口が大きくなることが多いので、そんなに強く痛みを感じないとされています。

それから冷え。
プロスタグランジンは内膜を排出するために平滑筋(自分の意思では動かせない筋肉)を収縮させます。その影響で血管も収縮してしまい、血流が悪くなり、血圧があがったり手足が冷えたりします。そのため月経時は末端の血行が悪い状態なりがちです。その上、お腹が冷えるとさらに血管が収縮して、より血流が悪くなります。そうすると、痛みがより強くなるという悪循環に入ってしまいます。

サチコ先生

月経痛は正常なサイクルの中でどうしても子宮がぐっと収縮した時に感じてしまうものです。ただ痛み止めを毎回飲まないと乗り越えられないほどの痛みは、やはり何かの病気のサインかもしれません。
また、プロスタグランジンのせいだけではなく、精神的なストレスも月経痛の原因になります。精神的に不安定な状態では、脳が痛みを強く感じてしまうということもあるんです。
これは月経以外でも起こることなので、少しでもリラックスできるような環境を自分で作ることも大切だと思います。

女性ホルモンの影響は悪いことばかりじゃない!

ここまで聞くと”女性ホルモン=いいものではない”という印象を持つかもしれません。
でもエストロゲンには、

  • 髪の毛がツヤツヤになる
  • 肌がしっとりする
  • シミ/シワがあまり増えない
  • 骨の密度を高める
  • コレステロール値を低く抑える

といった女性にとってうれしい作用がたくさんあります。

サチコ先生

女性ホルモンは、コレステロールを原料に作られています。
そのため、女性ホルモンを分泌している時期の女性はコレステロール値が低く抑えられます。つまり、閉経するまでは脳梗塞・心筋梗塞などの病気のリスクが下がるという大きなメリットもあります。

自分の状態・女性ホルモンのサイクルを知るために

女性ホルモンオンラインカフェ資料4
(図4.サチコ先生作成・オンラインカフェ資料)

“自分の状態・月経サイクルを把握することが大切だ”とお伝えしてきましたが、そのために何をすればいいのか、具体的にご説明します。ポイントは

  • 月経周期
  • 基礎体温
  • 経血量
  • 月経の前・中・後の症状

この4つです。

●月経周期

まずは前回月経から次の月経まで、何日間空いているのかを把握しましょう。
一般的な月経サイクルは28日から35日くらい(25日〜38日までが正常)とされています。
月経サイクルとは以下の4つの時期のことを示しています。

月経

妊娠が成立しなかった場合、厚くなった子宮内膜が剥がれ落ちる。その剥がれ落ちた子宮内膜が体の外へと排出される時期。

卵胞期

エストロゲンの分泌量が増え始め、卵胞(卵子とその周りを取り囲む細胞のこと)が卵巣内で成熟する時期。
子宮内膜の形成が始まる。

排卵期

エストロゲンの分泌量が最大になり、十分に卵胞が育つと脳からの指令によって、卵胞から卵子が放出される。排卵日から次回の月経が始まるまでは約14日間。

黄体期

身体が妊娠の成立に向け準備する時期。卵子を排出した後の卵胞が黄体に変化。この黄体からプロゲステロンが分泌されるため、プロゲステロンの分泌量が増え、子宮内膜がより厚くなったり基礎体温が上がったりする。

サチコ先生

この4つの時期を知り、自分が今どの時期にいるか、即答できるのが理想です。
ちなみに女性が最も体調がよいと感じるのは卵胞期。この時期は女性ホルモンの分泌量が少なく、月経からも解放されます。ただしこれは短い方だと1週間以下、長い方でも10日はない程度。私たちは一ヶ月のサイクルの中で絶好調の時期がすごく短いのです。

●基礎体温

基礎体温計を使って基礎体温をつけてみましょう。
基礎体温を付け、低温期と高温期がわかれば、ホルモンがいつ出たかや、排卵した日が分かります。つまり排卵してるかしてないかの判断ができます。

排卵の時に、オリモノの量・質の変化があったり、人によっては下腹部痛や少し出血があったりする方もいます。けれどそういった症状がない場合、基礎体温の測定は排卵の有無や時期を知るために家庭でできる唯一の方法です。

●経血量

経血量について把握している人はほとんどいないと思います。しかし、ぜひ実際に経血量を測ってみてください。経血量は疾患の有無を判断する基準のひとつになります。経血量の目安は、日本産婦人科学会の基準で20-150ml程度。20ccは生理が始まったばかりの10代前半や閉経間近の方が多いので、通常は大体100cc前後です。

【経血量の測り方のポイント】

  • タンポン・ナプキンの場合
    利用している生理用品のパッケージに記載されている吸収量を確認し、目分量で計算する。(通常サイズのナプキンの場合7-8ml、夜用は15ml程度、タンポンレギュラーは5ml/スーパーは10ml程度など)
  • 布ナプキンの場合
    商品によって重さが違うため、普段使っているものを用いて一度だけ重さを測定してみる。(それ以降は目分量で計算)
  • 月経カップの場合
    引き抜いた時に何ml入っているかを確認する。
サチコ先生

面倒かもしれませんが、一度でいいのでぜひ測定してみてください。
経血量140ml以上の場合は月経過多と定義されています。
もし月経過多だった場合、それが貧血やつらい月経痛の原因かもしれないという予測ができます。
また子宮内膜症や子宮筋腫がある場合、経血量が増えますが、徐々に増えるので自分では増えいると気付かないこともあります。計測によってしっかり把握することで気付かなかった病気を発見するきっかけにもなるかもしれません。

●月経の前・中・後の症状

月経前や月経中の症状は、先ほど<女性の70%が悩んでいるPMS,PMDD,月経困難症>でお伝えしたようにホルモンの影響で現れます。
ただ一人ひとり症状の現れ方は違うので、ご自分にはどのような症状が出るのか、一度メモを取るなどして確認してみてください。

女性のライフステージにおける月経関連疾患

女性ホルモンオンラインカフェ資料5
(図5.サチコ先生作成・オンラインカフェ資料)

女性ホルモンは、毎月のサイクルだけではなく、女性のライフステージ全体に大きな影響があります。
一生のうち、安定してエストロゲンが出ているのは20歳から30代後半までのたった15年程度。その後、エストロゲンの分泌量はどんどん減っていきます。

一般的に月経は12歳頃から始まり閉経を迎えるのが50歳ごろ。つまり40年弱、月経サイクルが繰り返されます。
昔は妊娠出産の回数が多く、授乳期間もあったため、現代と比べて月経の回数は少なく、生涯で50回程度だったようです。また更年期を迎える頃に寿命を迎えることも多かったので、不快感を感じる期間が短かったとも言われています。
それに比べて最近の女性は妊娠・出産の回数が非常に少ないため、生涯における月経は400回以上。月経サイクルの回数が増えたことで、PMSや月経困難症などの月経関連疾患に悩む方も増えています。

サチコ先生

月経関連の話は友人同士でもあまり詳しくしないことが多いです。そのため、基準がわからず、つらい症状でも我慢している人が多いでしょう。
ですが、月経痛が重くて寝込んでしまうだとか、痛み止めを飲まないと我慢できないほどの月経痛がある場合、その背景には、子宮内膜症や子宮筋腫といった病気が潜んでいることもありえます。一般的な基準を知ること、そして自分の普段の状態を把握しておくことで、違和感に気づく事ができます。
以下のチェックリストに当てはまる場合は、病気の可能性があります。ためらわず受診してください。

【こんな時はすぐ病院へ】

  • 経血量が増えた/測ってみたら量が多すぎる
  • 立ちくらみをするようになった(貧血の可能性あり)
  • 月経周期が突然変化した(日数が突然変わった)
  • 生理痛が急に酷くなった(痛み止めがないと無理、寝込んでしまうなど)
  • 経血の性質が変わった(匂い、ごろっとした塊が出てくるようになった)
  • 下腹部に何か触れるようになった

すべての人に訪れる更年期

女性ホルモンオンラインカフェ資料6
(図6.サチコ先生作成・オンラインカフェ資料)

女性のライフステージを考えた時、多くの方が気になるという更年期障害。
更年期は閉経する前後5年間の10年のこと、つまりすべての方に更年期はあります。

ただし、更年期障害として症状が出る方は日本人女性の30%未満、約400万人。
いつから始まるかのは個人差があり、閉経が来てみないといつから更年期だったのかは分かりません。早い方では37,8歳から、遅い方だと50歳過ぎてから更年期が始まる方もいます。

更年期障害の症状は多岐にわたり、人によって症状の出方が違います。
一般的な更年期障害の症状は

  • ホットフラッシュ(急に暑くなり、上半身に汗が吹き出てしまう症状)
  • 疲労感
  • 眠気
  • 物忘れ
  • 肌の乾燥
  • 糖尿病・高血圧・高脂血症などの生活習慣病

などです。

サチコ先生

更年期には体に劇的な変化が起こる場合があるので、それを事前に知り、驚かないように心の準備をしておくといいでしょう。ちなみに更年期障害の症状が出るかどうかは遺伝的な要因も大きいです。そのため、一度お母様に聞いてみると大体自分の症状を予想する目安になると思います。
また閉経を迎えると「女として終わっちゃったんだ。」と思い、それをきっかけに心身共に不安定になる方もいます。本当はそんなことないのですが、ホルモンの影響もあり、より強いショックを受ける方がいるので、やはり心の準備が必要です。
人生100年時代と言われる今日この頃。後半50年は女性ホルモンに振り回されない安定した期間とも言えます。その”ある意味快適な時期”をどう使うかは皆さん次第です。

自分を知る、自分を労わることを忘れずに

一般的な女性ホルモン、月経サイクルについてご説明しました。
少し難しい話になってしまいましたが、ぜひ皆さんに実践していただきたいのは自分を知ること、自分を労わることです。
サチコ先生はオンラインカフェ内で、以下のように語ってくださいました。

”毎月繰り返される症状や気分の上がり下がりに翻弄されるのではなく、自分がどの時期にあるのかを把握しましょう。わかっていれば対処もできます。

駐在家族がおかれている環境はやはり特殊で、奥様にかかる負担が相当大きいのが現実です。
ただしご自身が健康的に過ごせていないとご家族を守るのは難しいので、ぜひご自分を労わることを忘れないでください

それから家族の要である駐在妻のみなさんのコンディションは家族で共有することもひとつのポイントです。「お母さん今イライラ期だからさ」「お母さん今キラキラ期だからなんでもしてあげるよ」とか。そういうシェアをして、乗り切っていただければと思います。”

日本に住んでいても、婦人科受診のハードルは高いと言われています。
海外に住んでいるとなおさら受診のハードルは上がるでしょう。
でも受診もせず、不安を抱えたまま生活するのはつらいもの。
なので、まずはご自身の状況を把握するところから始めて、必要があればぜひ勇気を出して専門機関に相談したり、受診したりしてみてください。

後半ではPMS・PMDD、更年期障害への対処法など、皆さんからいただいた質問にお答えいただきます!
ぜひ合わせてご覧ください。

サチコ先生関連の情報・イベントのご案内

●海外あんしん健康・医療相談(オンラインホームドクターサービス)のご紹介

今回、女性ホルモンに関して詳しく解説してくださったサチコ先生。
世界中に住む日本人を対象に健康相談や医療相談を受けるサービスを展開されています。初回は相談無料なので、困ったことがあればぜひこちらにご相談ください!

【今までにあった相談例】

  • 子供に湿疹できたけど、病院行った方がいいのか分からない。
  • 言葉や文化の壁があって、病院を受診するべきか悩む。
  • 海外で手術することになったけど本当に手術していいの?
  • 病院を受診して薬をもらってきたけれど、本当に飲んでいいの? など
サチコ先生

このサービスを開始して約8年、12ヵ国からのご相談をお受けしたことがあり、長いお付き合いをしている方もいます。私が全ての国に住んでいるわけではないですし、全ての言語ができるわけではありませんが、他の地域に住んでいらっしゃる方と二人三脚でいろんな言語と奮闘しながら相談に乗っています。
普段は必要のないサービスですが、ウェブサイトをブックマークしたり、Instagramをフォローしていただけると、困ったときに連絡ができると思います。気軽なご相談もお受けしていますので、何か気になることがあれば、ぜひご連絡ください。

●今回の記事でまとめた女性ホルモンに関するオンラインカフェが大好評だったため、追加でInstagram Liveも2021年7月に開催しました!
オンラインカフェ当日は時間の関係でお話しできなかったミレーナの話や、妊活・更年期について話しています。
情報満載のInstagram Live、下記をクリックしてご覧ください♪
Instagram Live 『自分の女性ホルモンサイクルを知って、より快適な海外生活を』

●今回の記事の元となった2021年6月のオンラインカフェの開催レポートはこちらです。

●2021年11月19日(金)に再びサチコ先生をゲストにお招きしてオンラインカフェを開催しました!
テーマは腸活。
12月3日(金)には管理栄養士・しおさきえりさんをゲストにお迎えして、同テーマで腸活を生活に取り入れるための工夫についてお話いただきました。
さらに、12月10日(金)にはサチコ先生・しおさきえりさんのお二人をゲストにお迎えしてInstagram Liveも開催!
Instagram Liveはアーカイブをご覧いただけます。ご興味ある方はぜひ下記のリンクをクリックしてみてください♪
Instagram Live『ドクターと管理栄養士に聞く!海外でも気軽にできる腸活のススメ。世界の発酵食品&飲み物』