【メンバー座談会】一時帰国中の体験入学を語ろう!<前編>

子どもたちと一緒に海外生活をおくる保護者にとって、本帰国後の学校生活は気になるテーマなのではないでしょうか。

本帰国後に日本での学校生活に馴染めるように滞在国で日本語補習校に通ったり、日本の通信教育を利用して家庭学習したりしているご家庭も多いと思います。また日本の学校生活を経験するために、一時帰国中の体験入学を検討することも選択肢のひとつではないでしょうか。

今回は、夏休みに実際に体験入学を経験した駐在ファミリーカフェ運営メンバーで『一時帰国中の体験入学』について、ざっくばらんに語り合ってみました。

メンバー紹介

かずりん

 かずりん
・2021年8月からマレーシア在住
・高1長男:以前通っていた私立中高一貫校に体験入学
・中1長女:公立中に体験入学
・台湾への駐在同行時に2回の体験入学済(私立幼稚園・公立小)

くるみ

 くるみ
・2019年4月からドイツ在住
・小5長男:以前通っていた公立小に4週間の体験入学
・年少次男:私立幼稚園に体験入園
・駐在同行後、初めての体験入学

chiharu

 Chiharu
・タイに通算15年滞在し、2019年4月に本帰国
・高2長女:小3と小4のとき、保護者の実家近くの公立小に
      1週間ほどの体験入学
・小6長男:体験入学の経験なし

Hana

 Hana
・2021年9月からマダガスカル在住
・小6長女:公立小に3週間の体験入学
・小3長男:公立小に3週間の体験入学
・年中次女:認定こども園に3週間の体験入園
・以前の滞在国でも複数回の体験入学を経験済

ミシェリ

 ミシェリ
・2021年2月からアメリカ在住
・小6長女:以前通っていた公立小に2週間の体験入学
・小3長男:以前通っていた公立小に2週間の体験入学
・今回の駐在同行後、初めての体験入学
・2009年よりブラジル駐在同行経験あり

Yui

 Yui
・2017年10月からアメリカ在住
・小6長男:公立小に4週間の体験入学
・駐在同行後、初めての体験入学

ゆうこ

 ゆうこ
・2022年1月からアメリカ在住
・小3長男:以前通っていた公立小に3週間の体験入学
・駐在同行後、初めての体験入学

ゆっこ

 ゆっこ
・2021年7月からイギリス在住
・小6長男:以前通っていた公立小に5日間の体験入学
・小3次男:以前通っていた公立小に5日間の体験入学
・駐在同行後、初めての体験入学

Karin

 Karin
・2018年5月からアメリカ在住
・小1長女:体験入学は未経験。
     長女が小学生になり、体験入学を検討中。
・今回は未経験者の立場で、ファシリテーターとして参加

体験入学をする前の手続きや準備で大変だったことは?

連絡手段について

ミシェリ
手続きの際、学校に連絡する前に区に話を通す必要がありました。指定された連絡手段は電話のみだったのですが、区からアメリカにはかけられないと言われました。

ゆうこ
私も電話しか受け付けてもらえなかったので、実家の母にお願いしました。

Hana
うちは3回目の体験入学だったので、市役所の方も対応に慣れていました。
最初に問い合わせメールを送ったら「日本にいる家族に申請書を書きにきてほしい」と言われましたが、メールでのやりとりをお願いしたら快諾してくれました。

中には、役所を通さずに直接学校とやりとりしたメンバーもいました。実際に体験入学をする際には、該当する自治体や学校での手続き方法をご確認ください。

手続き書類、滞在場所と滞在証明について

ミシェリ
提出必須の「体験入学許可証」を海外には郵送してもらえなかったので、日本に着いてから区役所で受け取り、そのまま学校へ向かい提出しました。結構面倒でしたね。
また、学校のエリア内にAirbnbを借りたので、その契約書のコピーを「滞在証明」として提出しました。

くるみ
私は、ホテルはダメだと言われたので、マンスリーマンションを借りて「賃貸証明書」を提出しました。

体験入学の期間について

ミシェリ
東京都は区によって違い、うちは最短で2週間というルールがありました。

くるみ
うちは「4週間以上通う必要があり『編入』扱いになる」と言われました。駐在同行直後の夏休みに一度検討したのですが、期間の面で諦めた経験があります。

Yui
一方で、希望者が多いため受け入れは最長2週間という学校もあるそうです。体験入学のルールは自治体や学校によって多種多様だなと感じました。
この夏に体験入学を諦めた友だちが結構いましたが、「何かひとつだけの条件に固執せずアプローチを変えたら、きっと他に体験入学できる学校が見つかるかもしれないのに」と思いました。

くるみ
私は夏休み前に4週間通うという条件に合わせて、一時帰国の日程を決めました。結果、ドイツで通っているインターナショナルスクールは10日ほど休むことになりました。

Hana
私も同じです。滞在国の学校の修了を待たずに、一時帰国をしました。事前に、日本の学校に通わせる旨を伝えて、了承を得ました。

ゆっこ
体験入学の期間に条件はなかったのですが、イギリスの現地校は、学校を休ませる際にちゃんとした理由がないとペナルティを取られます。日本の小学校とイギリスの現地校の夏休みはほぼ同時期だったので、日本の小学校の2学期に5日間だけ体験入学して、イギリス現地校の新学期に間に合うように戻りました。

事前の結核検査や健康診断が必要な場合も

Hana
マダガスカルから日本の学校に通う場合は、体験入学前に結核検査が必須だったので、市の指定病院でレントゲン検査(公費)を受けました。

ミシェリ
事前に健康診断を受けていなかったので、水泳の授業には参加できませんでした。

ゆうこ
うちは健康診断をせずに水泳の授業に参加させてもらえたし、学校指定のものでなくて大丈夫でした。 その辺りは学校によってかなり違いますよね。

体験入学をした子どもの率直な感想

かずりん
中学1年の娘は「来年の夏も行ってもいい!」と言っていました。高校1年の息子は「先生たちも友だちも変わってなくて歓迎してくれたから、行ってよかった!」と言っていました。

Hana
うちは長女が小学校6年生で、「最後だから 絶対行きたい!」と言っていました。給食を食べて、委員会やクラブ活動にも参加できて、本人は大満足。次女は登園渋りもありましたが、慣れるとお迎えのときに「今日も楽しかった〜」と笑顔でした。こちらに戻ってきてからも「やっぱり日本の幼稚園に行きたい」と言っています。

くるみ
年少の次男が「日本の幼稚園に行きたい」と今朝も言っていたので、とても楽しかったようです。体験入園して日本語力が一気に上がった気がします。長男もとても生き生きとしていました。ただ、体験入学が終わる頃にため息をつくことが多く、理由を聞いてみると、「授業がつまらない〜。ずっと前を向いて座っているんだもん」と言っていました(笑)。

Yui
友だちや先生に恵まれて楽しめたようです。中でも息子が特に「楽しかった」と言っていたのが、家庭科の授業で校舎中のシンクの水道を全部ピカピカにしたことです。楽しかった理由は、ピカピカになった水道を見た2年生の子たちが「ありがとう」と言ってくれたこと、アメリカの学校生活で掃除はないので掃除という体験自体が新鮮だったことのようです。

ゆうこ
うちは「あおばな染め体験」という伝統工芸の体験で工房を訪れたり、理科の授業で「風と力」について学ぶために車を作って走らせたりしたことがおもしろかったようです。

体験入園した幼稚園の夕涼み会
七夕の様子

体験入学中、困ったことは?

ゆうこ
通常は集団登校なのに、「体験入学者は参加できないので、登下校は保護者がついてきてください」と言われてしまって。
私は一時帰国中に仕事をしていたので両親にお願いしましたが、これは予想外で困りましたね。

くるみ
chiharuさんは馴染みのない場所で体験入学を経験されていますが、どうでしたか?

chiharu
最初の学校とのやり取りから、かなり大変でしたね。 娘が学校で友だちになったお母さんと仲よくなって、分からないことは聞いてどうにかなったという感じでした。
あとは「周りの保護者が体験入学についてどう思ってるのかな?」とすごく気になりましたね。

くるみ
うちも今回幼稚園は初めての園でしたが、他の保護者とは挨拶ぐらいで、積極的に人間関係を作ろうとはしませんでした。

chiharu
私も同様にあまり踏み込んではいけないかなと感じていました。他の保護者の方との距離感がちょっと難しかったです。当然子どもたちはそんなこと思ってないですけどね。

体験入学中のサポートについて

はじめての学校に体験入学をした場合

Yui
特別なサポートはありませんでした。もう6年生ですし、とりあえず輪の中に入れて見守ってくださったようです。「友だちができましたよ」というようなメール連絡をマメにくださいました。
あとはドリルの貸し出しなど物理的なサポートはありました。

以前に通っていた学校に体験入学した場合

ミシェリ
うちは仲がよい子や事情を知っている子が多いクラスに入れるように、事前にお願いしました。保護者と連絡を取り合っていたので、現在の学校の状況をある程度把握していたことがよかったと思います。
また、以前の担任の先生が内部で過去資料を引き継ぎしてくれたようで、すんなりと馴染めました。

ゆっこ
通っている日本語補習校で使用している国語の教科書を持ってかえりました。以前使っていたランドセルや防災頭巾を使い、ノートと上履きだけは買いました。足りないものは学校から貸し出してもらったようです。

くるみ
長男が以前通っていた学校でママ友がいたので、習字道具、裁縫セット、体操服などいろいろな人から借りました。一方、次男は幼稚園からすべて貸していただき、出席シール帳だけ購入しました。

Hana
長男の場合は、クラスメイトがさまざまな面でサポートしてくれました。温かく迎えてもらい、はじめは恥ずかしがっていた息子も打ち解けやすかったようです。担任の先生には「書くことが苦手です」と伝えていたので、連絡帳を書くときなどサポートしてくれました。宿題に関してはみんなと同じように出してほしかったのですが、配慮してくださって少なめでした。

滞在国から持参した教科書(海外子女向けに配布されたもの)と学校から購入した夏休みのワークブック

くるみ
うちも宿題を全然やらないので息子に聞いたら、「僕はやらなくていいみたい」と。驚きましたが、先生が配慮してくださったみたいです。事前に国語がちょっと苦手で、漢字は3年生ぐらいで止まっているかもと伝えてしまったので(笑)。

Hana
分かります。親としては、体験入学中に宿題を毎日して漢字・計算ドリルに取り組むことを習慣づけてほしいと思っていたんですけどね(笑)。

貸し出していただいた幼稚園の制服一式

海外の学校から日本の学校への体験入学。子どもたちはどんな違いに直面し、その違いとどのように向き合ったのでしょうか。保護者目線での気づきについても語られています。

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