300人の”駐妻”に向き合うなかで見つけてきた『駐妻である私が、駐妻のためにやりたかったこと』

広州の風景

駐在ファミリーカフェで人気のオンラインイベント『駐在妻のストレスケア 』を主催するARINAさん。2018年にスタートしてからこれまでに25回以上開催し、多くの駐妻たちの心と身体に向き合ってきました。その過程で、「駐妻の”表には出しにくい心の内”を丁寧に聴き、その思いを満たすものを作りたい」と、オンラインヨガサークルやClubhouse『駐妻ライフ』の運営などの活動を次々とはじめてきたそうです。

コロナ禍の混乱で誰もが自分や家族のことだけで精一杯になってしまうような環境下でも、「困っている駐妻のために」と活動を続けてこられたARINAさん。どのような思いで活動されてきたのか、これまでを振り返っていただきました。

▶駐在妻のライフキャリアとは

▶用語集
駐妻カフェでよく使う言葉を分かりやすくまとめています。

ーー自己紹介をお願いします。

ARINAです。2018年から中国広州市で生活しています。夫と子ども2人がいます。

途中、2019年末から第2子出産とコロナ禍の渡航制限で日本に長期一時帰国しましたが、2022年2月から再び広州での生活を再開しました。

Arinaさんと2人のお子さん

やりたいことはあった、でも自分に何ができるかはわからなかった

ーーこれまでの活動を教えていただけますか?

海外生活の前半は、広州でヨガレッスンを行ったり、プロボノ活動として参画した駐在ファミリーカフェでオンラインカフェ『駐在妻のためのストレスケア』を開催していました。

それから少しずつ活動を広げて、オンラインのヨガサークル『Expat Yoga Circle』、Clubhouseでゲストを招いてのおしゃべり会『駐妻ライフ』、そして、2022年末からは駐妻が自分らしい日々を過ごせるようになるためのオンラインプログラム『Expat Journey』を主催しています。

ーー渡航直後から積極的に動かれたそうですが、海外生活のはじまりはスムーズだったのですか?

そうですね。夫の転勤が決まったのがちょうど長女の育休中だったのですが、私は学生の頃から国際協力に興味があったこともあり、「海外に行けるならいいかな」とわりとすんなり受け入れていました。

いざ仕事を辞めるとなった時は少し考えたり、渡航先のよくないニュースを見ては不安になったりしましたが、家族全員で一緒に過ごしたいという思いも強かったので駐在同行に迷いはありませんでした。

ーー渡航当時のブログに「海外生活中に女性のサポートができるような活動がしたい」と書かれていたそうですが、はじめから何かしようと考えていたのですか?

私は前職で働く人のメンタルヘルスに関わる仕事をしていて、その頃から「カウンセリングやヨガが自分自身に合っている」と感じていたので、広州でもなんらかの形で続けられたらいいなと思っていました。

ただ、渡航当初は、それをどのように形にしたらいいかはまだわかっていなかったです。「いろいろやりながら見つけてきた」という感じですね。

広州の風景と2人のお子さん
年間を通して暖かい広州(夏はとても暑い!)

きっかけは多くの駐妻たちとの出会いから

ーー広州でヨガのレッスンをはじめたきっかけは何ですか?

当時、近くに日本語で受けられるレッスンがなくて、自分でやることにしたんです。

まずは、私の自宅で親しい人を対象にはじめて、口コミで広がりだしたのを機に会場を借りてやりました。腰痛やお腹引き締めのために参加される駐在員の方や、ファミリーヨガに一緒に参加されるお子さん、そして日本語が分かる中国人の方まで、いろんな方にいらしていただきました。

ーーなんだか、すごく気軽にはじめられた印象ですね。

そうですね。実は渡航間もない頃に、近所のクリニックで「カウンセラーをやらないか」ってお声かけいただいたのですが、まさに「自分がやりたい!」と思える仕事だったもののさまざま事情で諦めたことがあったんです。それもあって、「自分のできることをやりたい」という思いが強くて、スッとはじめられたと思います。

広州でのヨガレッスンの様子
広州でのヨガレッスン

ーー同じころ、駐在ファミリーカフェでも運営メンバーとしてオンラインカフェ『駐在妻のためのストレスケア』をはじめられたんですよね。

はい。駐在ファミリーカフェに参画してから世界中にいる駐妻の話を聴く機会が増えて、ストレスを溜めている駐妻がとても多いことに気付きました。人と話をするだけでもスッキリはするけれど、それでは不充分だなと感じるようになって……。そこで、もっと心身のストレスを解消できるよう、前職でやっていた椅子を使ったメンタルヘルスケアをベースにしたオンラインカフェ『駐在妻のためのストレスケア』を開催するようになりました。

ーーその流れで、オンラインのヨガサークルも作られたのですね。

メンタルヘルスって、どうしても長い時間軸で浮き沈みが起きてしまうんですね。オンラインカフェの『ストレスケア』だと単発で終わってしまうので、もっとメンテナンスのように継続して受けられるものがあったらいいなと考えて、Facebookグループでのオンラインヨガサークルを作りました。

ーーオンラインとリアル、同時に主催していたのですよね。続けるのは大変ではなかったですか?

いいえ、楽しかったですよ!私のヨガでは「身体と心は今どんな感じですか?」というように自分の状態を言葉にする時間も大事にしています。それは、自分を見つめる時間を作って、少しでも楽になって幸せを感じられるような状態になって欲しいと考えているからです

1人でも必要としてくれる方がいるなら続けたいと思っていましたし、私自身にとっても、自分の心の声に耳を傾けたり、皆さんとシェアしあったりする時間が心地良いものになっていたので、全然大変ではなかったです。

ーー「こういうのがあったらいいな」という思いで、ひとつずつ形にされてきたのですね!

「駐在妻のストレスケア」のイベント告知用バナー
2018年開始以来、気付けばもう25回も開催していました!(2023年8月時点)
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